介護士不足を補えるか―立ち上がりを介助する歩行器「たぁーくん」の実力

介護士不足を補えるか―立ち上がりを介助する歩行器「たぁーくん」の実力

立ち上がって歩く事は、認知症予防や進行を弱めるのに重要

歩くのは健康にいいだけではなく、認知症の発症や 進行を予防する効果があるとも言われています。

しかし中には、「歩きたい」という気持ちはあるのに、 立ち上がるのが困難な方がいます。

立ち上がりを介助するのは大変

体が小さかったり、腰痛に悩んでいたり、 体力のない介護士の方にとっても、 介護度が高い方の立ち上がりを介助するのは大変です。

介護が必要な方の中には、そんな介護士の方に気を使い、 歩くのを諦めてしまっている方もいるかもしれません。

そんな理由で歩くのを諦めないために、介護士の方が ラクに立ち上がるのを介助できる歩行器が誕生しました。

立ち上がる動作をラクに介助する歩行器が誕生

今回誕生した“歩くのを諦めない”ための歩行器が「たぁーくん」です。

「たぁーくん」

一度寝たきりになった方にも、再び 自分の足で歩けるようになってもらうのが目的だそうです。

(画像出典元:津島鉄工所ホームページ)

立ち上がり補助ができる歩行器「たぁーくん」の利用方法

「たぁーくん」の利用方法はいたって簡単です。

▼ベッドなどに腰かけた要介護者の前に置く

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▼ストッパーでたぁーくんを固定

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▼前傾姿勢で肘を置いた姿勢になってもらい、介護者が足でレバーを踏む

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▼立ち上がれた

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(画像出典元:YouTube/津島鉄工所)

これなら体の小さい方、腰痛持ちの方、 介護初心者さんでも、立ち上がる動作をラクに介助できますね。


「たぁーくん」操作動画1

「たぁーくん」は京都府と津島鉄工所の共同開発

介護・福祉現場では、介護士にかかる負担の軽減が課題となっています。

この課題を解決するため、京都府では 「人にやさしい介護支援機器開発プロジェクト」を立ち上げました。

そして誕生したのが「たぁーくん」です。

2014年から京都府と津島鉄工所(本社・京都市南区)が 共同で開発を進め、2015年10月から販売が開始されています。

介護・福祉施設での利用を想定

もともと介護士さんの負担軽減を目的に誕生した「たぁーくん」。

重量は23キロあり、価格は24万8000円(税抜)です。

初年度は介護・福祉施設向けに、100台の販売を目指しているそうです。

「たぁーくん」が普及して、介護士にお世話になっている 多くの高齢者が、諦めずに歩き続けられるといいですね。

>>参考:人にやさしい介護支援機器開発プロジェクト

>>参考:自力で立てる画期的な歩行器「たぁーくん」完成・販売開始 京都

歩行器に関連する基礎知識

安心介護では、歩行を補助する道具について、以下のような記事を公開しています。

>>歩行器とは タイプと選び方

>>シルバーカー(手押し車)の利用方法と選び方

>>歩行補助杖とは 種類と選び方