リハビリパンツ の種類と選び方

自分の力で排尿するということは、自尊心を保つことや自立につながる大切なことです。 リハビリパンツ を使用することにより、排泄の自立や日常生活動作の拡大につながることが期待されます。これから リハビリパンツ の選び方や特徴について詳しく解説していきます。

リハビリパンツの種類と選び方

リハビリパンツ が適している人

リハビリパンツ は、いつもはトイレで排尿しているが時々間に合わない人や、尿意はあるが失禁してしまう人などに適しています。具体的に見てみましょう。

時々尿漏れがある人

いつもはトイレで排尿できるが、時々尿が漏れてしまう人に適しています。ナプキンや尿取りパットで対応できる場合もありますが、尿漏れの頻度が少なくなるまでは リハビリパンツ の方が安心して使用できるでしょう。

尿意はあるが自力でトイレに行けない人

歩行が不安で自力でトイレに行けない人は、介助がなければ尿意があっても失禁してしまいます。尿意に合わせて介助が必要になりますが、間に合わなかった時のために リハビリパンツ を使用します。

脳梗塞のリハビリのため

脳梗塞で麻痺があるとおむつを使用することが多くなります。しかしリハビリが進み、トイレでの排泄ができる段階となった時に、 リハビリパンツ へ変更します。さらにADL(日常生活動作)が拡大するように支援していきます。

リハビリパンツ の選び方

リハビリパンツ を使用する場合は、失禁の原因や排尿状態を把握し選ぶことが大切です。尿失禁の頻度が高い場合はおむつ、少量の尿漏れの場合は失禁パンツの使用が適しているでしょう。

リハビリパンツ の特徴

パンツの形状をしており、上げ下げがしやすいよう工夫されています。尿を吸収する部分があり、尿漏れの量に応じて選ぶことができます。数回分の尿漏れを吸収でき、消臭機能付きのものもありますが、汚れたら交換するようにしましょう。

 リハビリパンツ とは?エリエール
引用:elleair.jp

失禁パンツとの違い

失禁パンツは布でできており、尿を吸い取る部分が厚く補強されているものです。一方、 リハビリパンツ は紙でできており、排尿が間に合わない場合に対応するためのものです。 リハビリパンツ の方が吸収性に優れていると言えます。

選び方のポイント

まずは使用する人の排尿状態をしっかりと把握しましょう。どのような状況で尿漏れがおこるのか、尿漏れの量、夜間の排尿状態などを考慮して選ぶと良いでしょう。自分で上げ下げしやすいか、サイズが合っているかも重要です。

介護者の関わり

リハビリパンツ の使用により、排泄の自立やADLの拡大が理想です。そのため介護者は、見守りを基本とし、失敗しても叱らないことが大切です。転倒などの危険がないように配慮し、出来ないところを手伝うようにして自立を促しましょう。

リハビリパンツ のメリット・デメリット

リハビリパンツ を使用することにより、自尊心が保たれる事や自立心が養われるなどのメリットがありますが、デメリットについても見ていきましょう。

メリットについて

自分で排尿できるということは、自信につながり自立心が養われます。また、 リハビリパンツ は数回分の尿漏れにも対応しているため、失敗を気にせずトイレに行くことができます。トイレへ行くという行動もリハビリの一つです

デメリットについて

尿を吸収する面が蒸れやすいため、かぶれやかゆみが出る可能性があります。吸水性があり数回分の尿を吸収できますが、尿漏れを放置すると、においやすく清潔が保たれないため、こまめに交換する必要があります。

リハビリパンツ の購入について

リハビリパンツ は介護保険の適応とならないため、自費で購入することになります。しかし、医師が必要と認めた場合、医療費控除の対象となるため申告すると税金の一部が戻ってきます。

>>医療費控除とは

【参考】
>>介護用 防水シーツ の種類と選び方
>>おむつを外してしまう場合の対処法
>>おむつのつけ方
>>大人用おむつの使い方
>>大人用おむつ とは 種類と選び方

【この記事の監修者】

中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ

中村 静江

1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。