玄関の手すり種類と選び方

玄関の段差の上り下りが大変と感じる方にとって、玄関用の手すりは非常に有用です。足腰への負担の軽減だけでなく、転倒防止にも役立ちます。

今回は玄関用手すりの種類や選ぶ際のポイント、また購入やレンタル時の介護保険の適用範囲についてもご紹介します。

玄関の手すりの種類

足を上げ下げしたり、身体のバランスをとる必要のある玄関のあがりかまちは、足腰の弱った方にとって大変な場所です。靴の着脱で体をかがめたり重心を移動させたりするため、転倒事故の発生する危険も高くなっています。

玄関の手すりを設置することで、足腰への負担を軽減し、段差の上り下りをサポートすることが可能となります。

ただし、玄関用手すりは設置する箇所によって種類が分かれており、あがりかまち用とそれ以外のものに大別されます。それぞれの特性を把握し、使用条件に適したものを選ぶことが大切です。

あがりかまちに設置する

あがりかまち用の手すりには、いくつかの設置方法があります。例えば、台座が付いていて玄関に置くだけで使用できる据置式や、段差の出っ張り部分に固定するタイプです。玄関の大きさなどに合わせて選ぶことができます。

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引用元:sk-shikoku.co.jp

さらに、左右両側に手すりのついた両手用と、片側だけに手すりのついた片手用があります。段差の大きい玄関には、段差の高低差を小さくできるステップ付きのタイプが便利ですよ。

あがりかまち以外に設置する

あがりかまち以外で玄関内での動作に不安のある場所に設置します。工事などによって壁に取り付けるタイプは、使用者にとって適切な高さで設置することができます。

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引用元:sk-shikoku.co.jp

壁などに穴を開けることができない場合には、突っ張り棒のように床と天井で固定する垂直型の手すりもあります。

玄関の手すりの選び方

玄関の手すりを選ぶ際のポイントは以下の2点です。

・玄関でのどのような動作に不安があるか
・手すりの大きさや設置方法は適切か

玄関での動作の中では、あがりかまちの上り下りのほかにも、靴の着脱や靴を履いて外へ出るまでの移動など、足腰の弱い方にとって困難な動作があります。

玄関でのどんな動作に不安があるのか考えた上で、その動作にあった適切な手すりを選ぶ必要となってきます。例えば、あがりかまち以外での補助も必要と思われる場合には、工事で設置するものも検討しましょう。

また、サイズが適切であることも重要となります。使用者の背丈や玄関の広さに合っているかを確認しましょう。あがりかまち用の手すりの場合は、使用するあがりかまちの高さに対応しているかのチェックも必要です。

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引用元:healthrent.duskin.jp

手すりが握りやすい太さであるかどうかを確認しておくとなお安心です。円柱型や角ばったものといった形状の違いや、木製や金属製といった材質の違いもあるので、利用者が快適に使えるものを選んでくださいね。

介護保険を使ってレンタル・購入はできる?

取付に工事の必要のないタイプの手すりであれば、介護保険を利用してレンタルを行うことが可能です。玄関の手すりの購入には介護保険を利用することができません。

玄関の手すりへの介護保険の適用範囲は、要支援1・2の方、要介護1~5の方となります。工事のいらない据置型や突っ張り棒のようなタイプの手すりなどが対象で、レンタル料の1割負担(一定以上の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割)で借りることができます。

工事をする場合には、介護保険が使える住宅改修(リフォーム)がありますので以下の記事を参考にしてみてください。

>>介護保険が使える住宅改修(リフォーム) 特徴と活用方法

玄関の手すりのメリットと注意点

玄関の手すりには、身体が不自由な人の転倒予防や、玄関内での動作が楽になるといったメリットがあります。

玄関は外出する際に通る場所であり、玄関の利用に困難を感じると外出が億劫になって、家にこもりがちになることも多いです。手すりをつけて玄関への不安が軽減されれば、より気軽に外へ出られるようになるでしょう。

玄関の手すりの注意点としては、なによりも利用者の身体と、玄関に合ったものを選ぶことが挙げられます。

手すりの大きさをよく確認しなければ、手すりがかえって邪魔になるなんてこともあります。もし可能であれば、購入やレンタルの前に利用者と一緒に実物を見に行ってみてください。

>>高齢者向けの「手すり」 種類と選び方
>>玄関の介護リフォーム
>>福祉用具貸与(レンタル)とは 特徴と活用方法

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【この記事の監修者】

中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ

中村 静江

1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。