車椅子タイヤカバーとは?
車椅子タイヤカバーは、車椅子の前輪や後輪にかぶせる製品です。ゴム製や布製、マジックテープ付きなどの製品が市販されています。
また車椅子タイヤカバーは、ホイルソックスという名称で販売されていることもあります。
車椅子タイヤカバーは、こんな時に使います
車椅子タイヤカバーは、車椅子を自宅の中で使う上で便利な製品です。主に車椅子を屋内で使う際に使用します。
車椅子タイヤカバーを使うメリット
車椅子タイヤカバーは、さまざまなメリットがあります。
屋内と屋外を1台の車いすで兼用する場合、屋外から屋内へ入る際にタイヤの汚れをふき取る作業は面倒な作業でしょう。
その点、車椅子タイヤカバーはただかぶせるだけで、屋外の汚れを持ち込まずに済むというメリットがあります。
また車椅子を自宅の床で使うと、止まったところや曲がり角等に黒い跡がついてしまいます。この跡は油汚れと同じ対処が必要で、拭き掃除は大変です。車椅子タイヤカバーを使うことにより拭き掃除の手間が軽減されます。
前輪用と後輪用があります。サイズも要確認
車椅子には前輪と後輪がありますので、車椅子用タイヤカバーも前輪用と後輪用が用意されています。
前輪用はマジックテープ付き、後輪用はゴム製や布製が多いようです。
特に車椅子の後輪は、製品によって13~24インチとバラエティに富んでいます。そのため、後輪用の車椅子タイヤカバーはいくつかサイズ展開がされています。
購入する際は、あらかじめ車椅子の後輪のサイズを確認しておきましょう。
車椅子タイヤカバーの寿命は?
車椅子タイヤカバーは消耗品です。お使いの状況により異なりますが、半年に1回は交換が必要な場合もあります。
車椅子タイヤカバーの使い方
車椅子タイヤカバーの使い方には、コツがあります。
前輪の場合
前輪の場合は、マジックテープが付いている板状の製品が多いでしょう。この場合は、単に前輪に巻きつければ完了です。取り外しも単にはがすだけですので簡単です。
巻きつけたとき、カバーの方が長く、余りが出てしまう場合があります。この場合は、マジックテープがついていない方を切って使ってもかまいません。
なお輪の形になっている製品の場合は、後輪の場合と同じように取り付けてください。
後輪の場合
後輪の場合は、布製やゴム製で、輪の形になっている製品が多いでしょう。この場合は、以下の方法で取り付ける必要があります。
(1)車椅子を止めて、上からカバーをかぶせます。半分から3分の2程度までかぶせられると思います。
(2)車椅子を少し動かしてタイヤを回します。
(3)残りの部分について、カバーをかぶせます。
外す時は、まず上から半分~3分の2まで外し、車椅子を少し動かして残りの部分を外すという手順となります。
洗濯はできる?
車椅子タイヤカバーによっては、洗濯ができるものもあります。製品の説明書や、車椅子タイヤカバーについている洗濯表示をご確認ください。
車椅子タイヤカバーの値段は?
車椅子タイヤカバーは、前輪用と後輪用があり、それぞれ値段が異なります。
前輪用の場合
前輪用の車椅子タイヤカバーの値段は、1,500円~2,800円前後となっています。
後輪用の場合
後輪用の車椅子タイヤカバーの値段は、2,700円~6,500円前後となっています。
介護保険による補助は受けられるか
車椅子タイヤカバーは、介護保険で購入補助を受けられる品目の中には入っていません。
また、介護保険では車椅子付属品についてレンタルの補助を受けられますが、車椅子タイヤカバーはこの中に含まれていません。
それは、対象となる付属品が「車椅子と一体的に使用され、かつ車椅子の利用効果が高くなる」製品に限られているためです。
従って車椅子タイヤカバーは購入・レンタルの場合のいずれも、介護保険による補助を受けることはできません。そのため、自費で購入しなければなりません。
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>>車椅子用クッション の種類と選び方
【この記事の監修者】
中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ
1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。