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前頭側頭型認知症(FTD)とは

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前頭側頭型認知症(FTD)とは前頭葉や側頭葉の萎縮を原因とした、前頭側頭葉変性症(FTLD)の1つです。

64歳以下で認知症を発症する若年性認知症として起こることの多い疾患です。

前頭葉の働きは、物を考えるなどの中枢的な役割を担っています。感情のコントロールや理性的な行動をするなど、状況を把握したり計画を立てたりする機能を持つもの。生きる意欲を沸き立たせることができるのも、この前頭葉の働きです。側頭葉の働きには、「言葉を理解する」「記憶する」といった機能があり、さらに聴覚や臭覚も司っています。

▼前頭側頭葉変性症とは

前頭側頭葉変性症には、前頭側頭型認知症のほかに、言語機能に障害が出る「失語症候群」があります。

失語症候群には、言葉を発したり理解するのが難しくなる「意味性認知症(SD)」と、言葉が流暢に話せないという症状がゆっくりと進む「進行性非流暢性失語症(PNFA)」があります。

前頭側頭型認知症の3つのタイプ

この前頭側頭型認知症(FTD)は、3つのタイプに分かれます。

《ピック病(FTD-Pick type)、行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)》

前頭側頭型認知症の約8割がピック病だといわれています。脳の大脳皮質にピック球とよばれる異常な構造物が発生して起こります。最近では、行動異常型前頭側頭型認知症(behavioral variant FTD :bvFTD)と表現されています。

2015年7月1日から新たに特定疾患(指定難病)に指定され、「対人関係や相互のやり取りに相当な影響を及ぼす中等度の行動変化(重症度分類で3以上)」が認められる状態にまで進行すると、大幅な医療費の助成が受けられるようになりました。

《運動ニューロン疾患型(FTD-MND type)》

運動ニューロン疾患とは、脳の運動神経だけが障害を受けることで発症する神経変性疾患です。その代表的なものが数か月から数年かけて、手足や舌、喉、呼吸を動かす筋肉が衰えていく「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」です。そのうちの30~50%が前頭側頭型認知症を伴うといわれています。

認知症の症状が出るタイミングは、ALSの症状が出る前のことも、ALSの症状と同時のこともあります。

《前頭葉変性症(FTD-FLD type)》

前頭葉に萎縮がみられ、ピック球などの異常な構造物は伴いません。

前頭側頭型認知症(FTD)の症状と特徴

前頭側頭型認知症(FTD)の特徴として、常識外れな行動が目立つようになります。しかしもの忘れはないため、精神疾患と誤診されることもあるでしょう。これは前頭側頭型認知症の3つのタイプに共通する特徴です。

症状1. 同じ行動を繰り返す

前頭側頭型認知症(FTD)の症状で最も目立つのは、同じ行動を繰り返すこと。同じ言葉を脈絡なくただ繰り返し発するので、精神的な異常を考える人は多いようです。そして、この異常な繰り返しは食にも関係しており、同じ物ばかりを食べたがるようになります。

症状2. 味覚異常や食欲異常

料理の味が甘くなったり、濃くなったりすることもあるでしょう。食欲が異常に旺盛となり、夜中に冷蔵庫の中のものを食べ漁ったり、テーブルに置いてあった砂糖を全て食べてしまったりするケースもあります。

症状3. 周りに影響されやすくなる

見た物に影響されやすくなります。例えば近くの人が立つと自分も立ち上がったり、じゃんけんする際に相手と同じものを出したりといった行動です。あるいは、相手が言ったことを真似してオウム返ししたりします。しかし言葉がなかなか出てこなくなり、黙ってしまうことも多くなるでしょう。

また、感情面でも影響されやすくなり、介護者の方が感情的になると、本人も興奮しやすくなります。

症状4. 好き勝手に振舞うようになる

さらに自分の思うままに行動するようになり、反社会的な行動が見られるようになります。万引きや痴漢などをしても本人に罪悪感がなく、注意されると怒り出して暴力を振るうこともあるので注意が必要です。

上記のような症状がみられた病院へ

若い人は、前頭側頭型認知症(FTD)を発症しても自分で気づきません。受診が難しいこともありますが、認知症の診断は必要です。本人が拒否する場合は、家族だけでも相談に行くとよいでしょう。

病院ではCTやMRIなどの画像検査や血流状態を見るSPCT検査などで、前頭葉と側頭葉を中心に脳全体の変化を確認します。あわせて認知機能低下の状況を心理テストで明らかにし、出ている症状と照らし合わせて診断します。

目につく症状はメモに書いておくといいでしょう。
>>認知症で病院にかかる方法

前頭側頭型認知症(FTD)への対応方法

常同行動を取る前頭側頭型認知症の人に対してそれをやめさせようとすると。怒ったり暴力を振るったりします。外出時には信号無視や万引きなどの危険があるため、家の中での行動は大目に見る必要があるでしょう。

周りのものに影響されやすくなっていますので、騒がしい場所ではいらつく恐れがあります。イライラしていたら、何が原因かを探してください。どこかへ行こうとしているときは、話題を変えてこちらに引き寄せるようにします。また、こちらが笑顔でいると笑顔になり、怒っていると怒りますので、笑顔で接するようにしましょう。
>>暴力・暴言の原因と対応

さらに食欲が旺盛になるため、テーブルや冷蔵庫の中などの食べ物の管理をしっかりすることも大切です。テーブルの上に食べ物を置かないようにして、冷蔵庫や戸棚にはドアロックをしておくなどの対応をしましょう。
>>認知症による暴食・過食の対処法

前頭側頭型認知症(FTD)の改善策

何が原因で前頭側頭型認知症(FTD)が発症するような脳の変化が起こるのかは、まだはっきりしていません。予防方法や根本的な治療方法はまだ確立されていないのが現状です。

家族が前頭側頭型認知症(FTD)を発症すると、周りの人が先にイライラしてしまいがちです。しかしその行動は、本人としては安定に繋がっています。そのため、環境や日課は変えないようにしてください。周囲の人が前頭側頭型認知症への理解を深めることで、本人だけではなく、介護者の負担も軽くなるかもしれません。

趣味や仕事を参考に、本人が得意で好きな作業を日課にしましょう。園芸でもパズルでも何でも構いません。その行為をしている間は問題行動が減り、残っている能力の維持にもつながります。

また、症状が進む前にデイケアに通うようにしてなじみの環境や人間関係を作っておくと、本人が安心して落ち着くこともあります。