簡易車椅子とは?

簡易車椅子とは、標準的な車椅子と異なる特徴を持った製品です。その特徴やメリット・デメリット、注意点について説明していきましょう。

 

 

簡易車椅子の特徴

外出や移動先で便利な簡易車椅子

簡易車椅子は、買い物や通院など、外出する時だけ車椅子を使うという方に便利です。また、旅行の場合は普段より歩く距離がどうしても長くなりますので、このような場合にも便利です。

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引用元:scrio.co.jp

簡易車椅子の重量やサイズ

簡易車椅子の重量は、8~10kg程度という製品が多くなっています。

サイズは使用時と折り畳み時で異なります。
使用時のサイズは、幅45~55cm、長さ90~100cm、高さ80~95cmの製品が多くなっています。

また折り畳み時のサイズは、幅22~30cm、高さ55~80cmの製品が多くなっています。長さは35cm程度にたためる製品と、65~75cm程度必要な製品に分かれます。

標準的な車椅子との違い

簡易車椅子が標準的な車椅子と異なる点として、コンパクトにたためることが特徴です。専用の収納バッグが用意されていたり、キャスター付きバッグのように使える製品もあります。

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引用元scrio.co.jp

素材は持ち運びを考慮して、アルミなどの軽量素材を使っている製品が多くなっています。

コンパクトに収納することを重視したため、簡易車椅子の座面の幅は35~40cm程度となっています。標準的な車椅子の座面は40~42cmですので、これよりも狭くなっている製品もあります。購入時に確認してください。

また、キャスターも4×6インチと、標準的な車椅子の6×8インチよりも小さい製品も少なくありません。

簡易車椅子のメリット・デメリット

簡易車椅子はその特徴から、メリットとデメリットの両方があります。それぞれについて説明していきましょう。

簡易車椅子のメリット

簡易車椅子のメリットは、持ち運びに優れていることです。軽量でコンパクトにたため、大きな袋があれば、袋に入れて持ち運びも楽にでき、車のトランクにも入ります。専用の収納バッグが付属する製品もあります。

またコンパクトにたためる簡易車椅子は場所を取りませんので、保管も容易にできるでしょう。

簡易車椅子のデメリット

簡易車椅子のデメリットは、コンパクトにたためることを追求したため座面の幅が狭くなりがちなことです。標準的な車椅子と比べて15%程度も狭い場合があり、この場合は座っていて窮屈に感じます。

このため、簡易車椅子は長い時間の使用には向きません。あくまで短時間、または一時的な使用に向いているといえるでしょう。自宅で使う場合には、標準的な車椅子を使うことが望ましいといえます。

キャスターも標準的な車椅子よりも小さいため、乗り心地は悪くなります。そのため、車椅子を押しにくいと感じる場合もあります。

簡易車椅子の注意点

簡易車椅子を利用する上では、いくつか注意しておきたいことがあります。この点について説明していきます。

使用上の注意点

簡易車椅子は、標準的な車椅子よりも折りたたむ場所が多い場合があります。そのため使用時に組み立てる際はけがを防止するため、折りたたんでいた箇所が中途半端に広げられていないか確認しましょう。

また簡易車椅子は、長時間の利用には適していません。一日中ずっと簡易車椅子で過ごすと疲労が大きくなりますので、この場合は標準的な車椅子の購入またはレンタルをご検討ください。

持ち運ぶ際の注意点

簡易車椅子は標準的な車椅子よりも軽量ですが、それでも8~10kg程度と、かなりの重量があります。持ち運びの際は腰や背中を痛めないように注意が必要です。

またキャスターで転がして持ち運べる簡易車椅子は二輪のため、普通のキャスター付きバッグよりも小回りが効きません。そのため引っ張って持ち運ぶようになりますので、通行人の足を引っ掛けないように注意しましょう。

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【この記事の監修者】

中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ

中村 静江

1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。