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アルツハイマーのリスクを高めるアポE4遺伝子保持者、脳の変化は幼少期から?【最新研究】

公開日: : 最終更新日:2018/12/12 認知症, 認知症の最新研究

Metallic DNA helix in a futuristic concept of the evolution of science and medicine.

アルツハイマー型認知症のリスクを3~8倍にまで高めるという、アポE4と呼ばれる遺伝子があります。日本人の5人に1人が持っていると言われている遺伝子ですが、アルツハイマー型認知症の発症にどのように関与しているのかはまだ明らかにはされていません。

1993年に発表された研究では、アポE4の遺伝子数が増加するほど、アルツハイマー型認知症の発症年齢が低下することや発症率が上がることが報告されていました。

7月13日には、アポE4の遺伝子を持っている一部の人は、早ければ幼少期から脳の変化が始まっているとする報告書が、米学術誌「Neurology」で発表されました。

3歳から20歳までの健常者を調査

ハワイ大学マノア校神経科学・MRI研究プログラムの責任者であるリンダ・チャン氏らによる研究チームは、3歳から20歳までの健常者1187人(男性52.1%、女性47.9%)の脳画像と認知テストのデータを分析し、あわせてアポリポタンパクE(アポE)遺伝子のテストを行いました。

アポリポタンパクE(アポE)遺伝子には、E4のほかにE2、E3があります。E2は高脂血症の原因になると言われており、E3は正常型です。誰もがアポE遺伝子を2つ一組ずつ持っています。

海馬の大きさに差が

アポE4遺伝子を少なくとも1つ持っている人の一部について、アルツハイマー型認知症で最初にダメージを受ける脳の部分“海馬”が、他の被験者と比べてかなり小さいことが明らかになりました。

また、海馬だけではなく、物体認識や意思決定などをつかさどる領域も、最も小さかったそうです。

さらに被験者の認知機能テストスコアを精査したところ、ある種の記憶のテストで最も成績が悪かったのは、海馬が小さいグループでした。特にアポE4の遺伝子を2個持つ人の成績が悪かったそうです。

脳の成長に影響か

持っているアポE遺伝子がE4E4もしくはE2E4の場合に、脳の老化だけではなく脳の成長にも悪い影響を与える可能性があると、今回の研究は結論付けています。

リンダ・チャン氏は、「アルツハイマー病の結果だと考えられていたこういった脳の変化が、幼少期に既に存在していた可能性がある」とコメントしました。

アルツハイマー病について、「幼少期に始まる発達障害である」との新説も最近では唱えられているそうです。

チャン氏は長期間にわたるさらなる研究のために、米国中の研究チームと協力を始めているといいます。また、アポE遺伝子はアルツハイマー型認知症に関連する遺伝子のひとつにすぎないため、ほかの遺伝子が生涯を通じて脳の成長や認知力にどのように作用するのかを探っていくそうです。

(参考)
>>(外部サイト)WSJ「Alzheimer’s Effects on the Brain Found in Young People」(7/13)

>>(外部サイト)大阪市立大学大学院医学研究科認知症病態学

>>(外部サイト)ポストセブン「アルツハイマー アポE4遺伝子持つ人は罹患リスクが3~8倍に」(2014/11/14)