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ハンドル形電動車いすでの重大事故 消費者庁が原因調査報告書を公表

公開日: : 最終更新日:2018/12/12 介護用品・福祉用具, 歩行補助具・杖

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歩行に補助が必要な高齢者が日常的に使用するハンドル形電動車いす。歩行者として考えられているので免許も必要なく、介護保険でレンタルも可能です。

1985年から2014年までの出荷台数は累計49万台。現在は推定で8万5,900台が稼働していると考えられます。

一方で死亡や重傷事故が継続して発生しているのが現状です。そこで消費者安全委員会は7月22日に、ハンドル形電動車いすを使用中の事故に関する調査報告書を公表 しました。

3年間で11人が死亡

ハンドル形電動車椅子を使用中の死亡・重傷事故は、2008年から2014年の間に51件発生しています。

2009年には事故の対策として、ハンドル形電動車椅子に関する日本工業規格が制定されました。2010年以降も件数は減少したものの、継続して事故が発生しています。

2012年から2015年の間では、死亡・重傷事故が15件発生し、11人の死者が出ています。

年齢別にみてみると、60歳代が3人(うち死亡2人)、70歳代が4人(うち死亡2人)、80歳以上が8人(うち死亡7人)という結果です。

主な事故内容としては、
・川や海、穴への転落
・踏切内への侵入や立ち往生などにより、電車と接触
・誤操作による衝突など
があげられます。

事故の主な原因

報告書では、事故の主な原因として
・手を乗せる程度で簡単に発進してしまう仕組み
・前輪近くの路面が見えにくい構造
・アラーム機能の欠如
などがあげられています。

再発防止策として、2ヵ所の同時操作、2段階操作で発進する仕組みの採用や、脱輪などを予防するために前輪の先の地面が見やすいような素材や格子状の構造などに変えることを提案しています。

また、利用者側の原因として「身体の能力低下」、「リスクの認識不足」、「手動ブレーキ操作の技能不足」、「整備不良」のほか、「車いすの性能を超える急坂での利用」があげられています。

60歳以上の利用者の9割が、リスクの疑似体験や危機に対処するための訓練といった安全運転教育を「受けたことがない」と答えていることに触れ、講習の受講を促進するべきだと提言しています。

レンタル利用者に事故が多い傾向

事故者の内訳は、レンタル利用者が11人、購入者が4人でした。レンタル時と購入時では運転適性の見極め方に差はあるのでしょうか。

レンタル時の安全確保

福祉用具専門相談員が下記を行っています。
・福祉用具の選定を助言
・利用者の身体状況などに応じて福祉用具を調整
・使用方法などの説明や指導
・公益財団法人テクノエイド協会が作成した「電動三・四輪車適合チェックリスト」に基づいて利用者の身体状況、使用環境、操作能力、実地評価

また、福祉用具専門相談員が定期的にサポートをしているので、購入使用者に比べて点検などのアフターケアが充実していると考えられています。

購入時の安全確保

使用者の身体状況、使用環境、操作能力を確認。結果によっては販売を断るように電動車いす安全普及協会が指導しているそうです。

報告書では、レンタル利用者のほうが相対的に認知機能や運動機能といった身体の能力低下が大きいことも考えられるとしたうえで、「認知機能の検査」や「運転履歴情報に基づく運転適性の確認」、「経時的な変化を分析」をするべきだとしています。

また、使用が不適切になったと判断した場合には、福祉用具専門相談員が介護支援専門員に相談して、貸与を中止することも必要だとしました。