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脳の炎症を防げば、アルツハイマー病の進行を抑えられるかも?【アルツハイマー病研究の最前線】

公開日: : 最終更新日:2018/12/14 アルツハイマー型認知症

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物忘れから始まり、症状が進んでいくのがアルツハイマー病です。

この進行を食い止めるため、脳の免疫細胞に着目した
新たな研究結果が1月8日に発表されました。

免疫細胞が脳に炎症を引き起こす

この研究を進めてきたのは、
イギリスにあるサウサンプトン大学の研究者たちです。

彼らはまずアルツハイマー病で亡くなった患者の脳組織を調べました。

その結果、健康な人に比べて患者の脳にはミクログリア
(小膠細胞)と呼ばれる免疫細胞が多く見られ、
脳内の炎症を引き起こしていることが明らかになりました。

ミクログリアの活動を抑えることで進行が止まる

そしてアルツハイマー病の症状を示したマウスに、
ミクログリアの活動を制御するレセプターの「CSF1R」を
ブロックする薬を投与しました。

すると脳の炎症が抑えられ、
記憶障害の進行を食い止めることができたとしています。

脳を病気から守るミクログリア

ミクログリアは、白血球の代わりに
脳を病気から守る免疫の働きをするとされています。

腫瘍細胞や細菌を殺し、死んでしまったニューロン
(神経細胞)を清掃する役割も果たしています。

正常な人ではミクログリアが必要以上に働きすぎないよう
制御されていますが、アルツハイマー病患者の場合はこれが暴走し、
正常なニューロンまで殺してしまう場合があります。

今回の研究では、
この暴走したミクログリアの活動を抑える薬を投与することで、
炎症を防ぎ、症状の進行が止まったと考えられています。

(参考)
>>(外部サイト)日経サイエンス:脳の免疫系を担うミクログリア

今回の発見に大きな期待が寄せられる

イギリスの研究機関「アルツハイマー・ソサエティ」の
ダグ・ブラウン博士は、報告の中で次のように語っています。

「脳の炎症がアルツハイマー病を引き起こすことは知られていました。そして現在、研究者らはこれが病気の進行にどの程度影響を与えるのかを調べています」

「今回の研究は、脳の中にある新しい免疫細胞の生産が記憶劣化の進行に大きな影響を与えることを示しています。そしてこの免疫反応をブロックすることで、記憶の損失を減らせる可能性が示されました。新しい認知症治療の発展に役立つかどうかを見るためにも、今回の研究が前進していくことは心強いです」

新たな治療法が求められている

まだマウスでの実験に過ぎないため、今後は
この薬が人間に悪い影響を及ぼさないかを調べる必要があるようです。

ブラウン博士は、
アルツハイマー病治療の現状についても意見を述べています。

「高齢者の増加にも関わらず、
10年間も認知症の新薬がなかったことを踏まえると、
症状の進行を食い止め、または遅くできる治療法を
見つける必要性は非常に高まっています」

新たな発見によって少しずつ
アルツハイマー病についての理解が深まっています。

さらなる研究結果に期待したいですね。

(参考)
>>(外部サイト)Alzheimer’s Society:Blocking brain inflammation could lead to new treatments for Alzheimer’s disease

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>> 若年性アルツハイマー/若年性認知症とは 10の初期症状