- 車椅子の費用を抑える
- 中古の車椅子を購入する方法とは
- 中古の車椅子を購入するときの注意点
- 「中古車椅子の購入」と「車椅子のレンタル」の違いとは?
- 中古の車椅子購入orレンタル、はじめての方はどっちがよい?
車椅子の費用を抑える
家族の介護をしていると、車椅子が必要となるケースも多くあります。そこで気になるのが車椅子にかかる費用。新品の車椅子を購入する場合、タイプにもよりますが数万円、中には10万円以上するものもあります。
意外と大きな出費なので、なんとか車椅子にかかる費用を抑えたいという方も多いはず。車椅子の費用を抑えるには、一般的には介護保険を使って車椅子をレンタルする方法が主流です。
ただし最近ではレンタル以外にも中古の車椅子を購入するケースもあります。「レンタルにしようか、中古の車椅子を購入しようか悩む…」という方も多いのではないでしょうか?
そこで中古の車椅子を購入するときに注意したいポイントとあわせて、レンタルとの違いを解説します。
中古の車椅子を購入する方法とは
中古の車椅子を購入するには、まず介護用品を扱うリサイクルショップで探すことになります。(ネット通販を行っているリサイクルショップもあります)ただしまだ中古の介護用品を扱うところが少ないのが実状です。
ほかにも、個人の方が使用しなくなった車椅子を「ヤフオク」などのネットオークションサイトを通じて購入したり、「ジモティー」などのネットフリマサイトを使って購入したりすることも可能です。
中古の車椅子を購入するときの注意点
中古の車椅子を購入するときは、新品と違いいくつか注意点があります。最低限確認しておきたいポイントを3つご紹介します。
故障や付属品、汚れなど中古の車椅子の状態を確認する
中古品のため、一部の機能が故障していたり、マニュアルや部品などが不足していたりする可能性も。そのまま利用すると大きなトラブルになることもあります。
店頭で購入する場合は、こうしたポイント購入前に確認しておきましょう。汚れや破損などについても可能な限り確認しておきたいところです。
返品・交換について確認する
中古の車椅子を購入する場合、状態にもよりますが返品や交換を受け付けないというのが一般的です。インターネット経由で購入する場合は、現物を見ないまま購入するため慎重に検討する必要があります。
ネットオークションなどで個人の方から中古の車椅子を購入する場合も、基本的に返品できないため注意しましょう。
車椅子の選択肢が少ないことを認識する
車椅子はさまざまな種類があり、使う方の状況や利用したいシーンによって選ぶことが重要です。ただし中古の場合、まだまだ出回っている車椅子の数が少ないのが現状。そのため合わない車椅子を選んでしまうことも。
合わない車椅子を選んでしまうと、介護する側の負担も大きくなってしまいますので注意が必要です。中古の車椅子は価格が安いという点は魅力的ですが、選択肢が少ないことを認識しておく必要があります。
中古だけに限定して探すのではなく、新品やレンタルも含めて探すというのが現実的です。
「中古車椅子の購入」と「車椅子のレンタル」の違いとは?
(1)介護保険が利用できるかどうか
車椅子をレンタルした場合は毎月コンスタントに費用がかかりますが、介護保険を利用できるケースがあります。(要介護度など、いくつか条件があります)
介護保険を利用できれば、費用負担は1割、一定の所得がある方は、所得に応じて自己負担割合が2割または3割ですみます。車椅子のタイプによってレンタル費用は変わりますが、シンプルなタイプでなら介護保険を利用して、1割負担で月額500円程度でレンタルできるケースもあります。
一方で車椅子の購入では、新品・中古ともに介護保険は基本的に使えません。「中古の車椅子のほうが安く手に入る」と考えがちですが、介護保険を使った場合のレンタル費用と比較検討することをおすすめします。
(2)専門家のサポートを受けられるかどうか
車椅子をレンタルする場合は、車椅子や介護に詳しい業者の方が使用方法をレクチャーしてくれたり、定期的な状況確認をしてもらえたりすることも多くあります。そのため初めて利用する方でも安心です。
また、使っているうちに状況が変化して他のタイプの車椅子に変えたいというケースもよくあります。こうしたときも業者の方が相談に乗ってくれるというメリットがあります。
一方中古の車椅子を購入する場合、こうしたサポートはついていないのが一般的です。特に個人間で車椅子を売買する場合、一切アフターケアはありません。この違いを認識しておく必要があります。
中古の車椅子購入orレンタル、はじめての方はどっちがよい?
中古の車椅子は安く手に入るメリットはありますが、選べる種類が少なかったりサポートが受けられなかったりするなど、注意したいポイントが多くあります。
またインターネット経由で購入する場合、中古の車椅子がどんな状態で売られているか詳しくチェックできないという点も気になります。
車椅子をはじめて選ぶ介護者の方にとっては、中古の車椅子を購入するよりもレンタルからはじめたほうがおすすめ。専門家に相談できたり、あとから他のタイプに変更できたりするためです。
>>車椅子 とは 選び方と入手・レンタル方法
>>初めて 車椅子の介助 をする時の注意点
>>福祉用具貸与(レンタル)とは 特徴と活用方法
【この記事の監修者】
中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ
1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。