ポータブルトイレのレンタルと購入の費用は?

ポータブルトイレのレンタルと購入の費用は

トイレまでの移動が難しい場合に便利な福祉用具と言えばポータブルトイレです。介護保険を使ってレンタルすることはできませんが、特定福祉用具として1割から3割の自己負担で購入が可能です。購入方法と価格・費用について解説します。

 

 

レンタルできないポータブルトイレ

残念ながらポータブルトイレは介護保険でのレンタルができないものとなっています。直接肌が触れるものですし、排泄物を処理するものでもあります。衛生面から、レンタルして使うことはふさわしくないというのがその理由です。

同じ理由で入浴用品や特殊尿器の交換部品、介助用リフトの吊り具などは、介護保険を使ってのレンタルができないことになっています。

特定福祉用具は介護保険で購入が可能

じゃあ全額自己負担で購入しなければならないの?とお思いかもしれませんが、そうではありません。ポータブルトイレは「特定福祉用具」に該当します。特定福祉用具に当てはまる場合、介護保険の自己負担のみで購入することができます。

ポータブルトイレ



引用元:aronkasei.co.jp

自己負担の割合はその方の収入によって異なりますが、通常は1割負担、一定以上の所得がある方は、所得に応じて2割または3割負担となります。

購入方法は自治体によって異なりますが、一度全額を支払って購入し、自己負担を除いた金額が後から償還されて戻ってくる「償還払い」という購入方法が一般的です。

特定福祉用具の購入には1年間(4月から翌3月まで)で上限が10万円と決まっていますのでご注意ください。例えば10万円のポータブルトイレを自己負担割合1割の方が購入した場合、9万円が後から戻ってくることになります。

10万円を超えた分については全額自己負担となります。これは、ポータブルトイレ以外の入浴補助具なども含まれます。10万円のポータブルトイレを購入したら、その年度はその他の特定福祉用具は全て自己負担で購入しなければなりません。

いくらぐらいで購入できる?

ポータブルトイレは、素材や機能によって価格が変わってきます。合成樹脂製のシンプルな作りのものであれば1万円代から購入できます。木製で家具調の作りのものはお値段も高くなり、3万円代から、と言ったところです。

ポータブルトイレ木製

引用元:aronkasei.co.jp

さらに、自動で排泄物を密封できるなど高機能の製品についてはより高額となり、10万円を超えるものも珍しくありません。水道工事をして利用する水洗型のポータブルトイレ(30万円台から)もあります。

どこで購入できる?

ポータブルトイレの購入をする場合は、福祉用具の販売を取り扱う事業所にご相談ください。ホームセンターやインターネットなどでも購入は可能です。

介護保険を使って特定福祉用具として購入する場合は、特定福祉用具販売の指定を受けた事業者から購入しなければなりません。指定を受けていないところから購入した場合は全額自己負担での購入となってしまいますから十分ご注意ください。

特定福祉用具販売の指定を受けた事業所の店舗があれば、実際の品物を見ることができます。種類も多くありますから、実物を見てから決めたい方はお店に行かれるとよいでしょう。

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まとめ

ポータブルトイレを特定福祉用具として購入する場合は、購入できるところが限られるため注意が必要です。購入をご検討の方は、まずはご担当のケアマネジャーさんにご相談ください。

>>ポータブルトイレ (持ち運びトイレ)とは 選び方と利用方法
>>ポータブル トイレの処理方法
>>特定福祉用具販売 とは 特徴と使い方

【この記事の監修者】

中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ

中村 静江

1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。