家族が認知症だと診断されたら周囲にはいつ話すべきか

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病気の診断という繊細な内容を、近所や親類といった周囲の人々にいつ告げたらいいのかは、認知症にかかわらず難しい問題だといえるでしょう。特に認知症の場合には、「ボケた」、「何もわからなくなった」と思われ、扱いが変わってしまう可能性があります。

それでは家族が認知症だと診断されたら、いつ周囲の人々に伝えればいいのでしょうか?

オハイオ州立大学付属病院の医師がアドバイス

米オハイオ州立大学付属病院のDouglas Scharre医師が、患者の家族にしているというアドバイスが大学のプレスリリースで紹介されていました。同病院の医師たちは、家族が認知症の診断を受けたという人々からの相談に、日々向き合っているそうです。

そこには、周囲の人々に認知症を伝えるきっかけが2つ書かれています。

記憶障害が進行したとき

記憶障害が進行したタイミングで周囲に伝え、本人の混乱や不安を和らげるように協力してもらう必要があります。

コミュニケーションが難しくなったとき

言葉が詰まって出てこなくなったときにも周囲の助けが必要になります。周囲の人々が代わりに言葉を探してくれたり、意図を察してくれたりすれば、本人も安心するでしょう。

周辺症状が出てきたときにも

周囲に話したほうがいいタイミングには、他にもこんなケースがあります。

見守りが必要だと感じたとき

徘徊や妄想といった周辺症状が出てくると、近所や親類の方々にも心配をかけることが増えてきます。

安心介護内でも専門家から、近所の方などに認知症であることを伝えて、見守りをお願いするようにというアドバイスがいくつも投稿されています。

無神経な言動など社会能力の低下が目立つとき

夜中に回覧板を回したり、本人が気にしていることを言ってしまったりなど、社会的能力の低下による無神経な言動で、ご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。 >>気分や衝動、社会適合性などの変化=認知症の兆候?チェックリストを公開

周囲から誤解され、孤立してしまう前に、認知症であることをお伝えしておく必要が出てくるかもしれません。

診断直後に話しておくこと

家族から多い質問には、「診断直後に本人たちとどんな会話をすればいいのか」というものも。そのアドバイスも紹介されていました。

「大切なのは、早いうちに話し合いを始めることです。お互いにどのように診断を受け止めたのか、治療などについての本人の意思やどのようにサポートをしていくつもりなのかといった家族側の考えを、コミュニケーションが難しくなる前に率直に話し合っておきましょう」

周囲との関係や、本人の希望によってするべき対応は変わってくるかと思いますが、患者の対応をしている医師の意見として紹介しました。

また、早期のうちから認知症だと診断されれば、進行を抑えたり症状を改善したりする治療が早いうちから始められます。おかしいなと思ったら、かかりつけ医や専門医に相談をしてみるといいでしょう。 >>認知症かどうかをチェックする6つのポイント