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理研、アルツハイマーで消えた“記憶”の取り戻しに成功【アルツハイマー病研究の最前線】

公開日: : 最終更新日:2017/01/27 認知症, 認知症の予防と治療, 認知症の最新研究

Brain loss and losing memory and intelligence due to neurological trauma and head injury or alzheimers disease  caused by aging with gears and cogs in the shape of a human face showing cognitive loss and thinking function.

アルツハイマー病によって思い出せなくなってしまった“記憶”は、
消えてしまったのでしょうか?

それとも取り出せないだけで、どこかに眠っているのでしょうか?

そんな疑問の答えに一歩近づく研究結果が、理化学研究所から
3月17日に発表されました。

記憶をつかさどる海馬が萎縮

アルツハイマー病では、海馬やその周辺から神経細胞の変性が起こり、
アルツハイマー型認知症を発症する前から、海馬が委縮します。

この海馬は「記憶の形成」、「記憶の保存」、「記憶を思い出す」
といった役割を担っているため、アルツハイマー型認知症では
記憶障害が初期症状として出やすいのです。

特に昔あった出来事よりも、ついさっきの出来事を忘れてしまいます。

これは「新しい記憶を形成できないから」なのか、
それとも「記憶を思い出せないから」なのかは
はっきりしていませんでした。

記憶の痕跡のある「記憶エングラム」を刺激

今までに理化学研究所では、記憶の痕跡は海馬にある細胞群、
「記憶エングラム」に保存されることを突き止めています。

そこで、脳の状態が初期のアルツハイマー病患者と同じ状態の
マウスを使い、下記のような実験を行いました。

① アルツハイマー病マウスと通常のマウスを箱に入れ、電気刺激を与える

② このとき動いた脳の神経細胞「記憶エングラム」に目印をつける

③ 翌日、同じ箱にマウスを入れる
・通常のマウス→電気刺激を思い出して身をすくませた
・アルツハイマー病マウス→反応せず、電気刺激を忘れていたと考えられる

④ アルツハイマー病マウスを他の箱に入れ、
「記憶エングラム」に青色の光を当てて活性化させる

「記憶エングラム」が刺激された結果、アルツハイマー病マウスは
電気刺激を思い出して、身をすくませたそうです。

つまり、電気刺激の記憶は形成・保存されなかったのではなく、
思い出されなかったのだと考えられます。

また、繰り返し「記憶エングラム」に光を当てて何度も活性化させたところ、
情報伝達の効率を上げるシナプスが増強され、
2日後には電気刺激を受けた箱に入れただけで、自然に身をすくませました。

初期段階での治療や予防につながるか

研究チームを率いた利根川進センター長は、

「アルツハイマー病初期の患者の記憶は失われているのではなく、
思い出すことができないだけかもしれません」

としたうえで、

「初期の患者には記憶を保持する細胞が維持されているというのであれば、
将来、これらの細胞から記憶を取り出す技術が開発されれば、
障害を軽減できるかもしれません」

と、コメントしています。

ただし、今回の研究結果が、ただちにアルツハイマー型認知症の
新しい治療法に結びつくというわけではないようです。

記憶障害のメカニズムの一端が明らかになったことで、初期段階で
治療あるいは予防する方法を開発できるかもしれないと期待が寄せられています。