介護の不安を解消できる「安心介護」
専門家に無料で相談

投稿から検索

歩行用の補助杖にはどんな種類がありますか?関節リウマチの母でも使える杖を探しています。

質問【質問】

関節リウマチを患う80代の母が、杖を使う時に手を痛がるようになりました。

現在はT字型のものを使っていますが、他にも色々な種類があると聞きました。リウマチでも使える杖はあるのでしょうか。本人に歩く気力はあるので、杖の力を借りながら自分の足で歩き続けてほしいと思っています。

専門家【回答】

杖には色々な種類がありますので、 使用する方の状態に合わせて選ぶことが大切です。

杖には、一本杖や折りたたみ式杖、ロフストランド杖、松葉杖、4点杖、肘支持型杖、盲人安全杖などがあります。

リウマチの方は、手の力が弱く痛みが生じやすいので、手で体を支えなくてはならないT字型の一本杖ではお辛いかもしれませんね。そのような方には、手に負担のかかりづらい肘支持型杖が使いやすいですよ。

高齢者の歩行をサポート!歩行補助杖の役割・メリット

シニアの散歩

杖は、衰えてきた高齢者の歩行力をサポートしてくれる心強いアイテムです。高齢者や歩行困難な方が使う杖は「歩行補助杖」と呼ばれ、さまざまな種類があります。

まずは、歩行補助杖の役割やメリットを確認しておきましょう。

足腰への負担を軽減する

足腰に痛みがある方が歩行補助杖を使うと、辛い部分の負担を軽減することができます。

通常の二足歩行だと、ひざや股関節などの患部に体重がのしかかり、痛みが出やすくなってしまいます。ですが、「3本目の脚」として杖が加わると体重が分散され、痛みを和らげることが可能です。

痛みだけではなく、麻痺や障害がある方にも歩行補助杖は有効です。

歩行が安定する・転倒リスク減

歩行補助杖には歩行を安定させる役割もあります。

高齢になると、筋力の衰えやバランス機能の低下によって、歩行時にふらつきやすくなる方が多くなります。歩行が不安定だと転倒のリスクが高まるため、足腰の衰えがみられる方は要注意。適切な歩行補助杖を使えば、体を支持する面積が広くなり、バランスをとりやすくなります。

また、杖によって歩行にリズムを与えることもできます。足腰に痛みや麻痺があると、びっこをひくような不安定な歩みになりやすいです。その点、杖があればふらつきが抑えられ、テンポよく歩けるようになるでしょう。

安心して出歩けるようになる

歩行時に痛みやふらつきがある方は、自分の足で歩く自信が持てなくなり、外出を避けるようになりがちです。また、「転んでケガをしてしまうかもしれない」という不安感も外出を控える一因となるでしょう。

歩行補助杖は、そのようなネガティブな気持ちになってしまった方に安心感を与えてくれます。「人の助けを借りずに自分で歩ける」「杖があるから転びにくい」といった自信につながり、出歩く意欲も高まるでしょう。

どんな杖があるの?歩行補助杖の主な種類と特徴

歩行補助杖

では、歩行補助杖にはどのような種類があるのでしょうか。杖の種類は多岐にわたるので、それぞれの特徴を押さえておきましょう。

一本杖(T字杖)

一本杖(T字杖)は、歩行補助杖の中で最もポピュラーなタイプです。 まっすぐな棒状のシャフトに、アルファベットのT字のようなグリップが付いたシンプルな形状。軽量で汎用性が高いタイプなので、杖に不慣れな方でも使いやすいでしょう。色やデザインのバリエーションが豊富で、好みに合わせて選べるところも一本杖の利点です。

とはいえ、一本杖は自立歩行が困難な方には適していません。基本的に杖なしでも歩ける方をサポートする仕様になっているので、杖にしっかりと体重をかけないと歩けない身体状況の方は他のタイプを使いましょう。

また一本杖は、体を支える握力や腕力がある程度必要になりますから、握力が弱い方やリウマチなどで手に痛みが生じやすい方も不向きです。

ロフストランド杖

握力が弱い方に適しているのは、ロフストランド杖(ロフストランドクラッチ)です。

杖の上部に「カフ」という輪っか状のパーツが付いていて、腕を通して固定させることができます。手で持つグリップに加えて腕を支えるカフがあることにより、手と腕の2点に体重を分散させられます。

グリップをしっかり握れなくても使えるので、手が変形している方や、手に痛みや麻痺がある方でも使いやすいでしょう。

また、ロフストランド杖は一本杖よりしっかりと体重を乗せることができます。下半身麻痺や股関節の痛みなどの影響で下肢に荷重をかけられなくても、グリップとカフによって負荷を軽減させられます。

松葉杖

松葉杖は、脇に挟む「脇あて」があるタイプの歩行補助杖です。2本のフレームの間にグリップがあり、脇あてはその上部に付いています。「骨折をした人が使う杖」と言ったほうがイメージしやすいかもしれませんね。

