<特集>シニアの筋トレ 第2回 ハムストリングを鍛えて100歳すぎまで自力歩行を!

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体を動かす原動力が「筋肉」です。 介護予防や自立した生活を1日でも長く続けてもらうためには、 「筋肉トレーニング」は欠かせません。

「もう高齢だから……」と、諦める必要はありません。 80歳を過ぎてからでも、衰えた筋肉を鍛えなおせるそうです。 デイケアでもストレッチや体操に加えて、筋肉トレーニングを行ってくれますが、 自宅でもできる筋肉トレーニングをご紹介したいと思います。

前回は「腸腰筋トレーニング」について説明しましたが、 今回は「ハムストリング」について説明します。 >>参考記事:<特集>シニアの筋トレ 第1回 腸腰筋を鍛えるポイント!

100歳過ぎの成田きんさんが実践

長寿の双子で有名な成田きんさんは、100歳を過ぎて自分で歩く力を取り戻したそうです。それは「ハムストリング強化運動を実践したから」だと、きんさんのトレーナーである久野信彦さんの著書『老筋力』に書かれています。

 ハムストリングとは?

ハムストリングとは太ももの裏側にある大きな筋肉です。 下半身を安定させるほか、こんな時に使われます。

・走ったり歩いたりするとき ・屈伸運動(膝や股関節の曲げ伸ばし)

特に膝が変形してしまい、膝を曲げて歩くようになってしまった高齢者にとって、歩くために必要な筋肉です。 また、立ち上がるときには太ももの前面の筋肉を使いますが、膝や股関節をしっかりと屈伸させることで、腰を痛めずに立ち上がることができます。 この時に役立つのがハムストリングです。

また、ハムストリングは大きな筋肉ですので、鍛えることでぐっと血液の循環が良くなり、また歩く力を取り戻すことで脳が活性化すると言われています。

まずはストレッチから

まずは筋肉を伸ばすストレッチから紹介します。

1.低い台の上に足を乗せる 2.そのまま体を前に倒す 3.太ももの後ろの筋肉が伸びているのを意識しながら40秒キープ (呼吸は止めない) 4.両足を行う

ハムストリングは縮まってしまうと腰痛の原因にもなります。 トレーニングの前だけではなく、朝起きた時などに伸ばす習慣をつけるといいでしょう。

ハムストリングを鍛える

うつ伏せでやる場合》 こちらは成田きんさんが100歳を過ぎて実践した方法です。

1.足に500 g~の重りをつけておく 2.うつ伏せで寝そべり、お腹の下にクッションを入れる 3.足をゆっくりと上げる(膝を曲げる) 4. 3~5回ほど、無理のない範囲で繰り返す 5.もう片方の足も1~4を繰り返す 6. 1~5を休みを入れながら無理のない範囲で繰り返す

※太ももの後ろの筋肉を意識するように声をかけてあげてください

重りや回数は、無理のない範囲で増やしていってください。 成田きんさんは始めてからどんどんハムストリングの筋力を取り戻し、最終的には1.5kgの重りで1日800回を超えるほど行っていたそうです。

立ってやる場合

1.膝の高さほどのベッドもしくはイスの前に立つ 2.ベッドまたはイスの下の部分に、かかとをひっかけて上に向かって力を入れる (持ち上げるイメージで) 3.5秒ほどキープ 4.休みを入れながら3回ほど繰り返す

※イスなどの軽いものを使う場合には、上におもりを置いてください ※太ももの後ろの筋肉を意識するように声をかけてあげてください ※転倒しないように、体を支えてあげてください

こういった筋肉トレーニングはすぐに結果が出にくいかもしれません。 3ヵ月間は頑張って続けてみてください。