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ケアプランに自己負担導入案-日本介護支援専門員協会「断固反対」

公開日: : 最終更新日:2018/12/13 介護のお金, 介護保険

pixta_19643588_S要介護の認定を受けている人の多くは、ケアマネジャーの作成したケアプランに従って、介護保険サービスを利用します。

現在、このケアプランの作成などは、介護保険で賄われており、利用者の自己負担は一切ありません。

しかし、2018年度の介護報酬改定から、このケアプランの作成を含む居宅介護支援(ケアマネジメント)を、自己負担1割(一部2割*)とする案が浮上しています。

*2016年6月時点

居宅介護支援(ケアマネジメント)とは

居宅介護支援(ケアマネジメント)の入り口となるのが、ケアプランの作成です。

ケアプランとは、要介護者本人や家族の状況や要望に基づいて、自立した生活を続けるための目標を設定し、その実現に必要なサービスや頻度、事業者を決める「利用計画書」です。

>>ケアプランとは

要介護者本人や家族でもケアプランの作成は可能です。ただし、介護の専門知識や地域の事業者の状況を把握していないと難しく、さらに手続きが大変なため、一般的にはケアマネジャーがケアプランの作成をしています。

ケアプランの作成以降は、ケアマネジャーから主に以下のようなケアマネジメントを受けます。
・健康状態やサービスなどのモニタリング
・心身の変化に合わせて利用するサービスを調整
・介護や医療関係の煩雑な手続きや交渉など
・支給限度額の確認と利用者負担額の計算
・各サービス事業者の実績を集計して、自治体の介護保険課へ提出(毎月)

ケアマネジメントにかかる費用

ケアマネジメントにかかる費用は、ひとり当たり平均1万3800円/月です。

2014年度では、国全体で4022億円(介護サービス全体の5%)でした。今後、高齢化社会が進むにつれて、介護サービスにかかる国の支出は増える見込みです。

原則1割の自己負担にすると、ひとり当たりの負担額は月当たり平均1300円増加し、国全体の支出は400億円減らせる見通しです。

日本介護支援専門員協会が署名活動を開始

ケアマネジメントに利用者負担の導入が検討されていることに対して、ケアマネジャーのネットワーク構築を目指す日本介護支援専門員協会は、5月19日から署名活動を開始しました。

ただし、公正・中立性を保つため、ケアマネジメント業務中には、利用者に署名協力は呼びかけないようにと注意を促しています。

6月10日(金)まで署名を集め、厚生労働大臣宛に提出する予定です。

同協会は真にサービスを必要としている人が、必要な時に必要なサービスなどの利用ができなくなる危険性があるとして、「断固反対」すると固い意思を示しています。

過去にも同様の議論が

同様の議論は2011年にも上がっていました。2018年の改正に向けて、再び以下の議論が上がるものと考えられます。

慎重派

・介護保険制度の根幹を揺るがしかねない
・ケアマネジメントは介護保険の入口。ここに利用抑制がかかることで、重度化しかねない
・低所得者ほど専門職によるケアマネジメントが必要
・要介護者や本人によるケアプランの作成が増えると、市町村の事務処理負担が増える
・サービス事業者によるケアプラン代行業務が多くなると、自立支援よりも生活を楽にするサービス利用が増え、いたずらに介護費用が増大する
・「負担しているのだから自分の言うとおりのケアプランをつくれ」という人が多くなる

推進派

・応益の負担からやむを得ない
・介護保険財政が改善する
・利用者の関心を高め、自立支援型のケアマネジメントが推進される
・自己負担となれば慎重にケアマネジャーを選ぶようになり、サービスの質が高まる

また、厚生労働省は「ケアマネジメントを利用しなくなる人はほとんど出ない」と見込んでいるそうです。

※こちらの記事は2016年6月時点の情報です。2018年4月の介護保険改定では、ケアプランの自己負担導入は見送られています

(参考)
>>(外部サイト)CBNews「ケアプラン有料化「断固反対」で署名活動- 日本介護支援専門員協会」(5/24)
>>(外部サイト)日本経済新聞「ケアプランに自己負担 介護給付抑制へ厚労省検討」(2015/9/7)
>>(外部資料)厚生労働省「ケアマネジメントに係る利用者負担に関する昨年の介護保険部会での議論」