【介護漫画】熱中症にならない夏の散歩方法は?~ 夏の夜のおじいちゃん ~

早朝の散歩は、空気も澄んでいて気持ちのいいものです。 高齢者の方の中にも、体力づくりや認知症予防、 そして趣味として散歩を日課にしている方は大勢います。 そんな散歩好きの方には、夏の暑さは困ってしまうものですよね。 かといって、こんな対策は困りますが……。

【漫画】熱中症にならない夏の散歩方法は?<br />~ 夏の夜のおじいちゃん ~

高齢者が気をつけたい熱中症

高齢者は「暑さを感じにくい」、「体内の水分量が少ない」、 「体温の調節機能が低下している」、「我慢強い」といった理由から、 熱中症になりやすいので注意が必要です。

こんな症状が出てきたら、熱中症かもしれません。

  • たくさん汗をかく
  • とにかく喉が渇く
  • めまいや立ちくらみがある
  • 足などの筋肉がつる

こんな異変を感じたら、涼しいところに移動して、 水分や塩分を補給しながら体を冷やしましょう。

もし症状が、ガンガンする頭痛や吐き気、体のだるさにまで進行してしまった場合、 上の対応をしても改善しないようでしたら、病院を訪れましょう。

「大丈夫だから」と言われても、そばを離れないでください。

もし「意識がない(もしくはもうろうとしている)」、「体がけいれんしている」、 「まっすぐに歩けない」、「体が熱い」といったところまで症状が進行してしまったら、 すぐに救急車を呼んでください。

熱中症の予防方法は?

水分を十分にとって「暑いところにいない」というのが熱中症の予防方法です。

ただし、、家に引きこもってしまっては、汗をかかない体質になって、 余計に体温の調節機能が低下してしまいます。

散歩で汗をかく習慣は、夏の間にもぜひとも続けたいものです。

このような予防をしながら、早朝の散歩を楽しんでください。

  • 帽子をかぶる
  • できるだけ日陰を歩く
  • 汗を吸い、通気性の良い服を着る
  • 水分を持ち歩いてこまめに摂取する
  • 連絡用の携帯電話を持って行く
  • 万が一のため緊急連絡先や、かかりつけ医師の連絡先を携帯する
  • 暑い日には無理をしない →暑い日には、家の中でのストレッチなどの運動に切り替えましょう。

暑いのに「寒い」と感じる高齢者も

暑い日に「寒い」と長袖を着ていたり、 扇風機も使わない高齢者の方もいます。

以前安心介護内にもこんな質問が投稿されました。

アルツハイマー型認知症要介護2の義父。 この暑いさなか、本人は「寒い。」と言って、 綿の入った袢纏を着て、時には顔もタオルで覆っています。 ケアマネさんからも、寒がる高齢者は多いと聞いていますし、 本人が快適なら、厚着しようと構わないのですが、 心配なのは熱中症です。 引用元 介護のQ&A 「寒がることと、実際の体」

これに対して専門家の方からはこんな回答が返ってきています。

高齢になると本当にみなさん 長袖を着たがられますね(^^;; 扇風機の風なども苦手でいらしゃいます。 (中略) それと高齢者は喉の渇きがわからなくなるし、 おしっこに行くのがめんどくさいなどの 理由で水分を取ろうとされません。 なので多くの高齢者は脱水気味です。 脱水になると 幻覚が見えたり認知機能が衰えたりと 認知症の症状が進んできます。 なので1日1500mlを目標に がんばって水分補給をして差し上げて下さいね。 飲まれない時はゆるいゼリーなどにすると食べられたりします。 私たちは水分を取られない方にはスポーツ飲料を水で倍に薄めたものを ゼリーにして水分補給をしていますよ。 (保有資格:介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士、ヘルパー2級、福祉住環境コーディネーターの専門家ナナモンさん)

 

暑いと皮膚の血流が増えて体内の熱を逃がそうとするのですが、高齢者の場合だと暑くても皮膚の血流量が増えにくくなる為熱を逃がそうとする機能が劣ってしまうとの事です。逆に寒くなっても皮膚の血流量があまり減らないため、体内の熱を逃がしてしまい、体を冷やしやすくなる事もあるそうです。 (専門家kizukaさん)

 

高齢者によくある症状として甲状腺機能障害があります。 良く知られいるのはバセドウ病などです。 この病気は甲状腺の機能が以上に高くなってしまい 動悸息切れ体温の上昇等、通常の生活をしていても 全速で運動しているような状態になってしまう病気です。 この真逆で、甲状腺機能低下症というものもあります。 症状は全く逆で、体温の低下や脈拍の減少、 倦怠感などが多く見られます。 アルツハイマー病の方が様々な症状、言動など 通常では考えられないような事が起こるのも確かですが どのような言動にも必ず根拠があります。 ご心配であるなら、速やかに主治医に相談し、 受診、検査、治療を行われることをお勧めします。 (専門家うだまさん)

 

気温が高いのに「寒い」と感じる高齢者は多いようなので、 水分をしっかりと補いながら、本格的な夏が来る前に 一度病院で検査をしてもらうとよさそうですね。

 

 

冒頭の漫画は、nappaさんよりご応募頂いた介護エピソードを元に作成させて頂いております。漫画として分かりやすくするため内容及び設定を一部改訂させていただいております。また、応募いただいたエピソードから漫画を作成しております都合上、登場人物のキャラ設定などが都度異なることがございますが、ご容赦下さい。この漫画はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。