松葉杖は1本で使うこともありますが、通常は2本1組で使用します。グリップと脇あてに体重を乗せられるうえ、両腕で支えられるので、足腰への負担を大幅に軽減することができます。

松葉杖は骨折や捻挫といった外傷を負った方だけではなく、足の筋力が低下した方や麻痺・股関節症の方にも適しています。

4点杖(多点杖)

4点杖は、杖の先端(脚部)が4本に分かれているタイプです。一本杖が1点で体重を支えるのに対し、4点杖は地面に4点接しているので安定感が格段に上がります。

不安定な状態で体重をかけても倒れにくく、背骨が曲がった方や、麻痺などで立つ姿勢が安定しない方にも向いています。

4点杖は地面に接する面積が広いので、段差のない平らな場所で使いましょう。階段や段差が多い場所で無理に使うと、転倒のリスクが高まるので要注意です。

なお、脚部が分かれている杖には3点杖もあり、総称して多点杖や多脚杖と呼ぶこともあります。

肘支持型杖(プラットフォーム杖)

杖の上部に、肘置きのような前腕を乗せるパーツが付いているのが腕支持型杖の特徴です。

肘置きの先にグリップが取り付けられていて、前腕を乗せた状態でグリップを握って使用します。肘全体で体重を支えることができるので、リウマチや手指・手の関節にトラブルがあり、手をしっかりと伸ばせない方でも無理なく使いやすいです。

リウマチの方に適していることから「リウマチ杖」とも呼ばれています。ただし、肩関節に負担がかかることがあるため、身体の症状によっては使えません。

その他のタイプ

歩行補助杖には、他にも「折りたたみ式」や「盲人安全杖(白杖)」などがあります。

折りたたみ式はスタンダードな一本杖に多く、杖の部分を4〜5つに分けることができます。コンパクトに収納できるので、旅行の際に持ち運びやすいです。

盲人安全杖は目が不自由な方が使う杖です。シャフト部分が白いのが特徴で、進む方向に障害物がないか探るために用いられます。形状はT字型の一本杖とほぼ同じです。

安全で快適な歩行補助杖を選ぶポイント

杖を使った歩行

歩行補助杖は、利用者の安全性と使い勝手を第一に考えて選ぶことが大切です。適切な杖を選ぶ基本的なポイントを3つお伝えしましょう。

身体状況や使用シーンに合うかどうか

まずチェックしたいのは、利用者の身体状況と使用シーンです。

例えば、握力が弱い方に一本杖は不向きですし、段差が多い場所には4点杖は適していません。身体機能や使用場所に合わないタイプを選ぶと、使いにくいだけではなく転倒のリスクも高まってしまいます。

かならず福祉用具やリハビリの専門家に相談し、利用者の負担が少ないタイプを選びましょう。

軽量で丈夫かどうか

歩行補助杖は軽量で耐久性に優れているものがおすすめです。利用者が「重い」と感じる杖は、手や腕への負担が大きくなってしまいます。また、ガタついたりたわんだりするような不安定な杖は危険です。杖を選ぶ際は、見た目の形状だけではなく、実際の重さや素材なども確かめましょう。

杖の長さが適切かどうか

利用者が使いやすい長さかどうかも要チェックです。長さが合っていないと歩行が不安定になり危険です。

歩行補助杖の適切な長さは、「身長÷2+3」で求めることができます。松葉杖は「身長−40センチ」が目安です。計算式は目安なので厳密ではありませんが、大体の長さを知る参考にしてください。

一部の歩行補助杖は介護保険でレンタル可能

介護保険利用の相談

身体

歩行補助杖の中には、介護保険でレンタルできるものがあります。対象となるのは以下のタイプです。

  • 松葉杖
  • ロフストランドクラッチ
  • カナディアンクラッチ
  • 肘支持型杖(プラットフォームクラッチ)
  • 多点杖

カナディアンクラッチは、ロフストランドクラッチと同様のカフが二の腕に付いているタイプです。ポピュラーな一本杖(T字杖)は対象外なので注意しましょう。

原則1割の自己負担で利用できる

介護保険を利用すると、原則1割の自己負担でレンタルできます。所得が一定以上ある方は、2割もしくは3割の負担となります。

要介護・要支援の認定を受けた方であれば適用されるので、利用したい方はケアマネージャーに相談しましょう。

安全で快適な歩行補助杖を選ぼう

歩行が不安定な方にとって、杖は身体的にも精神的にも心強いサポートになります。利用者の身体状況や使用シーンに合うものを選べば、ふらつきが改善され、無理なく安全に歩けるようになるでしょう。

歩行補助杖があれば利用者の生活の質を高めることができるので、ケアマネージャーなどの専門家のアドバイスを受けながら、最適なタイプ・長さの杖を選んでください。

 


監修者:山岸駿介

監修者 山岸駿介

理学療法士。臨床経験は7年。

急性期から慢性期、スポーツ分野など幅広い分野を経験。医療・介護・スポーツなど幅広い分野のリハビリに携わり、老若男女に正しい運動で、健康的な生活を送るサポートしている。