在宅介護が必要になると、さまざまなサービスが用意されています。
各種サービスを利用する場合の費用は、要介護認定の程度あるいは有無によって異なりますので、利用前に市区町村の窓口に相談の上、要介護認定を受けておくといいでしょう。
>>要介護認定、認定調査の手続きと流れ
では、実際にどのようなサービスを在宅介護で受けられるのでしょうか。そのサービス内容を把握し、うまく活用してください。
- 1)訪問介護サービス
- 2)デイサービス・デイケア(日帰り)
- 3)ショートステイ・短期入所(一時入所)
- 4)居宅介護支援(ケアプラン作成)
- 5)福祉用具のレンタルと購入
- 6)訪問看護・居宅療養管理指導
- 7)訪問リハビリ
1)訪問介護サービス
高齢になると、一人で行うことが難しい作業が増えるでしょう。訪問介護サービスでは、介護福祉士やホームヘルパーが自宅へと訪れます。
そして食事や入浴、排泄、衣類の着脱、移動の介助などの身体介護をしてもらったり、料理や洗濯などの身の回りの生活援助を受けたりできるサービスです。
つまり訪問介護は、介護のプロを自宅に招き、在宅していながらさまざまな介護サービスを受けられるというものです。
>>訪問介護とは 利用方法と選び方
2)デイサービス・デイケア(日帰り)
事業所に通い専門スタッフから食事や入浴、日常生活の支援を受けられる「デイサービス」と、個別のリハビリを受けられる「デイケア」があります。最近では、リハビリに特化したデイサービスも増えてきています。
日帰りですが、週に1回から数回程度、希望に合わせて要介護認定を受けた高齢者が利用しています。事業所では各種レクリエーションを行うこともあり、高齢者にとって生きがいや楽しみの1つになることもあるサービスといえるでしょう。
デイサービスやデイケアを利用することで、普段自宅で介護している家族にも自由な時間が生まれます。そうすれば、介護へのストレス軽減にもなります。移動が伴いますので、近くで利用できるサービスを探すと良いでしょう。
>>通所介護(デイサービス)とは 特徴と探し方
>>自宅や施設など―リハビリ方法を選ぶポイントは?
3)ショートステイ・短期入所(一時入所)
要介護認定を受けた高齢者が、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホームなどに数日から1週間程度(最長30日)入所して、入浴や食事などの日常生活の介護が受けられるサービスです。
旅行や急病など、家族が一時的に介護できなくなる場合や、介護家族の負担軽減のために利用できるサービスです。
食事や入浴など日常生活の介護ケアが中心ですが、季節のイベントなどを開催することもあり、楽しく穏やかに過ごすことができます。自宅にこもりがちな高齢者の孤立感解消や、心身機能の維持回復といった目的でも利用されています。
>>短期入所生活介護(ショートステイ)とは 特徴と探し方
4)居宅介護支援(ケアプラン作成)
居宅介護支援とは、高齢者および家族が適切な介護サービスを利用できるように「どのような介護サービスをいつ、どの程度利用するのが良いか」その家庭に合ったケアプランを作成するサービスです。
高齢者の心身状態、そして家族の希望に合わせてプランを作成します。なお、このサービスは全額介護保険負担です。
>>居宅介護支援とは 特徴と活用方法
5)福祉用具のレンタルと購入
高齢者や障害のある方の自立を補助し、介護する人の負担を軽減する福祉用具をレンタルしたり、購入できたりするサービスです。一部で介護保険が適用されます。
《福祉用具のレンタル》
一部の福祉用具には介護保険が適用され、原則1割負担(一定以上の所得がある方は、所得に応じて一部2割または3割負担)で利用可能です。介護保険が適用されるのは、レンタルが中心です。
福祉用具貸与の対象品目は、車いす、車いすの付属品、特殊寝台(介護ベッド)、マットレスなどの特殊寝台付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、自宅改修が不要な移動用リフト、工事不要な手すりやスロープ、歩行器、歩行補助杖、徘徊感知機器、自動排泄処理装置です。
>>福祉用具貸与(レンタル)とは 特徴と活用方法
《福祉用具の購入》
使用しているうちに品質が劣化するものや、心理的に再利用が難しいものは、「特定福祉用具」として購入するようになります。腰かけ便座、特殊尿器、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフト用つり具が特定福祉用具にあたります。
一度全額を建て替える必要がありますが、申請をすると年間10万円を上限に購入費の9割(一定以上の所得がある方は、所得に応じて一部8割または7割)が支給されます。
>>特定福祉用具販売とは 特徴と使い方
まずは必要な福祉用具があることをケアマネジャーに相談をして、利用を検討するといいでしょう。
6)訪問看護・居宅療養管理指導
主治医などが必要だと判断した場合に提供されるサービスです。
主治医の指示に合わせて看護師などが自宅を訪問し、医学的な観察や処置、アドバイスを行う訪問看護では、退院後の健康状態の管理から、治療促進のための看護、日常生活や生活環境に関する相談、家族へのアドバイス、看取りまでをカバーしています。
>>訪問看護とは 利用方法と選び方
他にも医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士などが訪れて健康状態の管理を行う居宅療養管理指導があります。
>>居宅療養管理指導とは 利用方法と選び方
7)訪問リハビリ
主治医の指示に基づいて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪れ、リハビリをするサービスです。
施設でのリハビリと比べると機器は充実していませんが、生活環境で歩行や家事動作、食事やトイレなど、日常動作のリハビリができるのがメリットとしてあげられます。
また、家族が介助方法の指導を受けることも可能です。
>>訪問リハビリテーションとは 利用方法と選び方