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エーザイ、2020年の商品化を目途に新型認知症薬の治験を開始

公開日: : 最終更新日:2018/03/16 認知症, 認知症の薬

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8月24日、日経産業新聞はエーザイが新型のアルツハイマー型認知症薬「E2027」の臨床試験を急いでいることを伝えました。

2020年の発売開始を目指して初期段階の臨床試験がアメリカで開始されており、今後日本でも試験が開始されるとのことです。

この認知症薬は認知症の中核症状と周辺症状を改善し、認知機能の向上を目指すものです。同じくエーザイが発売しており、特許が切れている「アリセプト」とは何が違うのでしょうか?

▼アリセプトのメカニズム
アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の発症によって、脳内で減少すると言われているのが、神経伝達物質「アセチルコリン」です。
アリセプトは、この「アセチルコリン」を分解する「アセチルコリンエステラーゼ」の作用を阻害することで、脳内のアセチルコリンの濃度を高めて神経伝達を助ける薬です。
>>アリセプト(ドネペジル)とは 利用者の声もご紹介

ホスホジエステラーゼ9に着目したE2027

アルツハイマー病の患者の多くは、海馬の細胞にあるアミノ酸「サイクリックGMP」が酵素「ホスホジエステラーゼ9」によって分解され、健常者と比べて20%前後少ないとされています。

また、「ホスホジエステラーゼ9」は、脳内の認知経路に豊富に発現することが確認されています。

E2027は「ホスホジエステラーゼ9」を阻害することで、サイクリックGMPの量を保ち、認知障害や精神神経系症状を抑える可能性があるそうです。

アリセプトと同様に、作用の仕方が異なるメマリー(メマンチン)との併用が可能になる見込みです。
>>メマリー(メマンチン)とは

今までの研究結果は上々

アルツハイマー病患者と近い脳の状態にしたマウスにE2027を投与したところ、海馬内のサイクリックGMPの量が、健康なマウスの量までおよそ戻ったそうです。

また、人間の患者に対する臨床試験でも、脳の脊髄液内のサイクリックGMPの上昇が確認され、海馬でも同様の効果が得られると考えられています。

アミロイドβタンパク質を減少させる薬も開発中

エーザイでは現在、アルツハイマー型認知症の進行を促進させる主要因子を阻害し、アミロイドβタンパク質を減少させる薬「E2609」の開発も進めています。

こちらは安全性や有効性、用法・用量を調べる「フェーズⅡ」の臨床試験が終了しており、多数の患者に薬剤を投与して詳細な情報を集める「フェーズⅢ」の臨床試験に進む準備が始まっています。

8月9日に出されたプレスリリースによると、早期アルツハイマー型認知症を対象とした臨床試験を、2016年度中に開始する予定だそうです。

日々進んでいく認知症治療の研究。一人でも多くの患者やその家族が救われる日が早く来ることを期待せざるを得ません。

※こちらの記事は2016年9月時点の情報です

(参考・外部サイト)
日経産業新聞「新しい認知症薬、エーザイが治験開始」(8/24)
エーザイ「サイエンティフィック デイ」(6/29)
エーザイ「BACE阻害剤「E2609」、米国FDAが臨床第III相試験開始に向けて十分なデータが得られたことを確認」(8/9)