電気ストーブでの火災事故に要注意! チェックしたいポイントは?

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ストーブでの火災と言うと、石油ストーブやガスストーブを思い浮かべる人が多いかと思います。しかし2015年中のストーブ火災の実態を見てみる、ストーブ火災の69%が「電気ストーブ」によるものだそうです。

東京消防庁では、電気ストーブによる火災で過去10年に8人の方が亡くなっており、そのうちの大半を75歳以上の高齢者が占めていると、注意を促しています。

電気ストーブで火事になる要因

一見安全そうに見える電気ストーブが、なぜ火災の原因となってしまうのでしょうか?

要因1:ストーブの前に燃えやすいものがある

東京消防庁で実験を行ったところ、電気ストーブの前面10㎝以内に燃えやすいものがあれば、発火する可能性があることがわかりました。

また、石油ストーブでは「燃えやすいものを1m以内に置いている」という人は約30%なのに対して、電気ストーブでは60%を超えていることも明らかになっています。

電気ストーブを点けたまま就寝してしまい、掛布団が接触して出火し、死亡事故につながったケースもあるそうです。

火を使っていない電気ストーブなので、注意を忘れてしまいがちなのかもしれません。

要因2:正しい使い方をしていない

東京消防庁では、電気ストーブのガードが壊れて取り外した状態で使用し、着衣が出火した死亡事故を紹介しています。

また、電源コードの取り扱いも注意が必要です。重たい家具に押しつぶされたり、収納の際に巻き付けたりねじったりして断線していないかや、プラグに埃がたまっていないかどうかも気を付けたいところです。

電気ストーブ火災の死者の多くは高齢者

ここ10年間の電気ストーブ火災の実態は以下のようになっています。 ・平均で毎年約80件発生し、8人が死亡 ・死者の7割が75歳以上 ・一人暮らしで就寝中の死亡事故が多い ・着衣着火や一酸化炭素中毒による死亡事故も発生

安全に使うためのポイント

電気ストーブを安全に使うためには、どんな点に気を付けたらいいのでしょうか?

外出や就寝時には必ず消す

特に就寝時には要注意です。たとえ燃えにくい防炎品の寝具類を使っていても、就寝時の利用は避けましょう。

燃えやすいものを近くに置かない

燃えやすいもののほかに、可燃スプレーの缶なども爆発の危険があります。また、ストーブの上で洗濯物を乾かすと、落下して火事になることがあります。

電源プラグやコードが痛んでいないかを確認する

プラグがガタついていないか、電源コードやその根元がちぎれたりねじれたりしていないかなどを確認しましょう。

また、家具の裏にあるコンセントに、埃がたまっていないかも確認したいところです。

家電が古すぎないか、リコール製品ではないか

電気ストーブに限らず、古すぎる家電はコードに問題がなくても火災が発生する原因になることがあります。

また、高齢者はリコール製品に気づかず使い続けていることもあります。

もしもに備える

地震の際に転倒したら自動にOFFになる機能がついているかや、上から燃えやすいものが落ちてこないかなど、機能や設置場所を見直してみましょう。

また、 ・住宅用火災警報器が設置されており、動作しているか ・消火器があるか、期限が過ぎていないか についても確認しておきましょう。

延焼を防ぐために、カーペットやカーテンなどを防炎品にしてみてもいいかもしれません。

年末年始は帰省される方も多いかと思います。ご実家は電気ストーブを安全に使用しているかどうかを、この機会に確かめてみてはいかがでしょうか? あわせて、寒さ対策をきちんとしているかどうかも確認してみてください。 >>帰省時にチェックしたい、高齢者の“安全な”寒さ対策のポイント

(参考・外部) 東京消防庁「意外に恐い! 電気ストーブを安全に使いましょう!!」 一般社団法人日本電機工業会「電気暖房器 安全・正しい使い方」 ALSOK「テーマ:身近な製品にひそむ火災の危険