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認知症高齢者を見守る「さかた見守りくん」を本格導入-山形県酒田市

公開日: : 最終更新日:2018/12/13 認知症, 認知症を支える社会と仕組み

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ITを活用して認知症高齢者を見守ろうという取り組みが、
山形県酒田市で始まります。

「さかた見守りくん」の仕組み

「さかた見守りくん」は、
小型端末を高齢者に携行してもらい、
あらかじめ設定しておいた生活圏から出ると、
家族にメールが送信される仕組みです。

小型端末からは電波が発信されており、
市内の商店などに設置された受信機が電波を拾い、
インターネットを経由して位置情報がサーバーに送られます。

また、居場所がわからなくなってしまったときには、
感知した移動ルートなどの情報から、
徘徊者のいるエリアをある程度特定することが可能です。

昨年6月には実証実験も

酒田市では昨年の6月から2ヵ月間、
市内一部地域で実証実験を行いました。

地域内の高齢者12人(そのうちの6人は認知症)と
その家族が実験に参加し、11ヵ所に受信機が設置されました。

結果から発信機の使い勝手やメールの受信状況、
受信機の設置についてなどが検証され、
想定よりも電池のヘリが早いことなどの課題が明らかになりました。

さかた見守りシステムのメリット

高齢者が意識せずに持ち歩ける

徘徊時の捜索手段として、携帯電話についている
GPSを利用しようと考えている方もいるかもしれません。

ただし、徘徊時に携帯電話を持っていない可能性もあります。

「さかた見守りくん」の発信機は10円硬貨程度の大きさなので、
着替えの際にポケットに入れておくなどすれば、高齢者が意識せずに持ち歩けます。

費用が安い

普段から携帯電話を利用している方ならいいのですが、
GPSのために持ち歩いてもらうには、携帯電話本体の価格と
月々の基本料などでかなりの出費がかかってしまいます。

「さかた見守りくん」の発信機は、価格が2000~5000円程度で、
維持費もボタン電池を半年~1年に1回程度取り換えるだけで済み、
通信費は原則としてかかりません。

行政側にとっても、受信機本体の価格(1個1万円程度)はかかりますが、
既存の無線LANを使用することで、初期投資を抑えられます。

徘徊予防や早期発見

生活圏外から出ると居場所が家族に通知されるので、
すぐに迎えに行くことができます。

また、行方不明になってしまった場合には、
システムが収集した情報から早期発見を目指せます。

高齢者本人や家族にゆとりが生まれる

実証実験によると、高齢者にとっては「自由に行動できる」ことから
外出の機会が増え、さらには行動範囲も広がったそうです。

また、メールが送られてくるという安心から、
家族の負担感を軽くすることができました。

今後の展望

実証実験では、雨のときや車両での移動の際には
電波が探知されなかったこともありました。

また、実証実験は夏に行われため、
厚着をする冬の作動状況は確かではありません。

新年度から酒田市全域でのシステム導入を開始し、来年1月に
アンケートなどで運用状況や改善点を確認し、次年度以降に反映してゆきます。

初年度は、端末携行者数300人と受信機設置数200カ所を想定しているそうです。

介護家族にとっても行政にとっても、
少ない負担で大きな安心を得られるこのシステム。

ぜひいい結果を生んで、各地に広まってもらいたいものです。

(参考)
>>(外部サイト)山形新聞「認知症高齢者見守りシステム、市全域をカバー 来年度に酒田市が導入」(3/8)

>>荘内日報社「認知症高齢者の徘徊防止 『さかた見守りくん』」(2015/6/5)

>>キャプテン山形「NTT東日本光ステーションを活用した認知症見守りシステム」