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脳梗塞の父の介護で使える特殊寝台と付属品の選び方を教えてください。介護保険でレンタルは可能でしょうか?

質問【質問】

父が脳梗塞になり、現在入院中です。リハビリから自体に戻った際に、普通のベッドでの寝起きが難しいかもしれないと言われています。そこで介護用の特殊寝台を考えているのですが、一般的な価格帯がよくわかりません。

特殊寝台はどの程度の障害から利用できますか?

また特殊寝台に付属品は必要ですか?どのようなものがあるのか、まったくわからないので困っています。

フルセットで購入するといくらくらいになるのでしょうか。高額になるようであれば、レンタルをしたいのですが介護保険は使えますか?その場合の個人負担はどれくらいなのでしょう。

麻痺が残るとひとりで寝返りが打てないかもしれませんが、付属品で何か良いものがあるのでしょうか。

将来的に施設に入所した場合についても、気がかりです。転院や退院の際、レンタル品はどうなりますか?

介護保険の申請中ですが、決定された時には早めに準備をしたいと考えています。よろしくお願いいたします。

 

専門家【回答】

殊寝台とは、背上げや脚上げ、高さ調整機能などが付いたものを指します。

要介護2~5の方がレンタルの対象となっていますが、対象に合致しない軽度者でも、医師の判断や保険者である市区町村が必要と認めた際にはレンタル可能になる場合があります。

特殊寝台にはモーターが搭載されており、モーターの数によって機能が異なりまた値段も変わります。メーカーにより多少の差はありますが、3モーターの場合は1か月レンタルで約1万円、自己負担1割の方ならば1か月約1,000円と考えて頂ければよろしいかと思います。

特殊寝台は10万円以上と高額になるものが多いため、購入の際には慎重に選ぶことをおすすめいたします。

麻痺で寝返りが難しい場合には、寝返りを補助するベッド用手すりが付属品にあります。

介護施設に入所している場合は、基本的には介護用品をレンタルすることはできません。 通常の介護施設では介護用品が用意されているため、ご心配されなくても大丈夫ですよ。

介護に関しては、さまざまなお悩みや疑問などがあるかと思います。そのような時はひとりで抱えずに、ケアマネージャーさんや担当のリハビリスタッフに聞いていただくことをおすすめいたします。

特殊寝台とは

特殊寝台のイラスト

特殊寝台は介護が必要な方や身体の不自由な方のために、機能が付加されたベッドです。特殊寝台の基本的知識を見ていきましょう。

特殊寝台の定義

特殊寝台は、一般的に「介護ベッド」と呼ばれるものです。また「ギャッチベッド」と呼ばれることもあります。特殊寝台の定義としては、マットレス部分が背、腰、脚の3つ以上に分割され、必要に応じて無段階で可動できるものを指します。

介護が必要な方や、起き上がり動作が容易でない方の使用に適しており、ベッドからの昇降や姿勢制御の補助がしやすくなります。

利用者と介助者の双方をサポート

特殊寝台を使うことで、直接の利用者と介助者の双方がサポートされます。高さを調節できるため、介助する人の腰の負担を軽減し、介護時の扱いが楽になります。ベッドと車椅子の高さのバランスを適正にできるため、より安全に移乗できます。

上体や足の角度を適度な位置におくことで、食事の際や覚醒している時の姿勢を快適に維持でき、利用者が起き上がっている時間を増やすのに貢献します。

駆動の種類

特殊寝台を可動させる方式には、手動式と電動式があります。

手動式は介助者が足元付近にあるレバーを回し、操作を行います。

電動式はボタンひとつで上下できるので、利用者本人による操作も可能です。価格的には当然電動式の方が高額ですが、利便性の高さから現在は電動式が主流となっています。

特殊寝台と介護保険

介護保険のイメージ

特殊寝台を利用する際の、介護保険適用の関係を見ておきましょう。

レンタルの対象となるのは?

介護用品自体は誰でもレンタルすることができますが、介護保険を使える対象となるのは要介護2~5度と認定された方のみです。

介護保険でレンタルできる福祉用具には、13種目ありますが、各種目に適用基準が定められています。ただし、規定の認定がされていない時でも、医師や市町村が認めた場合には対象者となるケースもあります。

介護保険でのレンタルの対象となるのは特殊寝台の定義に従い、サイドに柵が付いているか、または取り付け可能であり、各部分が可動型であること、高さ調整機能があるものとなります。

手動・電動の駆動の種類については、特に決められていません。

特殊寝台のレンタルを介護保険の対象にするためには、ケアマネージャーに依頼し、ケアプランを作成してもらう必要があります。

特殊寝台の価格と自己負担額

特殊寝台は、モーターの数により機能が異なり値段が変わってきます。モーターの数が多いほど、機能性が上がり価格も高額となります。

モーターひとつのタイプは背中部分が上下し、モーターが2つのタイプは脚部分の上下が可能となり、背側と連動させられます。3つのモーターがある場合には、背中、脚、背・脚の連動に加え、寝台全体の昇降が可能です。

