気分や衝動、社会適合性などの変化=認知症の兆候?チェックリストを公開

Female hand marking no checkbox, selective focus

認知症に特効薬はありませんが、早いうちに発見して治療を開始すれば、進行を遅らせることが可能です。そこでいかに“早く”“手軽に”認知症を発見できるかの研究が進められています。

7月にカナダのトロントで開催された国際アルツハイマー病会議(AAIC)では、新しい観点から作られた早期発見のためのチェックリストが発表されました。

 “軽度行動障害”に着目したチェックリスト

軽度認知障害(MCI)または認知症の前には、軽度行動障害(MBI)が起こるとする発表とともに公開されたのが、軽度行動障害のチェックリストです。

チェックリストには「意欲や気力」、「気分や不安」、「衝動制御や興奮」、「社会適合性」、「思考」の5つの領域があり、質問は全部で34問。各項目に対して「その状態が6カ月以上続き、以前とは異なる状態か」どうかで判断します。

Yesと答えたものについては、さらに「ある」、「かなりある」、「深刻」のどれに当てはまるかも回答します。

▼質問内容例 ・友人、家族、家での活動に興味を無くしましたか? ・喜びを感じる機会が減りましたか? ・急に怒ったり攻撃的になったり、 神経質になったりしましたか? ・本人の発言や行動が他人にどう影響を与えるか気にしなくなりましたか? 他人の気持ちを考えることができなくなりましたか? ・危険を感じたり、他の人が攻撃や盗みを企んでいると考えるようになりましたか?

家族の負担を軽減できるか

このチェックリストは本人への質問票ではなく、家族などの親しい人からの聞き取りを前提としているので、本人が変化を否定している段階でも参考にすることが可能です。

早い段階から家族が気づけば、本人に医療機関の受診を促すこともできます。研究者たちはチェックリストの診断基準についてさらなる研究が必要だとしています。

(参考・外部サイト)

NY Times「Draft Checklist on Mild Behavioral Impairment」(7/25)