補高便座 のレンタルと購入の費用は?

シニアになると脚の筋肉が弱り、膝やその他の関節にも負担がかかるため、トイレでの座ったり立ったりする動作が辛くなりがち。そこで負担軽減のため、補高便座を使ってみましょう。介護保険での購入やレンタルが可能か、費用のことなど、様々な情報をご紹介します。

 

補高便座で、辛い立ち座り動作を楽に

あると便利な 補高便座 の役割を知ろう

年齢を経ると、誰しも下半身の筋肉が弱ってきます。するとトイレでの立ち座りに時間がかかり、排泄で失敗してしまうことにもつながりかねません。そんな時動作の負担軽減をしてくれるのが、 補高便座 なのです。

補高便座とは便座の上に置くだけで座面を高くできるもので、工事も不要です。すぐに不具合を解消できるので、家のトイレの座面がもう少し高かったら楽なのにと思っている方は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょう。

和式トイレの場合は、便器の上に設置するだけで洋式トイレになる簡易設置式洋式便座というものもあります。
>>和式トイレを洋式に できる簡易設置式洋式便座の レンタル と購入の費用は?

補高便座 のレンタルと購入の費用は?
出展:ダスキンヘルスレント

補高便座を購入するための費用はどのぐらい?

レギュラータイプの補高便座なら1万円台からありますので、介護保険を利用すれば、費用は原則として1割負担の1,000円台で済みます。一定以上の所得がある方は、2割または3割負担です。

補高便座には座った時のショックを和らげるソフトタイプもありますが、価格はレギュラータイプとあまり変わりません。ジェル素材で柔らかいタイプも同様で、1割負担なら1,000円台で購入が可能です。

補高便座を使って欲しいのはこんな人

腰部脊柱管狭窄症にかかった人は脚に力を入れられず、腰かける動作に不具合を感じることが多いもの。また、リウマチにかかった人は脚が曲げづらいため、やはりトイレでの立ち座りには不安を覚えているはずです。

リウマチなどの病気以外でも、経年で関節軟骨が摩耗し膝に痛みがある人や、脚の筋肉が弱って関節に負担がかかりやすい状態の人も立ち座りがスムーズにいきません。トイレに行くことがおっくうにならないよう、補高便座を検討してみて下さい。

介護保険で補高便座の導入を

補高便座は介護保険の適用は可能?

補高便座を導入する際、介護保険の特定福祉用具販売を利用できます。ただし対象となる種目の購入は、原則的に毎年4月1日から翌年3月末日までの1年間で10万円までとなります。限度額を超えると、自己負担となります。

ただし設置した補助的な便器が壊れた場合や、症状が悪化したなどの理由で使い道が異なる場合など、ケースによっては購入が認められる場合もあります。不明な場合はケアマネジャーに相談してみましょう。

補高便座を使うにはレンタル?それとも購入?

補高便座のような排泄に関わる用品は、基本的にレンタルはなく、購入となります。そのため介護保険を利用するにあたってもレンタルという扱いではなく、購入費用の補助という扱いになります。

どんな福祉用具が購入できますか?負担が重くなる在宅介護に備えたいです。 - 介護の専門家に無料で相談「安心介護」介護の基礎知識

介護保険を利用する際の条件

補高便座の購入に介護保険を利用するには、あらかじめ介護認定がおりている必要があります。原則として要介護2であることが条件となりますが、要支援1や2、要介護1の場合は、利用者の状態によっては一定の手続きの上で利用できるので、まずは自治体や担当ケアマネジャーに相談してみて下さい。

>>福祉用具貸与(レンタル)とは 特徴と活用方法

補高便座導入の前に知っておきたいこと

種類によって異なる費用を把握して

お尻の筋肉が痩せて便座からずり落ちてしまうほどの人には、便座の穴を一回り小さくする補高便座もあり、数千円で購入が可能です。また、ウォッシュレットがついたタイプもありますが費用は高く、9万円台となります。

立ち座り動作に介助が必要なほど動作に問題がある人向けには、電動昇降で動作を補助するタイプもあります。ただしこのタイプはかなり費用がかかり、約7~11万円みておいた方がよさそうです。

自治体の補助も調べてみよう

補高便座のような福祉用具は、自治体によっては購入に対して助成制度がある場合があります。リフォームなどに補助金が出る高齢者住宅改修費用助成制度が利用できるか、あらかじめ自治体に問い合わせてみましょう。

補高便座のデメリットも知っておこう

補高便座にもデメリットがあり、座面が高くなることで蓋が閉まらなくなること、子供など背が低い家族が座りづらくなることが挙げられます。家族と共用するトイレの場合、使用後は外すことも検討する必要があります。

最後に

ここまで説明してきたレンタル費用や購入価格は、あくまで一例となっています。

福祉用具・介護用品を選ぶ際には、福祉用具の専門員(福祉用具専門相談員)や
専門ショップの店員さんに相談したうえで選ぶといいでしょう。都道府県の指定外の事業者から購入した場合は、たとえ保険給付対象のものでも、介護保険給付の対象とはならず、自己負担となるのでご注意ください。

介護保険制度を利用したサービスについては、各市区町村で異なる場合があるので
ケアマネジャーや介護保険担当窓口で事前にご確認すると安心です。

ケアマネジャーのいない方は、地域包括支援センターや自治体の高齢者窓口、
社会福祉協議会に問い合わせをしてみてください。

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【この記事の監修者】

中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ

中村 静江

1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。