ユニークな介護施設 カジノや農作業、ワインを飲む“男の社交場”も

ユニークな介護施設 カジノや農作業、ワインを飲む“男の社交場”も

デイサービスでは認知機能向上や健康促進のためのレクリエーション、入浴、食事などを行います。その他、口の中の健康を保つための口腔清掃方法の指導をしてくれるところや、リハビリを行っているところもあります。

ディサービスに行く目的は、お年寄りの心と体の機能維持と回復のため、引きこもりがちなお年寄りが他の人と交流を持つため、そして、家族の介護の負担を減らすためなど、人や状況により様々です。

最近では利用者のニーズに合わせて、ユニークなサービスを提供するデイサービスも増えてきました。本日はそんな一例をご紹介します。

脳に刺激!カジノのようなデイサービス

ラスベガスといえば、アメリカの有名なカジノ街です。そんな街の名前を持つこのデイセンターでは、麻雀やスロットのほか、バカラやブラックジャックなどの本格的なゲームを楽しめます。

デイサービス LAS VEGAS

(出典元:デイサービスLas Vegas)

もちろん本当のギャンブルではないので、現金のやりとりはありません。かけるのは、利用者がストレッチなどに参加するともらえる、架空通貨の「ベガス」です。 「うれしい!」や「くやしい!」を感じること、指先を動かすこと、計算をすることを通して、脳に刺激を与えるのが目的です。

「行きたい!」と思えるデイサービスにしたいというのが、運営会社の思いです。現在、足立店・横浜都筑店・上尾店・浦和美園店の4ヵ所で運営されています。※2015年2月現在

>>外部サイト:デイサービスLAS VEGAS

利用者の人生経験を活かしたプログラム「人生の現役養成」

熊本県八代市にあるシラサギデイサービスセンターでは、「人生の現役養成」をキーワードに、体育大会や社交ダンスプログラム、バーを設置して利用者やその家族などに開放しているほか、利用者の経験を活かせる以下のプログラムを設置しています。

利用者が裁縫して作った作品を販売する「ブティックシラサギ」

シラサギデイサービスセンター (ブティックシラサギ分)

(出典元:ブティックシラサギ)

商品の売り上げは、新たなプログラムのための資金として活用されるそうです。

無農薬野菜を育てることで「現役」として自立し、家での生活を続けられる「生活力」を鍛える

シラサギデイサービスセンター (JAシラサギ分)

(出典元:JAシラサギ分)

長年の経験から完全無農薬で防虫をし、土や肥料も作っているそうです。収穫した野菜はその日のうちにセンターの食卓に並ぶほか、豊作の時には販売も行っています。

その他にも、同センターでは、利用者にもできるお仕事を募集しています。利用者が「現役」として自立し、家での生活をできるだけ長く続けられる「生活力」を鍛えるデイサービスです。

>>外部サイト:シラサギデイサービス(株式会社シラサギ)

定年退職した5人の男性が立ち上げた “男の社交場”

杉並区荻窪にある「松渓ふれあいの家」のユニークなところは、立ち上げたのが定年退職後の5人の男性というところです。

デイセンターでは「男がつまらなそうにしている」、「無理やり童謡を歌わされていた」などの光景を見て、「我々を年寄りとしてではなく、一個の人間として尊厳をもって付き合うべきだ」と、自分たちが通いたいデイサービスを立ち上げたそうです。

松渓ふれあいの家(出典元:松渓ふれあいの家)

午前中はリハビリ体操や頭の体操などを行い、5の付く日にはワインもしくはジュースが昼食前にふるまわれます。 そして午後には「趣味の時間」があるのですが、この時間の一番人気は「麻雀」だそうです。片手でしかできない人や初心者の方にも気楽に参加できるように工夫されているといいます。また、パソコンを使って、自分史を書いている方もいるそうです。

この施設は杉並区立松渓中学校の一角にあることから、利用者が中学校の体育祭や文化発表会に参加し、子供達との交流も図っているようです。

>>外部サイト:高齢者在宅サービスセンター 松渓ふれあいの家