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介護福祉士について

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介護福祉士とは

介護福祉士は厚生労働省が所管する国家資格のひとつです。介護保険サービスにおいて、介護を提供する仕事における専門家として位置づけられている資格です。

資格の成り立ち

介護福祉士は、1987年5月に制定された「社会福祉士及び介護福祉士法」によって生まれた国家資格です。この法律では、介護福祉士は次のように定義されています。

介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。

(※引用1)

介護福祉士の業務

先の条文にもあるように、加齢により身体の機能が低下してしまった方や、認知症によって日常生活に困難をきたしている方に対して、生活全般にわたって必要なサポートをすることが介護福祉士の業務です。

この介護業務自体は、介護福祉士でなくても行うことができますが、「介護福祉士の名称を用いて」行うことができるのは介護福祉士の資格を持つものだけです(これを「名称独占」と言います)。

また、医師の指示のもとで特定の業務を医師や看護師に代わって行うことができます。代表的なものが口の中やのどに溜まった痰を取り除く、「喀痰吸引業務」です。これは平成23年の法改正により、介護福祉士が行える業務となりました。研修を受け、登録された介護福祉士であれば喀痰吸引が行えます。自力で痰を飲み込んだり吐き出したりすることができない人は、痰が気管に詰まることで窒息してしまうリスクもあります。これにより看護師が常駐していない介護施設において、介護職員が医療的なケアを提供できることとなりました。

介護福祉士は「三福祉士」のひとつ

介護福祉士は、日常生活を営むことに支障がある方に対して福祉に関する相談援助業務を行う「社会福祉士」、社会復帰を目指す精神的な疾患のある方が社会復帰を目指すための相談業務を担う「精神保健福祉士」と並んで、「三福祉士」と呼ばれます。

有資格者の数は1,495,000人余り(平成28年11月末日現在)で、社会福祉士の約2010,00人、精神保健福祉士の約73,000人

(※引用2)

と比べても、飛び抜けて多い資格者数となっています。

介護福祉士になるには

介護福祉士の受験資格には3つのルートがある

介護福祉士になるためには、毎年2月に実施される国家資格に合格する必要があります。まずはその前段階として、受験資格を得なくてはなりません。受験資格を得るためには大きく分けて3つのルートがあります。

  • 福祉系高校を卒業するルート
  • 福祉系以外の高校、大学を卒業後に、介護福祉士養成施設に進学するルート
  • 介護職の実務経験を積みながら実務者研修を修了するルート

実務経験を経て資格を取る人が多い

有資格者の内訳を見ると、(3)のルートを経て資格を取った人が100万人以上おり、全体の2/3を占めています。これは、高校や大学に進学した時点では介護の道に進むとは考えていなかった人が、その後未経験から介護の仕事を始めているケースが多いことを示しています。

実務経験ルートについて

介護福祉士の大部分を占めている実務経験ルートは、『「介護職員実務者研修を修了」+「実務経験3年以上」で受験資格が得られる』です。

この2つは順不同であるため、実務未経験から実務者経験を受講することも可能です。その場合は実務経験が3年を超えた時点から受験資格が発生します。

平成27年度までは、この「実務者研修修了」は受験資格ではなく、実務経験が3年以上であれば誰でも受験することができました。しかし、近年の介護や福祉分野におけるニーズの多様化を背景に、介護職唯一の国家資格である介護福祉士になるには、一定水準以上の教育プロセスを経ることが義務付けられました。これは平成19年に改正された社会福祉士及び介護福祉士法に盛り込まれていたもので、平成28年度の受験者より適用となりました。

介護福祉士のこれから

現行の介護保険制度においては、介護職員に占める介護福祉士の人数が一定割合を超えている社会福祉施設には加算の算定が認められるなど、介護福祉士の有資格者であれば質の高い介護を提供できる専門家とみなされます。そのため介護保険の事業所においては、経営上でも介護福祉士を確保するメリットがあり、それは手当として資格を持つ職員の待遇面にも反映されています。

しかし、介護を取り巻く環境は、雇用者、被雇用者ともに厳しい環境にあります。世間を騒がせた介護施設における虐待事件などの影響から世間の関心も高まっています。「きつくて給料が安い仕事」というイメージも広く浸透してしまっており、介護の現場では慢性的な人材不足に苦しめられています。

法改正を経て整備されつつありますが、まだまだ他の医療福祉系専門職と比べると、キャリアアップの道筋が不十分と言えます。現在「認定介護福祉士」など、介護福祉士のさらなる上級資格を得るための研修体系が作られています。制度の創設に合わせて、より高いスキルを持つ介護福祉士と、その職員を配置している事業所の両方にとってメリットのある仕組み作りも必要となります。

介護福祉士の社会的な評価を高めることにより、給与水準のアップが図られれば、今よりも仕事としての魅力が増すはずです。介護の現場で働く職員にとって目指すべき目標となりうる地位の確立が、介護福祉士制度における喫緊の課題と言えます。

 

引用・参考文献

*引用1
社会福祉士及び介護福祉士法」(電子政府の総合窓口「e-Gov」HPより)

*引用2
三福祉士の人数」(公益財団法人社会福祉振興・試験センターHPより)

*参考文献
介護福祉士資格取得ルート図」(公益財団法人社会福祉振興・試験センターHPより)
社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案について(平成19年3月 厚生労働省社会・援護局)
社援発 1111 第1号 平成23年11月11日(厚生労働省社会・援護局通知)」(一般社団法人全国訪問看護事業協会HPより)
社援発 0331 第41号 平成28年3月31日(厚生労働省社会・援護局通知)」(14p以降)
一般財団法人認定介護福祉士認証・認定機構HP