高齢者がリハビリを“楽しむ”という発想-「たのリハ」とは?

高齢者のリハビリ

“リハビリ”、“介護予防”、“認知症予防”と聞くと、辛くて地道なことのように考えてしまいます。

でもゲーム感覚で、楽しくリハビリができる機器があるんです。

「楽しく遊んでリハビリ!(たのリハ)」

それが「楽しく遊んでリハビリ!(たのリハ)」を合言葉に展開されているシリーズです。

モグラ叩きのようなゲームやタッチパネル式のものなど、ラインナップを見るとまるでゲームセンターのようです。

実際に高齢者の方が楽しんでいる姿がこちらです。

「たのリハ」を使用した方々は「疲れた」と言いながらも「楽しい」と笑っています。

スコアを記録したり、目標スコアをクリアして達成感を味わったりと、「たのリハ」シリーズで体と心を動かしているようですね。

「たのリハ」のラインナップ

「たのリハ」には動画に登場しているゲームを含め、下記のようなものがあります。

ドキドキへび退治Ⅱ

飛び出してくるいたずらヘビを両足で踏み、退治するゲームです。

期待できる効果: 下肢を鍛えて転倒予防、敏捷性向上

ハンマーフロッグ、猪突猛進!うり坊タタキ

どちらも、もぐら叩きのようなゲームです。

期待できる効果: 腕の筋力向上、認知判断力の向上、視野の拡大

ポンポンタッチ バージョン2

制限時間を設定し、光るライトをタッチしたり、落ちてくる卵をキャッチするなど、タッチパネルを活用したゲームです。

期待できる効果: 目と手の協調性向上、思考力の向上、積極性の向上

「たのリハ」の効果は?

「たのリハ」は回復ではなく、今持っている力を維持することが目的です。 ゲームを楽しみながら、身体機能、脳、精神の活性化を図ります。

これらのゲームは、九州大学病院リハビリテーション部の協力を得て機器を開発し、効果の測定や検証も行われています。

デイサービスセンター利用者を対象にした調査では、ゲーム機を継続的に利用した方々はゲーム利用後10ヶ月で、俊敏性や歩行能力・バランス能力に改善が見られました(出典1)。

高齢者向けゲームのポイント

ゲームでリハビリを目指すとはいえ、高齢者の方をゲームセンターに連れて行っても、

・立ったままゲームをするのが困難または危険 ・若者向けのスピードに反応できない

といった理由で、あまり楽しんでもらえないかもしれません。

座ってゲームができる仕様や転倒予防の手すり、高齢者の反応速度に合わせられる設定が高齢者向けゲームには求められています。

2013年に発売された「たのリハ」シリーズですが、福祉センター、介護施設、医療機関などで取り入れられているようです。

これから高齢化が進むにつれて、「高齢者用のゲームセンター」が街に誕生する日も来るかもしれませんね。

(出典1)日本理学療法学術大会発表抄録 デイサービスにおけるリハビリ用ゲーム機の活用効果※掲載終了

(参考) >>(外部サイト)株式会社サイ「たのリハ」

>>(外部サイト)LIVESPACE