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要介護度の軽減が目的の自立支援は“虐待”になりえる―全国老施協が意見書を提出

公開日: : 最終更新日:2017/01/26 介護疲れ・介護負担

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2016年11月10日に開かれた「未来投資会議」の内容について、公益社団法人全国老人福祉施設協議会(全国老施協)は、同年12月5日に意見書を厚生労働大臣に提出しました。

そのタイトルは「いわゆる『自立支援介護』について(意見)」。その内容や指摘された問題点についてまとめます。

▼全国老人福祉施設協議会とは

特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設などを運営する社会福祉法人で組織された協議会です。介護現場で働く人々の声により、高齢者福祉の増進や地域の暮らしを守ることなどを目的に活動をしています。

意見書が問題視している点

意見書が問題視しているのは、「未来投資会議」で一部の有識者から提案された、自立支援介護についてです。

同会議では自立支援介護を、「いったん要介護になった人を、もう一度自立状態に引き戻す介護」としたうえで、「従来のものとは方法と理論が異なる新しい介護」と説明。これによって、医療費が軽減されるだけではなく、生活の質の向上や介護者の負担が軽減されると、具体的な例とともに示しました。

その目的は、
・認知症による症状の改善
・オムツではなくトイレでの排泄
・胃ろうなどの方が口から普通の食事をとれるように回復すること
などです。
提案した有識者は、現在の要介護者の約半数ぐらいは戻れるのではないかとしました。

また、介護度が軽くなると介護保険給付費が削減される(施設などに支払われる報酬が減る)ことが、自立支援介護の取り組みを妨げていると指摘。安倍内閣総理大臣も、「予防・健康管理と自立支援に軸足を置いた新しい医療・介護 システムを2020年までに本格稼働させていきます」、「本人が望む限り、介護は要らない状態までの回復をできる限り目指していきます」としました。

要介護度改善だけで評価されるべきではない

自立支援を要介護度の軽減だけに定め、
・要介護度を軽減させた事業所にインセンティブ
・自立支援の標準的な取り組みを行わない事業所にはディスインセンティブ
を検討するべきだとされました。

これについて公益社団法人全国老人福祉施設協議会は、自立支援の理念を「取組を通じて要介護者などの高齢者の健康を、維持・向上させること」としたうえで、要介護度軽減を唯一の評価尺度にする提案に、疑問の声をあげました。

想定される問題

意見書では「未来投資会議」で提案された内容で議論が進むと、下記のような問題が生じるだろうとしています。

●要介護度の改善の見込みが難しい高齢者が施設に受け入れられにくくなり、在宅介護者の負担が大きくなる
● 利用者が望んでいないリハビリなどが課されることになる
● 在宅復帰を望んでいない人などにも、「改善しなくてはいけない」と強迫観念を与えてしまう

要介護度の進行は「自然の摂理」

それでは公益社団法人全国老人福祉施設協議会は、自立支援介護をどのように考えているのでしょうか。

年を取るのとともに健康状態が悪化するのは、「自然の摂理」だとしたうえで、「今できることを、できるだけの間できるままいてもらう」ことや「できることが限られていく中にも、その人らしく暮らしていける環境をつくる」ことに価値があるとしています。

また、利用者の意図に反したリハビリや栄養投与が促進され、生活の質の向上がないがしろにされるリスクを、「虐待と言っても過言ではありません」と強調しました。

要介護度の改善を目的化するのではなく、利用者一人ひとりにあわせて弾力的にするべきだというのが、全国老人福祉施設協議会の主張です。“自立支援”について、広い視野を持った仕組み作りが求められています。

(参考・外部)
全国老人福祉施設協議会「【厚生労働省】平成29年度介護報酬改定に関する審議報告
第二回未来投資会議「議事要旨」、「健全かつ持続可能な介護保険のために-⾃⽴⽀援介護のすすめ

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