家族や医師が交流し情報交換する「レビー小体型認知症サポートネットワーク」を知っていますか?

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レビー小体型認知症は、日本全国に少なくとも90万人はいるとされており、アルツハイマー型に次いで多い認知症です。

患者数が多いのにもかかわらず、世の中にはあまり知られていません。

>>レビー小体型認知症とは 原因・症状・対応方法

誤診が多く、理解されにくい認知症

初期では記憶障害の症状が目立たないことから、周囲から認知症だと思ってもらえなかったり、医師もほかの病気だと誤診してしまったりします。

2014年に自殺した俳優のロビン・ウィリアムズさんも、うつ症状やパーキンソン病のような運動障害、幻覚に苦しんでおり、死亡後の解剖でレビー小体型認知症だったと判明しました。

>>ロビン・ウィリアムズさんの妻、診断されなかった「レビー小体型認知症」を告白

正しい診断がされていれば、本人の不安は和らいだのではないかと思わずにはいられません。

専門家も課題視

安心介護内に投稿されている中には「ふたりの医師に診てもらったら、アルツハイマー型とレビー小体型で診断が分かれた」と悩む声や、「アルツハイマー病(だけ)ではないのではないか? レビー小体型も疑った方がいい」という専門家のアドバイスも見受けられます。

レビー小体型認知症患者の特徴

アルツの高頻度部位の委縮が軽度で易怒的となりますと、違うタイプの認知症を疑ってもよいかもしれません。レビー小体型認知症ですと、怒りっぽかったり、記憶障害のいい時と悪い時があります。またアリセプトに対して余計に興奮しやすくなったり、副作用が出やすいようです。幻視(人が家に入ってくるなど実際と違うものが見えるような言動)はありませんか?精神的に抑うつ的な言動・態度はありませんか?自律神経症状で立ちくらみ・起立性低血圧などは?妄想・嫉妬妄想など・・・。当てはまるものが何点かありましたら、レビー小体型認知症を疑っても良いでしょう。レビーとアルツは治療薬・量が違います。単に画像診断だけで診断をくだす医師はいかがなものか? 因みに我親もアルツハイマーとレビー小体型認知症の両方です。 (専門家まろナースさんの回答) 介護のQ&A「母のアルツハイマーの進行状況について」

また、「レビー小体型認知症を診断できる医師が少ない事が現実です」と語る専門家もいます。

患者本人や家族を支える「サポートネットワーク」

レビー小体型認知症の正しい知識が広まれば、患者本人や家族の不安が軽減します。

また、早いうちに正しい診断を受けて治療を始めれば、進行を遅らせることも可能です。

そのためには医療や介護スタッフを含め、社会全体にレビー小体型認知症について知ってもらう必要があります。

「レビー小体型認知症研究会」では、レビー小体型認知症についての啓もう活動や、臨床的・基礎的研究を行っています。

「レビー小体型認知症研究会」に所属している医師や会員が中心となっているのが、「レビー小体型認知症サポートネットワーク」です。レビー小体型認知症の人やその介護家族、ケアスタッフなどと、交流会を通して情報交換する活動をしています。

広がりを見せる活動拠点

レビー小体型認知症サポートネットワークは現在、下記エリアで活動しています。

・北北海道(北海道) ・札幌(北海道) ・青森県 ・宮城県 ・福島県 ・茨城県 ・東京都 ・神奈川県 ・石川県 ・静岡県 ・愛知県 ・岡山県 ・福岡県 ・大分県

5月8日、新しく発足した静岡県でスタート研修が行われ、医師や介護スタッフのほか、患者本人など80名が参加しました。

そこで静岡代表を務める奥山恵理子氏は、「患者に適切なケアを施せば、問題なく日常生活が送れる」と説明したそうです。

同じく新規発足となった石川県では、6月19日にスタート研修が予定されています。着実に活動拠点を増やしているレビー小体型認知症サポートネットワーク。今後の活躍が楽しみです。

(参考) >>(外部サイト)レビー小体型認知症サポートネットワーク
>>(外部サイト)静岡新聞「レビー小体型認知症 家族や医師、静岡県内で交流組織発足」(5/22)※掲載終了