要介護3とは

介護認定を受けると、非該当(自立)、要支援1~2、要介護1~5までの結果が出ます。 要介護3と認定された場合、使える介護保険サービスや気をつける事を以下にまとめました。

 

要介護3とは

要介護3はどんな状態か

要介護3とは、ひとりでできないことが増え、中程度の介護が必要な状態です。

排泄、立ち上がり、みだしなみや掃除などの日常生活がひとりではできません。また、歩行や両足での立位保持など、移動の動作についてもひとりでできないことがあります。

また、認知症によるいくつかの問題行動や理解の低下がみられることがあります。

要介護者の支援だけではなく、介護者のレスパイトも意識したケアプランが作成されます。介護が感じている負担やストレスについて、日ごろからケアマネジャーと話しておくといいでしょう。

>>要介護認定について介護のQ&Aを見る | 介護のQ&A | 

要介護3の1ヵ月の支給限度額はいくらか

介護保険制度では、要介護3の方が使える介護サービスの上限は、269,310円です。
自己負担額は原則1割。一定以上の所得がある方は、所得に応じて、2割または3割です。

<上限までサービスを利用した場合の1ヵ月の金額>

1割負担:26,931円
2割負担:53,862円
3割負担:80,793円

月の介護サービス費用の自己負担金額が一定の金額を超えた場合、申請により超えた分が戻ってくる「高額介護サービス費制度」が利用できます。

自己負担の上限金額は、所得などの諸条件によって区分けされています。本人または世帯全員が住民税課税者の場合、月額の自己負担上限額は、2021年8月より所得に応じて44,400 円~140,100円です。詳しくはケアマネジャーや地域包括支援センターなどに相談してください。

>>高額介護サービス費で介護費用が安く?手続き方法や具体例も紹介

介護保険で利用できるサービスの目安

週5~7回のサービス

(例)

・週2回の訪問型サービス(入浴介助、生活援助サービスなど) 
・週1回の訪問看護
・週3回の通所型サービス(デイサービスなど)
夜間対応型訪問介護
・月に1週間程度の短期入所介護(ショートステイなど)
・福祉用具貸与

要介護度が進行しないように、ケガや病気、ADLの低下を予防することが大切です。介護保険サービスを利用して、定期的に掃除や買い物を代行してもらったり、廊下やトイレなどに手すりを設置したりして生活環境を整えましょう。排泄がひとりでは難しいため、リハビリパンツや紙おむつなどの介護用品の消費が多くなります。多くの自治体では、テープ式紙おむつやリハビリパンツ、パッドなどの大人用紙おむつの支給を受けられます。ケアマネジャーさんに相談してみるといいでしょう。

お金に余裕があれば、介護保険外サービスの配達弁当を利用してバランスの良い食事をとったり、地域の健康体操などの活動に参加して心身の健康を保つといいでしょう。 

要介護3から特別養護老人ホームへの入居が可能になります。ただし、特別養護老人ホームは比較的安い金額で入居できるので人気が高く、申し込みをしてもすぐに入居できるわけではありません。将来的に施設への入居を考えている場合には、早いうちから資料の請求や施設の見学をしておくといいでしょう。 

介護サービス利用可否表

自宅で受ける介護サービス

訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
夜間対応型訪問介護
居宅療養管理指導
定期巡回・随時対応型訪問介護看護

一時預かりサービス

短期入所生活介護(ショートステイ)
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

日帰りで受ける介護サービス

小規模多機能型居宅介護
通所介護(デイサービス)
通所リハビリテーション(デイケア)
認知症対応型通所介護
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

生活環境を整えるサービス

福祉用具貸与(レンタル)
特定福祉用具販売
住宅改修

長期入所できる施設サービス

有料老人ホーム
ケアハウス(軽費老人ホーム)
60歳以上の高齢者または夫婦のどちらか一方が60歳以上、自分で身の回りの世話ができる
身のまわりのことが自分でできなくなると退去。
○条件あり
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人保健施設(老健)
介護療養型医療施設
介護医療院
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
養護老人ホーム
※養護老人ホームは、介護の必要性に関係なく環境的・経済的に在宅で生活することが困難な高齢者を対象
身のまわりのことが自分でできなくなると退去。
○条件あり
サービス付き高齢者向け住宅

要介護3のよくある質問

特別養護老人ホームに入居する優先順位は要介護3だと低い?

 特別養護老人ホームは、原則要介護3から入居が可能です。また、比較的安い金額で入居できるので人気が高く、申し込みから入居までに待機期間があることもあります。

入居の順番は先着順ではなく、それぞれの入居希望者の状況が点数化されて優先順位が決められます。

「介護者等の状況」項目で、介護度3だと30点ですが、介護4に比べマイナス10点、5に比べマイナス20点です。

満点で120点(+αで特別な事情がある場合最高20点加点)でのこの差は小さくありません。(専門家 まりんず さん)
引用元:介護のQ&A

介護度だけで見ると、要介護3の優先順位は低くなります。ただし、入居の順番は要介護度だけで決まるわけではありません。ほかにも年齢や介護環境、住宅環境などの状況も点数化されて、優先順位が決まります。

介護者が育児中であることや、主介護者以外に介護者がいないこと…など、どんな状況だと高い点数が付くのかは、地域によって異なりますので、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談をしてみてください。

要介護3で認知症が進んでいる場合にひとり暮らしは難しい?

要介護3では、歩行や排泄などの日常生活の多くの場面で、手助けが必要になってきます。さらに認知症があり、離れて暮らしている場合には、そのままひとり暮らしをしていて大丈夫なのかが心配になる介護者も多いことでしょう。

専門家からはこんなアドバイスが寄せられています。

認知症あっても体が元気なら自宅生活もできないことはないのかもしれません。
ケアマネさんの力量にもよるのかもしれませんが、私からみたら自宅はもうダメじゃないかと思うような方でも、ほぼ毎日のデイサービスやヘルパー、訪問看護、さらにGPS持たせるなど工夫して在宅生活を支援してくださったケースがありましたよ。
なんどか自宅と入院を繰り返して、最終的にはサ高住で生活しています。

ご本人が自宅に帰ることを希望されているのかどうかにもよりますが、金銭的な問題がなければサ高住や有料老人ホーム、グループホームなども検討してみてはいかがでしょう。(専門家 ragiragi さん)

デイサービスやショートステイをいくら利用しても、やはり一人で過ごす時間が長ければいろいろなリスクを背負うことになります。病院ではオムツ外しもしたようですが、自宅ではまず排泄のことが心配になりますね。

ご家族も今までがんばってこられたんだと思いますよ。でもどこかの段階で決断するべき時がくると思います。今後はやはり施設でお世話になるべきでしょうね。まあ施設といってもいろいろありますので、そこはよく検討してみたらいいのではないでしょうか。

認知症の方ですとグループホームでもいいかもわかりません。いろいろな施設を見学し、ご本人に合ったところを探してあげて下さい。(ケアマネドットコム専門家 たこきちさん)

引用元:介護のQ&A

本人の身体の状況や認知症の周辺症状によって、ひとり暮らしに必要な支援は変わってきます。本人の希望や家族の状況を考えたうえで、ケアマネジャーと相談をしてみてはいかがでしょうか。

※この記事は2021年3月時点での内容です

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