和式トイレを洋式に できる 簡易洋式便座 とは?

年齢と共に使うのが辛くなるのが、しゃがまなくては使えない和式トイレ。工事不要で 和式トイレを洋式トイレ に変える、 簡易洋式便座 を設置してみませんか?種類と選び方、介護保険を使えるかなどの情報を知って、早めに不具合を解消しましょう。

 

簡易洋式便座 とはどんなもの?

工事不要で 和式トイレを洋式トイレに

誰しも年を取ると、和式トイレにしゃがむ動作がおっくうになります。脚に不具合があったり、膝に痛みがあったりすればなおさら。排泄に関して辛い思いをしないために、ぜひ 簡易洋式便座 を検討してみて下さい。

簡易洋式便座 とは和式トイレに置くだけで、洋式トイレに変えることができる便座です。「簡易設置式洋式便座」とも呼ばれ、工事不要なので設置費用も安く、すぐに使えるのもうれしいポイント。さっそくその種類や選び方を見てみましょう。

和式トイレを洋式に できる  簡易洋式便座  の種類と選び方
出展:ダスキンヘルスレント

バリエーション豊富! 簡易洋式便座 の種類

簡易洋式便座 は、想像以上にバリエーション豊富です。シンプルな標準タイプの他に、便座が柔らかい素材でできていて座った時の衝撃が少ないソフトタイプ便座や、温水洗浄機能を持つタイプもあります。

寒い季節にはありがたい暖房付き便座を選べば、冬でもトイレがおっくうになりません。使用する人の不具合を解決できるよう、排泄において何が問題になっているかをヒアリングしてから選びましょう。

簡易洋式便座 の使い方は?

簡易洋式便座 の使い方は、今ある和式トイレの上にかぶせるように置くだけと簡単です。暖房付き洋式便座の場合でもプラグを差し込むだけで工事不要ですが、トイレ室内にコンセントが設置されている必要があります。

また、オイルダンパーを採用することで便座の蓋が急に閉まらないタイプもあります。使う際に蓋にぶつかりがちな人、バタンという衝撃音を回避したい人は、選択肢に入れても良いかもしれません。

簡易洋式便座 の選び方

洋式便座を必要とする介護度は

便座を選ぶ際、まずは使用者がどの程度支援や介護を必要としているかを把握しましょう。例えば要介護2だと排泄に手助けが必要とガイドラインに示されていますので、 簡易洋式便座 の導入を考えてみましょう。

では要介護ではなく、要支援の状態なら不要かというとそうではなく、要支援2でも立ち上がりに支えを必要とするとガイドラインには明示されています。つまり、要支援の段階から洋式便座を視野に入れても良いのです。

介護保険を使う際、介護度の制限はあるの?

簡易洋式便座 を設置したい場合、排泄に関わる道具なのでレンタルはできませんが、介護保険を利用して購入することができます。ただし、購入前に要介護認定を受けていることが条件です。

原則として要介護2以上であれば利用可能ですが、要支援1や2、要介護1の場合は、利用者の状態によっては一定の手続きの上で利用できるので、まずは自治体や担当ケアマネジャーに相談してみて下さい。

>>和式トイレを洋式に できる 簡易洋式便座 の レンタル と購入の費用は?

簡易洋式便座 を選ぶポイント

簡易洋式便座 を選ぶには、まず今ある和式トイレに段差があるかないかをチェック。ドアを開けてから一段上がるタイプは低めの便座を、段差がない和式トイレなら、高さのある便座を選びましょう。

他にチェックしたいポイントは、便座を置いた場合周りに十分なスペースがあるかどうかです。あまり広くないトイレの場合は、便座を置いても脚が動かせるか、壁にぶつかるなど不具合がないかどうか確認を。

簡易洋式便座 のメリットとデメリット

トイレの利用が楽になるのが最大のメリット

和式トイレでしゃがむ動作は、大腿四頭筋など太ももの筋肉を主に使いますが、60歳になると筋肉量のピークである25歳に比べると6割にまで落ちこむそう。脚の弱っているシニアにとって、この動作はかなりの負担です。

簡易洋式便座 の最大のメリットは、洋式トイレにすることでしゃがむ動作がなくなること。しかも工事不要なので自分で設置が可能。おっくうになりがちなシニアの排泄を、洋式便座で快適にしてあげましょう。

デメリットは内側の掃除のしにくさ

ところで 簡易洋式便座 にもデメリットはあり、内側の掃除がしづらいので汚れやすいのです。便座は持ち上げて掃除できるので、掃除シートなどを利用してこまめに拭くとよいでしょう。

簡易洋式便座 の内側を毎日掃除するのは大変ですが、たまに持ち上げて内側もきれいにしておきましょう。洗剤をつけたトイレブラシでこすり洗いするという方法で、便座の内部も清潔に保つことができます。

簡易洋式便座 を設置する際の注意点

簡易洋式便座 を使用する際、勢いよく座ったり体重をかけたりすると、ずれることがあります。ずれは和式トイレの汚れにもつながりますので、気になる人はねじ留めできるタイプを選んでみては。

また設置する際は、形状も要チェックです。これは和式トイレ便器の後方が狭いタイプには設置できないことがあるため。購入後合わなかったということがないように、設置スペース共々確認をしておきましょう。

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【この記事の監修者】

中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ

中村 静江

1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。