ロビン・ウィリアムズさんの妻、診断されなかった「レビー小体型認知症」を告白

ロビン・ウィリアムズさんの妻、診断されなかった「レビー小体型認知症」を告白

2014年8月に自殺した俳優のロビン・ウィリアムズさん。 63歳という早すぎる死と、人気俳優の自殺は大きな話題になりました。

11月3日、この自殺の真相を妻であるスーザン・ウィリアムズさんが、アメリカのABCニュースやピープル誌に発表して話題になりました。

うつ病ではなかった

当初は「初期のパーキンソン病」と診断されたことで不安が大きくなったことやうつ病が原因だと考えられていた自殺ですが、解剖の結果、患っていたのはレビー小体型認知症だったと判明したそうです。

スーザンさんはこの事実を、「ロビン・ウィリアムズを殺したのはレビー小体型認知症だった」と表現しています。 うつ病のように見えていた症状やパーキンソン病のように見えていた運動障害は、「レビー小体型認知症」の症状だったそうです。

>>参考(外部サイト):Robin Williams' Widow Talks Devastating Effects of Lewy Body Dementia

アメリカで一般的に知られていない認知症

ロビンさんは生前、自分の気が触れることやどうすることもできないことを不安がっていたそうです。

レビー小体型認知症患者は認知症患者の2割であり、日本でもけして知名度が高いとは言えませんが、アメリカではさらに知られていないようです。「聞いたこともないわりに、かなり多い病気」として、レビー小体型認知症を取り上げたアメリカのメディアもありました。

>>参考(外部サイト):Robin Williams had a disease that mimics Alzheimer’s, Parkinson’s and schizophrenia

アルツハイマー病とは違い、初期の段階から幻視が出るのが特徴です。幻視とは本人にしか見えないものであり、周囲はそれを共感できないため、つい否定してしまいがちです。しかし周囲がなんと言おうが本人にとっては見えているのが現実なのです。 本人はもちろんですが、家族・介護者もこの病気のことを知らなければ、自分・家族の身に何が起こっているのか理解できずに、不安になるのは間違いありません。

誤診されやすい「レビー小体型認知症」

レビー小体型認知症には数多くの症状がありますが、レビー小体型認知症の認知度は医師の中でも理解度が低く、また症状も他の認知症や病気と似ているものがあるため、他の病気だと診断され、余計に苦しむこともあるそうです。

間違われやすい病気

・認知機能の低下→アルツハイマー病 ・幻視→統合失調症や老人性精神病 ・運動障害→パーキンソン病 ・うつ症状→うつ病

こういった診断の間違いが原因で適切な治療が遅れてしまうほか、処方薬が原因で幻視などの症状が悪化したり、不安傾向が大きくなってしまうことがあります。

こういった現状から、ながみつクリニックの長光勉院長は、「レビー小体型認知症の患者は、初期から随伴症状による生活支障に苦しんでおられる」としたうえで、このようにコメントしています。

臨床医としては確定診断に至っていなくても、「レビー小体型認知症かも?」という視点を持って診断・治療に当たることが大切と思われる。 >>引用元:レビー小体型認知症を早期に診断するために

スーザンさんの発表をきっかけに、レビー小体型認知症が広く知れ渡り、早いうちから治療を受けられる人が増えることを願います。

レビー小体型認知症に関する安心介護の投稿

安心介護では、レビー小体型認知症に関して、以下のような記事を公開しています。

>>レビー小体型認知症とは 原因・症状・対応方法