段差解消スロープとは
室内で使用する段差解消スロープは、主に敷居などの小さな段差などを解消するためのものです。このスロープは室内での車椅子での移動を可能にする、転倒予防によるけがを予防するなどの役目があります。
小さな段差を解消する
高さは15mm程度から80cm程度まで対応し、幅に合わせて切って使用することができるようになっています。また、コーナーに適したものもあるため、段差に合わせて使用することが可能です。
素材について
室内で使用する段差解消スロープは、つまずいても怪我をしにくい柔らかい素材でできたものや、床の色になじむような木目調の物など様々な種類があります。
段差解消スロープ設置のメリット
段差を解消することにより、様々なメリットがあります。メリットについて詳しく見ていきましょう。
転倒予防
高齢になると、小さな段差でもつまずき転倒する可能性があります。その段差を解消することにより、転倒の危険性を軽減することができるのです。
車椅子が移動しやすくなる
車椅子を必要とする場合、小さな段差でも移動の妨げになります。段差を解消することにより、行動範囲が広がり、介護者の負担の軽減にもつながります。
寝たきり予防になる
歩行や車椅子などにより、自分の力で移動できると、行動範囲が広がります。行動範囲が広がると自分でできることが増え、結果として寝たきりの予防につながります。
設置の注意点
室内の段差を解消しつまずきを予防するために、段差解消スロープを適切に設置しましょう。
素材を選ぶ
目的に応じた素材の段差解消スロープを選びましょう。例えば、車椅子を使用する場合は、車椅子に対応しているものを選びましょう。他にも、柔らかい素材のものは、つまずいてもけがをしにくいためお勧めです。
段差や幅を合わせる
段差の高さを測り、ちょうど良い高さのものを準備します。少しでも段差があると、つまずきやすくなるため注意が必要です。また、幅も合わせるようにしましょう。
しっかりと固定しましょう
設置した段差解消スロープが動くと大変危険です。動かないようしっかりと固定する必要があります。両面テープやネジなどで固定するものがあるので、取扱説明書をよく読み固定しましょう。
段差解消スロープを設置する場合の費用
介護保険制度を利用して段差解消スロープを設置する場合は、住宅改修と福祉用具貸与が適応になります。利用するための条件として、被保険者証を持ち、要介護認定されていることが必要となります。それぞれにかかる費用について見てきましょう。
住宅改修する場合
住宅改修によって手すりの設置や段差の解消の目的でスロープを設置する場合、住宅改修費の適応となります。支給限度額は20万円までで自己負担は1割(一定以上の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割)になります。工事にて段差解消スロープを設置する場合の自己負担額は、1カ所1,000円程度となります。
レンタルする場合
室内用の段差解消スロープは、福祉用具貸与の対象となりレンタルが可能となります。自己負担額はレンタル料金の1割(一定以上の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割)となり、1つの段差解消スロープのレンタル自己負担額は、1割負担の場合で1月50円程度となります。
購入する場合
段差解消スロープを購入する場合は、介護保険制度の適応外となります。そのため、全額自己負担となるため注意が必要です。購入場所は、福祉用具を扱っているお店やホームセンター、ネット通販などがあります。
>>介護用スロープ の利用方法と選び方
>>介護を行うための住宅環境整備
>>介護用品と福祉用具の違い
【この記事の監修者】
中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ
1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。