寝たきりの方や歯科医院への通院を嫌がる方の 心強い味方になるのが歯科医の「訪問歯科診療」です。
今回は訪問歯科診療について、説明します。
訪問歯科診療で受けられる治療
浅草で44年間に渡り歯科治療を行われている 花川戸歯科医院の宮元院長に伺ったところによると、 通常の診療のほとんどが、訪問診療で可能だそうです。
歯を削ったり、抜歯などの小手術、義歯の型取りなど よほど特殊なケースでない限りは、ポータブルの器具で行えますが、 X線やCTなどは限られてしまうとのことです。
また、全身状態によっては、 一般医科の主治医の立ち合いも必要にあるようなので、 相談のうえ訪問歯科診療を頼むとよいそうです。
訪問診療をしてくれる歯科医の探し方
訪問診療をしてくれる歯科医の探し方は、 通院の際と同じ3つの方法になります。
・ケアマネジャーさんに聞く (地域の歯科医師会から紹介してもらうことがあるそうです)
・各都道府県の医療情報提供制度を利用する
>>医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について-厚生労働省
・「家族の会」などで介護をしている方から紹介してもらう
訪問診療では治療をしてくれない?
以前、安心介護ではこのような質問が投稿されました。
母は介護度5の認知症で施設でお世話になっています。 今年初め位から下の前歯が虫歯のようにかけ始め、今は両隣の歯も色が変わってきています。 施設の職員に相談したところ、週に1度来ている歯医者さんに聞いてくれたようで、先生から 「ご家族がどうしても直して欲しいと希望するなら直しますが、認知症もあるし高齢である 治療すればかえって誤嚥性を引き起こす可能性もありますよ」といっていたとのことでした。 あれから数ヶ月経ちますが、歯はどんどん短くなって今では腐ったようになっています。 施設も何等かの対策はしてくれているとは思いますが、このままでも良いでしょうか? 高齢な認知症の患者の歯科治療は、一般的にどのように行われているのでしょうか? 引用元 介護のQ&A 「歯は健康の源、その歯が虫歯になっています。」
これに対して、グループホームに歯科医が訪問診療に来てくれているという 専門家の方からこのような回答がありました。
私のグループホームでは、ご家族とご本人の希望あった際は往診歯科医に診てもらい、診察結果をまずご家族にお伝えします。 90歳前後のご高齢の方が多いため、歯科医もあまり積極的には治療を進めないのが現状です。 例えば抜歯などはご本人が治療への理解が得られないこと多く危険が伴う為、ご本人の痛みがない又はご本人が食事の際に困っていないようなら、経過観察がほとんどです。 (保有資格:正看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、 認知症介護実践者研修、福祉住環境コーディネーターの専門家haduki24さん) 引用元 介護のQ&A 「歯は健康の源、その歯が虫歯になっています。」
これに対して、このような意見も出ています。
技術の高い歯科医師であれば治療は行うと思います。 現在、歯科医師も積極的に治療を行うところが多く、 高齢者や障害者の方を治療するための研修に参加されている歯科医師もいます。 (保有資格:福祉用具専門相談員、社会福祉主事任用資格、ヘルパー2級、 社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、 福祉住環境コーディネーター、精神保健福祉士、 ファイナンシャルプランナーの専門家ikuru0805さん) 引用元 介護のQ&A 「歯は健康の源、その歯が虫歯になっています。」
高齢な認知症患者の治療は往診の場合、持ち込める機材と時間が限られている事と 認知症への配慮から非常にスローな展開になりますので長期化する覚悟は必要です。 内容は一般の歯科治療と同じです。 (保有資格:介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、精神保健福祉士、 ヘルパー2級、社会福祉士、認知症介護実践者研修の専門家みらいさん) 引用元 介護のQ&A 「歯は健康の源、その歯が虫歯になっています。」
訪問診療をしてくれる歯科医でも、治療方針はさまざまなようです。 診療をお願いする前に、ぜひとも確認しておきたいですね。