【介護漫画】思い出話で認知症ケア!「回想法」とは?~永遠の60歳!!~

女性なら年齢に関係なく、数年前の自分と現在の自分を比べて、 体力が落ちたな…… 体型が崩れたな…… お肌がくすんできたな…… などと考えることがあるかと思います。

もしずっと若くて楽しかった時間を過ごせるのならそれは素敵なことなのかもしれません。

ak_4コマ第17弾_150409-01

思い出語って認知症ケア

認知症ケアの方法に「回想法」と呼ばれるものがあります。

これは古い記憶を蘇らせることで精神を安定させ、長く続けることで認知症の予防や症状の改善が期待できる方法です。認知症などで記憶障害が進んで、数分前のことを忘れてしまっても古い記憶は残っています。

また、今回の漫画のように時間が止まってしまった方を否定したり、傷つけたりしないでできるケア方法です。

この方法は米国で始まり、日本には10年ほど前から普及しています。

家族や仲間同士でも

回想法には専門家と高齢者が1対1で向き合う「個人回想法」と、6~8人の仲間と行う「グループ回想法」の2種類があります。

回想法には、研修を受けた心療回想士という専門家がいますが、専門家がいないとできない方法ではありません。

「子どもの頃の夏休みにはどんな遊びをしていたの?」、 「中学校の頃に夢中だったものは?」、 「新婚旅行の話を聞かせて」などのキーワードを元に話をしてもらうのは、家族同士でも手軽にできますよね。

おじいちゃんの子ども時代の話を孫に聞いてもらうのもいいかもしれません。

また、昔流行した音楽を流したり、思い出の品や古い写真を飾ったりするだけでも記憶は刺激されます。

海外の介護施設には入居者の思い出を刺激するために、古い街並みを再現している介護施設もあります。

回想法のポイント

家族で思い出話を聞くだけでも十分効果的ですが、介護従事者の方はこんなポイントに気を付けているそうです。

・共感を持って話を受け入れる
・話が毎回変わっても指摘しない
・話したくないことは聞かない
・話の内容を否定しない
・話を遮らない

専門家の意見

以前、安心介護にこのような質問が投稿されました。

病院の一日が長く退屈だと思います。 好きな音楽をiPodに入れて聴いていますが、 独りでいる時に使わせるのは病院で禁じられているため、 家族か看護師がいる時だけ音楽を聴いています。 視力はかろうじて右目に残っている程度で テレビは付けても全く興味を示しません。 実家のある田舎に帰ることばかり願ってますが、母は既に他界しており、 子供たちはそれぞれ結婚して家庭があるため 誰も実家で父を看ることはできません。 また実家に一番近い施設では入所は断られ、 療養型病院も満室で入ることができません。 何かに興味を持つことができれば父もそれなりに一日を 人間らしく過ごすことができると思うのですが、今のところいい考えが浮かびません。 父のように末期が近づき寝たきり、が、 意識がしっかりしている老人たちはどのようにベッドの一日を過ごしているのでしょうか? 引用元 介護のQ&A 「寝たきり老人に好奇心を持たせるにはどうしたらいいでしょうか?」

これに対して専門家から回想法を勧める回答が投稿されました。

回想法と言って昔のことを色々思い出してもらうのも ひとつの方法です。(懐メロも昔のことが思い出せていい刺激になるかと思います) お父様の為に色々考えてあげてください。 (保有資格:介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士、ヘルパー2級の専門家) 引用元 介護のQ&A  「寝たきり老人に好奇心を持たせるにはどうしたらいいでしょうか?」

この回答に質問者の方は、このように返信をされていました。

おおお!その手がありましたね。 母の思い出話、祖父の話、祖母の話、私が子どもの頃の話、 右目がなんとか見えるので写真をいくつか持っていって 昔の話をするっていうこともできそうです。 今から、白紙の状態から新しいことをさせるのではなく、 ストックとして父の脳に残っているものを引き出してみるわけですね。 グッドアイデアです!!!ありがとうございます!! 引用元 介護のQ&A  「寝たきり老人に好奇心を持たせるにはどうしたらいいでしょうか?」

寝たきりになってしまった相手への優しい気遣いもきっとお父様を喜ばせたことでしょう。

この質問には他にも、「初めに『自分だったら』と想像したうえで、お父様の希望を聞く」といった回答が専門家から返ってきていました。

冒頭の漫画は、おたふくさんよりご応募頂いた介護エピソードを元に作成させて頂いております。漫画として分かりやすくするため内容及び設定を一部改訂させていただいております。また、応募いただいたエピソードから漫画を作成しております都合上、登場人物のキャラ設定などが都度異なることがございますが、ご容赦下さい。この漫画はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。