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認知症と間違われやすい高齢者の「てんかん」とは?

公開日: : 最終更新日:2018/12/13 認知症, 高齢者の病気

Human brain on dark background vector illustration

認知症と間違われやすいものに「てんかん」があります。子どものてんかんとは違った特徴を持つ、高齢になってからのてんかん。安心介護にもてんかんを持つ人の介護者からの声がたくさん投稿されています。

若いころからてんかんを持っている人もいますが、今回は高齢になってから発症するてんかんについてまとめたいと思います。

高齢者がてんかんになる原因

70歳以上でてんかんの発症率は急激に増加すると言われています。

原因の30~40%が脳出血、脳梗塞、もやもや病、高血圧症脳症などの「脳血管障害」です。脳出血、脳梗塞などを起こした場合、将来的にてんかんを発症する危険性が50~70%と非常に高くなります。

他にも頭部外傷、アルツハイマー病などの神経変性疾患、脳腫瘍などが原因となります。

脳に何らかの障害や傷があることで起こるてんかんが「症候性てんかん」です。

また、高齢者のてんかんの3分の1程度が、原因不明の「特発性てんかん」です。

高齢者のてんかんが認知症と間違われる理由

高齢者のてんかんは意識障害があるものの、けいれんが起こらない複雑部分発作が多いのが特徴です。

認知症と間違われやすい点に、下記のものがあります。

・発作中のけいれんがなく、その間の記憶がない
・発作後はもうろう状態が数時間から数日間続くことがある
・発作中に時間や場所の感覚がわからなくなることがある
・最近の出来事を忘れるが、昔の出来事はよく覚えている「記憶障害」が起こる
・怒りっぽくなるなどの感情障害がある
・発作症状が多様である
・本人が発作を自覚していないことがある

高齢者のてんかんと認知症の違い

認知症とてんかんには、主にこんな違いがあります。

・状態の良いとき、悪いときの差が大きい
・記憶がないときとあるときがある
・3~5分程度、意識がとぎれることがある。
・体をゆする、ボタンをいじる、口をぺちゃぺちゃするなど、自動症と呼ばれる症状が出て、比較的短時間で元に戻る

また、半数ぐらいの人は、発作の前に「気持ちが悪い」、「めまいがする」、「昔の風景が頭に浮かぶ」などの前兆があるそうです。

治療方法は?

てんかんは脳波の検査、MRIなどの画像診断、問診などをして診断します。

高齢者のてんかんは診断が難しいと言われており、どんな症状がいつ、どのくらい出たのかをメモしておいて、診察時に提示するといいでしょう。

また、発作が出ている様子をスマートフォンなどで録画しておくと、医師が参考にできるだけではなく、本人が発作を自覚するきっかけにもなります。

高齢者のてんかんの治療方法

高齢者のてんかんは、抗てんかん薬がよく効くことで知られています。

抗てんかん薬はてんかん発作による記憶障害にも効果的です。また、感情障害など気分の揺らぎを調整する作用もあり、副作用が少ないことから、認知症の治療薬として抗てんかん薬が使われることもあるそうです。

薬の処方は、他の薬との飲み合わせや病歴を見て行われます。肝機能障害、腎機能障害を併発している場合には、抗てんかん薬によって症状が強く出る場合があるので注意が必要です。

始めは少ない量から投与し、徐々に量を増やしていきます。視界がぼやける、眠気、頭痛、ふらつき、めまいなどの副作用が出ることがありますが、薬の量の調整や、服用回数を増やすことで、徐々になくなることがほとんどです。

抗てんかん薬を服用した後に、気になる副作用が出たらすぐに医師に相談をしましょう。

また、1年投薬を続けても発作が収まらない場合は、てんかんではないことや、薬のタイプがあっていないことが考えられます。専門の医療機関で、詳しく検査を受けた方がいいでしょう。

けいれん発作が出た場合の対処方法

アルツハイマー型認知症が進行すると、てんかんのけいれん発作が出る場合があります。

けいれん発作が起こったら、下記のように対処してください。

1. けいれん発作の継続時間を数える(15程度で収まることが多いが、30以上まで数えても止まらなかったら救急車を呼ぶ)
2. 数えながら、倒れてケガをしないように、ソファーに座らせるなど安全を確保する。食事の後なら、嘔吐物で窒息をしないように、横にした状態で頭を横に向ける。
3. かかりつけ医に相談をする

また、身体を押さえつけてけいれんを止めようとするのは厳禁です。その刺激で発作がひどくなることがあります。

はじめてけいれん発作を見た際には、驚いて動揺してしまうことでしょう。介護専門家からはこんなアドバイスが送られています。

脳血管疾患の患者さんが多い病院で働いていた時、
『痙攣発作で命を失う事はない。』という考えにいたりました。
慌てず騒がず(専門家でも難しいですが・・・・・)
すぐに救急車を呼んで搬送してもらう事が良いと思います。

痙攣の薬を内服し始めたとの事ですが、
医師が薬の血中濃度を検査しながら、
最良の投与量をみつけてくれると思います。
投与量がしっかりマッチすれば、
痙攣発作を起こす可能性は格段に減少します。

再度書かせていただきます。
『痙攣発作で命を失う事はない』という事で、
できるだけ落ち着いて対応してください。

(専門家の回答)
引用元 介護のQ&A「痙攣発作

てんかん発作後の運転免許証について

てんかんのある人の運転免許証取得・更新には、条件があります。運転免許証の取得・更新時に渡される「質問票」に症状を正しく申告しましょう。ウソの申請をすると、罰則が科せられます。

ただし、てんかんだと診断されたからといって、二度と運転ができないわけではありません。

免許証が取り消しになった3年未満に症状が改善すれば、運転免許証を再び取得することが可能です。

かかりつけ医と連携を取り、しっかりと治療をしていきましょう。

(参考)
>>(外部資料)「日本てんかん学会ガイドライン作成委員会報告 高齢者のてんかんに対する診断・治療ガイドライン」

>>(外部サイト)日本てんかん協会

>>(外部サイト)大塚製薬「てんかんinfo」

>>(外部サイト)認知症ねっと「認知症コラム第6回 抗てんかん剤はもの忘れに効くのか」

>>(外部サイト)朝日新聞「高齢者に多いてんかん、初発の場合も」(5/4)