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軽度者の福祉用具貸与対象外、ケアプランの有料化など“見送り”へ

公開日: : 最終更新日:2018/12/07 介護保険

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11月25日に開かれた第69回社会保障審議会介護保険部会にて、厚生労働省は介護保険制度の見直しに関する意見についての素案を示しました。

それによると、軽度者への福祉用具貸与を介護保険の対象外とする案やケアプランの有料化など、反対の声が大きかった検討事項は引き続き検討を行うことが適当とされ、見送られることになりました。
>>軽度者への福祉用具貸与見直し。再考を求めて約22万人が署名
>>ケアプランに自己負担導入案-日本介護支援専門員協会「断固反対」

福祉用具貸与に上限額を導入

介護保険制度の持続可能性を高めていくことが重要な課題となっている背景から、大幅に予算の縮小を目指していた福祉用具貸与については、軽度者への福祉用具レンタルを原則的に自己負担にするといった案は見送られることとなりました。

利用者が可能な限り在宅にて自立した日常生活を営むために、
・生活機能の維持または改善
・状態悪化の防止
・介護者の負担を軽減
といった役割を担っていることが認められた結果です。

ただし、福祉用具ごとの貸与価格に一定の上限を設けて、その価格を超えた福祉用具については、保険給付の対象から外すことが検討されています。

これは価格の設定が事業者の裁量に任されており、同じ製品でも一部のレンタル価格が高額になっている問題があるためです。

全国でレンタルされている福祉用具は約1万点。すべての製品が実際にいくらで利用されているのかを調査したうえで、平均的な価格帯を設定することが提案されています。

ただし、福祉用具貸与の価格には輸送費や保守点検などにかかる費用も含まれており、離島や山間部など、どうしても高くなってしまう地域などには、交通費の加算の例外を認める方針です。

レンタル価格ばらつきの実態

財務省が2015年に行った調査では、下記のような事例があったことが明らかになっています。

【スロープ】
販売価格:5000円程度
レンタル価格の月額平均:597円
レンタル最高月額:7180円

【介護用ベッド】
販売価格:18万円程度
レンタル価格の月額平均:8803円
レンタル最高月額:10万円

※既に借りている福祉用具のレンタル価格に疑問を持たれた方は、自治体等の窓口へご相談してください。

生活援助サービスの人員基準緩和案も

10月には、要介護1、2への生活援助サービスも継続する方針が示されていました。
>>厚生労働省、要介護1、2への生活援助サービス「継続」へ

生活援助サービスについては、「体力的には身体介護は難しいが生活援助ならできる」という介護人材を活用するべきだという意見が上がっています。

生活援助サービスの人員基準を緩和して、介護専門職と生活援助を中心にする人材で役割を分担し、介護報酬も見直すという案ですが、
・サービスの質の低下
・介護報酬の引き下げにより、介護人材の処遇悪化→さらなる人材不足を引き起こす可能性
・地域によっては、生活援助を中心にサービス提供を行っていた事業者が退出してしまう
といった懸念事項があり、慎重に判断するべきだという意見があがっており、2018年の介護報酬改定の際に改めて検討を行うことが適当とされました。

※こちらの記事は2016年12月時点の情報です。

(参考・外部)
厚生労働省「介護保険制度の⾒直しに関する意⾒(素案)」(11/25)
財務省「福祉用具貸与における地域差等のばらつき (平成27年財務省調査結果)
中日新聞「福祉レンタル費据え置き 介護保険素案「自立に必要」」(11/26)
朝日新聞「福祉用具、貸与費に上限 厚労省が介護費抑制策」(10/31)