ついつい考えるのを避けがちな「介護の終わり」。しかし、介護が終わったあとにも、決めなくてはいけないこと、やらなくてはいけないことがたくさんあります。
そんなときに親が終活や意思表示を残してくれていたら、きっと助かることも多いはずです。そこで安心介護ではサイトのユーザーを対象に、『親にやっておいてほしい終活』についてのアンケートを行い、128人から回答を得ました。
会員の皆さんは「介護の終わり」についてどんなことを思っているのでしょうか?
約8割、介護が終わった後の手続きや片づけを「する」
今後、ご両親が亡くなった後について考える機会が「ある」と回答した117人を対象に、介護が終わった後の手続きや片づけをするのは誰かと伺いました。
すると、「回答者本人」(86人)に加え、「回答者本人と配偶者」(3人)、「家族全員」(2人)、「回答者本人ときょうだい」(1人)の計92人(79%)が、介護が終わった後の手続きや片づけに関わる必要があると答えました。
その他の回答としては、「兄弟姉妹(義理含む)」と「配偶者」がそれぞれ11人、「親(義理含む)」が2人、「配偶者もしくは妹」が1人という結果となりました。
大多数が介護の終わりについて考えているが、親と話し合ったことは「ない」
「介護の終わりについて考えたことはありますか?」という質問には、112人が「ある」と回答しています。
しかしながら、実際に親と話し合ったことがあるのは4人に1人にとどまっています。
話し合う前に認知症になってしまったケースも
「介護の終わりについて親と話し合ったことがない」と答えた87人に、その理由を聞くと、親への気遣いから話し合えないという回答が目立ちました。 ・「言い出しにくいから」(50人) ・「縁起が悪いから」(12人) ・「まだ早いから」(4人) ・「その他:あえて死を意識させることは避けたい」(1人)
5人に1人が話し合う前に親が認知症になってしまったと答えているため、まだ早いと思っても話し合ったほうが良さそうです。
その他としては、「こちらが話を振っても、流されてしまう。考えたくないのだと思います」、「言い出しても聞いてくれない」、「話すと親が騒ぎ(特に母親)、親戚も巻き込んで自分が非難される可能性が高いから」など、親が話を避けているケースもあるようです。
話し合った内容は「葬儀やお墓」(80%)
一方、「介護の終わりについて親と話し合ったことがある」という30人に、その内容を聞くと、最も多かったのが「葬儀やお墓などについて」(80%)でした。
「相続関連について」(50%)、「介護や医療について」(50%)が続いています。
その他の回答の中には、「不要な物の処分」などの片づけについてをあげた人が2人いたほか、「最期にいたい場所」、「昔のこと、親戚のことなど」があげられていました。
終活をしている親は少数派
続いて「親は『終活』をしていますか?」と聞いたところ、約8割にあたる91人が「していない」と答えています。
「している」と答えた8人にその内容について聞くと、半数以上が「葬儀会社の決定やお墓の購入」と回答しています。終活で話題になる「エンディングノート」ですが、意外にもつけている人は2人にとどまりました。
やってほしい終活は「訃報を知らせる人を教えてほしい」
最後に親の終活の有無にかかわらず、「親にやってほしい終活について」を聞くと、過半数が「訃報を知らせる人を教えてほしい」(53%)となりました。
「訃報を知らせる人を教えてほしい」(53%)、「遺言書の作成などの相続についてや財産の整理」(49%)、「介護や医療の希望を教えてほしい」(45%)、「実家の片づけ」(44%)、「葬儀やお墓の希望を教えてほしい」(44%)、「エンディングノートをつけてほしい」(20%)、「自分史の執筆」(3%)が続いています。
「その他」については、3人が「とくにない」や「自分で調べてやるしかない」となっていますが、いずれも「親が終活をしているかどうか」については「していない」もしくは「わからない」と回答している方でした。
残りは「延命の可否」、「今後について望むことを話してほしい」となりました。
介護の終わりの準備として、「葬儀会社の決定やお墓の購入」をしている親が多いようですが、子世代は親の希望や人間関係といったそれまでの人生を気にかけていると言えそうです。