認知症にも効果あり? テレビCMで聞く「イチョウ葉エキス」とは

アイキャッチ:イチョウ葉エキス

テレビCMで「認知機能の一部・記憶力の維持に役立つ」 と紹介されている「イチョウ葉エキス」。

気になっている方もいるのではないでしょうか?

今回はこの「イチョウ葉エキス」についてまとめたいと思います。

イチョウ葉エキスの主な成分

イチョウ葉エキスに含まれている主な有効成分は、 「フラボノイド」と「テルペンラクトン」です。

フラボノイド

フラボノイドとは植物に含まれている成分のひとつで、 ポリフェノールの一種です。

イチョウ葉エキスには、そばでおなじみのルチン、 緑茶でおなじみのカテキンなどのフラボノイドが含まれています。

フラボノイドには体内の活性酸素を取り除く、 抗酸化作用があります。

テルペンラクトン

テルペンラクトンはイチョウ葉にのみ含まれている成分です。

血行を良くしたり、血栓や血管の詰まりを予防したりといった作用があります。

イチョウ葉エキスの効果

イチョウ葉エキスには主に3つの効果があると言われています。

効果1:血流を良くする

血流を良くするので、血行不良による 体の不調に効果があるとされています。

効果2:記憶力を高める

複数の研究によって、認知機能の一部である記憶力(言葉や物のイメージ、 位置情報を思い出す力)を維持する機能があると報告されています。

脳の血流を増加させることで、 特に加齢による記憶低下に効果が期待できるそうです。

認知機能分野において、日本で初めて機能性表示食品として 届け出を受理されたのも「イチョウ葉」(大塚製薬株式会社)でした。

効果3:認知症の予防や改善

下記の作用により、認知症の予防や改善に効果があるとされています。

・脳の血流を増やす ・抗酸化作用により脳細胞の老化を防ぐ ・神経伝達物質の働きを活性化させる

特にアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症に対して効果が期待できます。

脳血管性認知症に関しては、 日本脳卒中学会も「治療に有効性あり」としています。

認知症への効果は複数の臨床試験によって確認されているのですが、 2008年には「イチョウ葉エキスに認知症予防効果はない」という報告が、 学術誌JAMA上で発表されたこともあります。

イチョウ葉エキスを医薬品としている国も

イチョウ葉エキスは、EU諸国では医薬品として認められています。

その場合、フラボノイドが24%、 テルペンラクトンが6%配合されていることが基準とされています。

日本やアメリカではサプリメントとして利用されており、 医薬品としては認められていません。

イチョウ葉エキスの注意点

《注意点1》薬の飲み合わせに注意

抗血液凝固剤などの薬を飲んでいる方は、 血液をさらさらにする作用のあるイチョウ葉エキスを飲むと、 出血がしやすくなる可能性があります。

ひどい場合には脳出血を起こす事例もあります。

また、インスリンなどの効果に影響がある場合や、 痛み止めとイチョウ葉エキスを併用して 脳出血を起こした事例もあるそうです。

イチョウ葉エキスを使用する際には、 かかりつけの医師・薬剤師に相談することをお勧めします。

《注意点2》アレルギーが出る恐れ

イチョウの葉は日常的に目にする植物です。

だからと言って、イチョウの葉でお茶などを自家製するのは厳禁です。

イチョウの葉に含まれるギンコール酸が、 胃の痛みや皮膚炎といったアレルギー反応を起こす可能性があります。

サプリメントの中にもギンコール酸が高濃度で残存しているものがあると、 2002年に国民生活センターが指摘しています。

適切な処理がされていれば、ギンコール酸はエキス中で5ppm以下になり、 この濃度ではアレルギー反応は出ないと考えられています。

商品の注意書きなどに「ギンコール酸をエキス中で5ppm以下にしています」 といった表示があるかどうかを、必ず購入前に確認をしましょう。

(アイキャッチ画像:flickr/Christine Veeschkens)