離れて暮らす家族が認知症になってしまったら、 「何か困ったことに巻き込まれていないだろうか」、 「体調管理はできているだろうか」など、心配事は尽きませんよね。
また、「お金の管理はできているだろうか?」とと心配している人も多いこでしょう。
「無駄遣いが多くなった」、「払わなくてはいけないお金を忘れてしまう」、 「何にお金を使ったのか覚えていない」という認知症のご家族をお持ちの方へ、 たとえ離れて暮らしていても財産を守れる2つの方法をご紹介します。
地域権利擁護センターを頼る
以前、安心介護内でこのような質問が投稿されました。
一人暮らしの認知症の母は 3千円以上のお金を持たせると 必ず全額紛失します 不思議なことに 財布は空っぽ1円も無くなるんです 通帳もなくなります 私は電車で1時間かかるところに住んでいるんですが 仕事もありすぐには 母のところへ飛んでは行けません 金銭等を紛失するたびに 認知症が進行しているようにも思えて、心配で 仕方ありません 何か 良いアドバイスがあればお聞かせください 引用元 介護のQ&A「一人暮らし認知症の母 お金をいつも無くす 対処方法」
これに対して、専門家から「地域権利擁護センター」の利用を勧める回答が寄せられました。
「社会福祉協議会が運営する地域権利擁護センター」と聞いても、 何をしている組織なのか、ピンと来る人は少ないでしょう。
社会福祉協議会とは、都道府県や市区町村単位に設置されている民間慈善団体です。 「地域のボランティア活動の推進」、「福祉に関する求人・求職情報の提供」、 「福祉サービス事業者の運営監視」、「福祉サービス利用者の支援」などの活動を行っています。
その社会福祉協議会が運営している「地域権利擁護センター」では、 ・医療費、公共料金など、各種支払や年金受給の手続きなどの金銭管理サービス ・貯金通帳や年金証書、実印などの重要書類の預かりサービス ・必要な福祉サービスの利用援助 等を行っています。
ただし、「本人が自分で契約を結ぶ能力のある方」がこのサービスの利用条件です。 契約の前に専門員が本人と面談をして、このサービスに申し込めるかどうかを判断します。
地域権利擁護センターの問い合わせ先は、インターネット上で 「お住まいの市区町村名」と「地域権利擁護センター」で検索してみてください。
成年後見制度を利用する
それではすでに判断力が衰え、 本人が契約を結べない場合にはどうしたらいいのでしょうか?
以前、安心介護には「認知症の親が1ヵ月に100万円使うなど、 金遣いが異常になってしまった」という相談が寄せられました。
その際に解説したのが「成年後見制度」です。
判断力がすでに無くなってしまった方や 判断力が無くなってからの生活に備えたい方の意思決定を助け、 財産や生活を守る制度です。
【成年後見制度でできること】 ・預貯金の管理や収入支出の管理などの財産管理 ・介護認定の申請や福祉サービスなどの代理申請 ・売買などの代理契約 ・判断力低下が原因で行ってしまった犯罪行為の取り消し
【成年後見制度でできないこと】 ・介護 ・遺言作成など、本人ではないとできない法律行為 ・医療の同意 ・本人が亡くなった後の葬儀などの手配
>>参考記事:認知症の家族を介護する人必見! 知らないと危険?!成年後見制度って知ってますか?
成年後見人制度は、判断能力の度合いや本人の希望などによって いくつかの種類に分かれています。
迷ってしまったら、上の地域権利擁護センターで相談に乗ってもらえます。
介護されているご家族のために、 いろいろな制度やサービスが存在しています。
うまく利用して負担を減らしながら、安心を増やしていきたいですね。