辛いことばかりではないのが介護です。だからといって素敵なことばかりでもありません。誰にでも起こり得る介護なのに、介護のことが周りに言えなかったり、知られたくないと思ってしまうという声も少なくはありません。
育ててくれた祖母がになった経験を持つしかばね先生が、「言えない」「恥ずかしい」「隠したい」と思っていた葛藤の時間や、抜け出したきっかけを描いてくれました。
過去の自分を振り返り、死かばね先生はこう語っています。
恥ずかしい、隠したいと思ってしまってもいいんです。 少しでも「恥ずかしい、隠したい」という気持ちを前向きに捉える切っ掛けになればと思い、過去の私をありのままに描かせていただきました。当時叱ってくれた友人には感謝しかありません。
また、この作品を執筆中、しかばね先生にこんな出来事が起こったそうです。
この漫画を描いているときに、認知症ではありませんが母親の介護をしている同級生と会い、介護についてのお話しをしました。その同級生は「母親を変な目で見られるのが恥ずかしい」と言っていたので、私はビックリして「今まさにその話を描いているよ!」と、漫画の内容を同級生に少し話しました。 恥ずかしいと思ってしまっていたのは自分だけではなかったのだな…と安心し、その同級生に昔の自分を重ね、そしてこうした後ろめたい悩みを打ち明けてくれた事が嬉しくて泣きそうになりました。 最後に同級生は「今度お母さん連れてきてもいい?」と笑顔で言ってくれたのが嬉しかったです。
介護は誰にでも起こり得ることです。そして誰も完璧に介護ができるわけではありません。でも、自分を責める必要はないのだと、語りかけてくれる作品でした。
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また、死かばね先生は祖母が認知症 を発症してからを描いた作品「緩やかな始まりの終わり 」を、昨年公開しています。
「緩やかな始まりの終わり」は、下記から無料で読めます。まだ読まれていない方は、ぜひ一度訪れてみてください。