3モーターのタイプであれば1か月のレンタル料金は約1万円程度で、自己負担1割ならば1か月約1,000円の負担額となります。

特殊寝台の一例

出展:ダスキンヘルスレント

介護施設でのレンタル

介護施設に入所しており、その施設が介護報酬を請求している場合には、基本的には介護保険を適用したレンタルはできません。

介護施設を退所して自宅に戻る場合には、ケアプランの作成のし直しによって介護保険の対象とすることができます。ただし短期の一時帰宅の場合には、介護保険は利用できません。

介護施設であっても住宅型有料ホームなどであれば、介護保険サービスの適用が可能となる場合があります。

特殊寝台の付属品の種類

特殊寝台のイメージ

特殊寝台と同時に使用できる付属品の種類を確認していきます。

サイドレール・手すり

サイドレールは、利用者本人や布団の落下を防止するために設置します。ベッド本体に差し込んで取り付けられるタイプや、折りたたみ可能なタイプなどがあります。

サイドレール

出展:ダスキンヘルスレント

手すりも同様にベッド側面に取り付けますが、身体をしっかりと支えるため強固な造りとなっています。起き上がり、寝返り、車椅子への移乗などの際に過重がかかっても、耐えうるように固定されます。

サイドレール一体型や、ベースフレームに取り付けられるタイプなど、特殊寝台の形態に合わせた選択が可能です。ベッドから立ち上がる際に使いやすいように、直角に固定されているタイプもありますが、可動式のものであれば介助の邪魔にならず、必要に応じて位置を変えられます。

スイングアーム介助バー

出展:ダスキンヘルスレント

マットレス

特殊寝台の上に敷くマットレスには、多様な素材があります。自分である程度動ける場合には、固めのマットレスの方が寝返りなどの動作をしやすくなります。

利用者があまり動けない場合には、褥瘡(じょくそう)防止のための『ジェルマット』や『ウォーターマット』が導入されます。

電力によって体圧管理を行える高機能マットは、救急医療の現場で身動きができない患者にも使われています。ひとりで寝返りを打てない患者や姿勢を保持できない患者でも、長時間同じ姿勢をとることによってかかる『体圧』の負担を最小限に抑えられます。

テーブル

特殊寝台に付属するテーブルは、食事、洗面、うがいなどの際に利用されます。

独立型や折りたたみタイプ、サイドレール一体型など種類が豊富なので、寝台周りの状態から選択すると良いでしょう。

特殊寝台の選び方と注意点

チェックポイントを説明する女性

利用者に合った活用をするために

特殊寝台は、介助者の負担が少なく、また利用者が快適に過ごせるものを選びましょう。特に幅やマットレスの固さは、環境や患者に合ったものでなければなりません。利用者の状態によって過不足のない選択をするために、どのようなタイプがあるのか事前に調べておけば悩まずに済みます。

また特殊寝台は通常のベッドよりも広めのスペースが必要となります。部屋の中での配置や、介助動線、トイレなどへの移動も含めて導入を検討しましょう。

特に電動式の特殊寝台は、100㎏以上の重量となるタイプも見られます。専門家と相談しながらケアプランに沿った導入を考えていきましょう。

介護保険対象なる?ならない?

介護保険の対象になる・ならないは、状況によって変わることがあります。

例えば介護をいくつかの家庭で分担して行う場合、特殊寝台をいちいち移動させるのは現実的ではありません。同一種目の福祉用具をレンタルする場合でも、明確なケアプランの作成のもと、個別の事情に合わせた介護保険が適用できる可能性があります。

特殊寝台は一度設置すると、動かすのが難しくなります。介護保険のルールと照らし合わせて、導入の仕方や設置場所などをしっかりと計画していくことが求められます。

特殊寝台付属品について

介護保険が適用される特殊寝台付属品の範囲は、特殊寝台に取り付けて使うもののみが対象となります。ベッドから独立した形で使用するものについては、対象外になるケースもあるので確認が必要です。

また本来の用途とは異なる使い方を目的とする場合にも、保険適用外となるので注意しましょう。

利用者の状態に合った特殊寝台・付属品を選択することが重要

「介護ベッド」とひとくくりにされがちな特殊寝台ですが、モーター数によってレンタル価格は大きく異なります。介護保険を使う場合でも、長期にわたれば個人負担が多くなる可能性もあります。利用者の介護度数や身体機能の状態から、その都度、目的に合うタイプを選ぶことが大切です。

特殊寝台の付属品にも、多彩な種類があります。利用者の身体への負担があったり介助しにくかったりする場合には、ケアマネージャーに相談し、適切な器具を導入していくことをおすすめします。

介護はひとりで抱え込んでしまうと、介助側も共倒れになる危険性があります。不便な点がある場合には、ささいなことだと考えずに、声に出していきましょう。

 


監修者:山岸駿介

監修者 山岸駿介

理学療法士。臨床経験は7年。急性期から慢性期、スポーツ分野など幅広い分野を経験。医療・介護・スポーツなど幅広い分野のリハビリに携わり、老若男女に正しい運動で、健康的な生活を送るサポートしている。