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認知症の「失行」とは 症状と対処法

当たり前にできていたことができなくなる-“失行”への対処法

認知症の症状に、それまで当たり前のようにできていたことができなくなる「失行」があります。運動麻痺や知覚麻痺などはなく、頭では理解しているのにもかかわらず、動作や行動ができなくなった状態です。

主に認知症や脳血管障害による、大脳皮質の変化が原因で起こります。認知症になると必ずみられる中核症状のひとつです。
>>認知症の中核症状・周辺症状(BPSD) 

失行の種類と症状

失行には症状によって、いくつかの種類に分けられます。

失語・失読

音声を「聞く」、「話す」や文字を「読む」、「書く」といった言語情報に関わる機能が失われてしまった状態です。

・言葉を発する方法がわからない
・相手の言葉が聞こえても理解できない
・読み書きができない など

観念運動失行

特に意識していない自発的な運動はできますが、口頭で指示されたり、マネをしようとしたりするとできない状態です。

・「手を振ってください」と指示されてもできない など

観念失行

物の名前や使い道はわかっているのに、使用ができません。

・「はさみは紙を切るもの」など、道具の用途がわかるのに使い方がわからない
・入浴のために服を脱がせても、入浴という観念が理解できずに前で佇んでいる など

また、一連の行為ができなくなる場合もあります。

・マッチで火をつける など

構成失行

物をうまく形にできない失行です。

・パズルや積木ができない
・マッチや指を使って図形を作れない など

着衣失行

麻痺がないのに服を着たり脱いだりできません。

その他の失行

そのほかには、口を開けたり、舌を出したりしようとしてもできない(意識しなければできる)「口部顔面失行」や、歩き出しがうまくできなかったり、机の上のペンがつまめなかったりする「肢節運動失行」があります。

失行の予防や改善方法

失行は薬で治療できるものではありません。
しかし、早いうちに診断を受けて、リハビリや日常的な運動を続けることで進行の予防や改善が期待できます。

もしかしたら?と思ったら、早めに病院にいくといいでしょう。
>>参考記事:【漫画】認知症、早期診断の目安は初期症状“記憶力低下” ~ 愛犬の名前は・・・ ~

また、失行の症状は幅広く、見過ごしてしまうものも多いと思います。もし気になることがあればメモを取っておき、専門家や医師に相談しましょう。

失行のチェック方法

もし、おかしいなと思ったらあくまで目安となりますが、下記のチェック項目を確認しておきましょう。

・「手をあげる」、「拍手」、「頬を膨らます」、「口笛を吹く」などの簡単な運動ができるか
・「右手を左手の上に置く」、「体を掻く」など自分に対する運動ができるか
・指示した行為ができるか、行為のまねができるか
・「マッチでろうそくに火をつける」、「急須でお茶を入れる」など、一連の行動ができるか

これらに無意味な運動が出たり、行為ができなかったり、明らかに下手になったりした場合には、失行の可能性があります。

また、補聴器の不具合などが原因で指示が理解できない可能性や、他の病気の症状が出ている可能性もあるので、速やかに病院で診断を受けてください。

病院では上記に加えていくつかの課題を行い、できたかどうかだけではなく、どのように反応したかを含めて診断がされます。

失語への対応方法

失語が出ている方には、
・長い文章を避けて、簡単な言葉でゆっくり話す
ジェスチャーで伝える
・繰り返したり、表現を変えて伝わるまで工夫する
といった対応方法で、コミュニケーションをとってみてください。

失行の対処方法

失行が出ている方にはどのように対応すればいいのでしょうか。安心介護に投稿された専門家の声を中心にまとめます。

自分でできることはやってもらう

できない部分をさりげなく支援し、認識することができないこと
を認識させようとするのではなく、
認識できなくても支障のないようにサポートすることが大切です。
例としては、説明してわからないようであれば、誘導してあげる
ズボンを脱げないようであれば、介助してあげる等が必要になるかと
また、自己にてできる動作を見つけてあげてその部分はやってもらう
必要があります。
(専門家yamadasさんの回答)
引用元 介護のQ&A 「「失行について」の知識とアドバイスをお願いします」 

視覚でわかりやすい工夫をする

私が施設介護に関わっていた頃、
便器内に目印になるようなものを入れ
(たとえば、水に強いシールを貼る。濃い色のついた液体の洗浄剤を垂らす。など)
その目印めがけて、排尿をさせる、という行為でうまくいったことがあります。
もちろん、洋式便器にむかって立って排尿するのです。
排泄行為に対しての認識はありませんでしたが、
的を狙うということは理解できたので、うまくいったのかもしれません。
ただ、その方が排泄するときには、いつも一緒に立ちあって
「あそこをねらって、・・・」という言葉かけが必要でした。
(専門家あいすくりーむさんの回答)
引用元 介護のQ&A 「「失行について」の知識とアドバイスをお願いします

失行のある方のリハビリでは箇条書きで見やすくメモを付けるのも有効な方法でもありますが、
余り数を増やすのは有効ではなく、逆に混乱してしまう原因になりますので、シンプルに視覚的に色や図などで表す方法や環境も使うもの場所なども限定してより簡単にする方法があります。
(専門家papiさんの回答)
引用元:介護のQ&A「認知症母へ用事を頼む方法が上手くいきません

実行機能障害の対応方法も参考に

もし一つ一つの動作はできるのに、一連の動作ができなくなっているようであれば、下記ページの実行機能障害の対応方法も参考にしてみてください。
>>実行機能障害とは