玄関の段差を解消することにより、転倒予防、行動範囲が広がるなどのメリットが得られ、寝たきりの予防につながります。段差を解消する方法や購入方法などについて見ていきましょう。
玄関の段差を解消するメリット
転倒予防
玄関の段差は20cm以上ある場合もあり、段差でバランスを崩し転倒してしまうことがあります。骨折などのけがをすると、寝たきりになる可能性があるため、段差を解消することは大切な事です。
行動範囲が広がる
自分の力で玄関の段差を越えることができると、外出できるなど行動範囲が広がります。外に出て歩いたり、他の人とコミュニケーションを取ることにより、認知症や寝たきりの予防につながります。
膝や腰への負担を軽減する
段差の昇り降りは、膝や腰の負担となります。ステップや手すりがあることにより、膝や腰への負担を軽減することができます。
段差を解消する用具について
玄関の段差を解消する用具の設置には、工事が必要なものと不要なものがあります。特徴や設置方法について見ていきましょう。
手すり付き玄関台
手すり付き玄関台とは、手すりと台が一体となったものです。手軽に設置できることに加え、手すりにつかまって昇り降りすることができるため転倒予防につながります。
段差解消ステップ
段差を解消するための台の事です。この台を置く事により、昇り降りが楽になります。玄関の壁などに手すりがある場合は、こちらがお勧めです。
玄関用手すり
玄関に手すりを付けると、段差を昇り降りする時に役に立ちます。手すりに捕まる事により、バランスを崩す心配が軽減し、転倒予防につながります。
段差解消用具を購入、レンタルする
手すりの設置や段差解消ステップなどを使用する場合、介護保険制度を利用することができます。要介護認定を受けていることが条件となります。
住宅改修の場合
取り付け工事が必要な手すりの設置は、介護保険サービスの中の住宅改修の給付で取り付けることが可能です。改修にかかる費用の1割が自己負担となります。ただし、所得が一定以上の場合は、所得に応じて2割または3割負担です。利用限度額は年度内で20万円です。取り付ける際は、介護保険課に事前申請が必要となるため、お住まいの市区町村またはケアマネジャー等にご相談するといいでしょう。
レンタルの場合
工事不要の段差解消ステップや手すり付き玄関台などは、福祉用具貸与の対象となります。介護保険制度を利用するとレンタル料金の1割(一定以上の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割)が自己負担となり、1月400~600円程度でレンタルすることができます。
購入の場合
自分で手すりを付けたり、段差解消ステップなどを購入する場合は自費となります。福祉用具を扱う店やホームセンターなどで購入することができます。
使用時の注意点
玄関に手すりを設置したり、段差解消ステップなどを置く事により転倒予防になります。しかし、転倒の危険性がなくなったわけではありません。使用上の注意点について見ていきましょう。
しっかりと固定する
手すりや段差解消ステップが動かないようしっかりと固定する必要があります。手すりを支えに段差を上がる時、段差解消ステップに乗った時にずれたり動いたりしてしまうと大変危険です。
見守りする
段差解消ステップなどを設置しても、転倒する可能性はあります。足元が不安定な場合は、見守りや介助をするようにしましょう。
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【この記事の監修者】
中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ
1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。