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高齢者の低栄養 原因・症状・対策

高齢者の低栄養 原因・症状・対策

 

低栄養とは、特にエネルギーとたんぱく質が欠乏し、健康な体を維持するための栄養素が取れていない状態のことです。

高齢者は老化に伴う身体的変化により、低栄養状態に陥りやすい状況にあります。2013年に国立長寿医療研究センターが公表した「在宅療養患者の摂食状況・栄養状態の把握に関する調査研究報告書」によると、在宅で介護を受ける高齢者の36.0%が「低栄養」、33.8%が「低栄養のおそれあり」という結果でした。

安心して自立した生活を続けるためには、健康を維持するための適切な栄養管理が必要です。ここでは、低栄養状態に陥る原因、低栄養時の症状、低栄養の対応方法について述べます。

栄養をしっかりと確保することは、高齢者が生活の質を維持してよい人生を送り、天寿をまっとうするためにも重要なことといえるでしょう。

低栄養の原因

噛む力・飲み込む力の低下による食欲低下

人間は、加齢によって食欲が低下します。
その要因は、噛む力(咀嚼力)、飲み込む力(嚥下力)の低下です。
固いものや繊維質の食べ物を避けるようになり、肉や野菜、果物などが不足するようになります。

味を感じる力の低下

また、味覚が低下しますので、味付けの濃いものを好むようになり、糖分や塩分の摂取量が多くなってしまいがちです。
このような変化が起こるため、食べるものの好みが変わることがあるでしょう。

身体の変化による食欲低下

さらに、唾液分泌の減少や消化液の分泌量の減少、腸の働きの低下などのため、食欲が低下しやすくなっています。
偏食などが多くなると、気付かないうちに栄養素が不足した状態になりやすくなります。
初めは体内の貯蔵栄養素を利用して代謝を維持しますが、このままでは低栄養状態に陥ってしまうかもしれません。

生活環境要因によるもの

一人住まいであるとか高齢者のみの生活であることから、自分たちの好きな食品や食材だけを食べているために低栄養を起こしやすいということもあります。

また、閉じこもり状態などの生活環境が、精神的要因となることも多く発生します。

 認知症の影響によるもの

「いつも決まった食材しか食べない」という認知症の方は、低栄養に陥りやすいので要注意です。 

低栄養状態の症状

高齢者が低栄養状態に陥ると、血液中のタンパクが低下する低アルブミン血症などを引き起こしやすくなります。

すると
・体重減少
・骨格筋の筋肉量や筋力の低下
・体脂肪の低下
・感染を起こしやすくなる など
生活活動度や運動機能の低下が起こりやすくなります。

すると、生活自立度が下がり、要介護度の上昇につながってしまい、結果的に寝たきり状態になりやすくなります。

特に嚥下障害がある高齢者は、容易に脱水症や低栄養の状態に陥りやすいため、介護者が十分に注意する必要があるでしょう。
入院患者や入所および在宅療養者の約3割~4割には、低栄養状態の高齢者がいることが確認されています。

アメリカの研究では、低栄養状態は病気の回復が遅延するだけでなく、合併症併発率や死亡率も高かったことがわかっているのです。

低栄養状態になってしまった場合の対応方法

低栄養になってしまったら、どんな対応方法があるのでしょうか? 

食事の宅配・配送サービスを利用する

高齢者の栄養管理については、専門知識がないと難しい面もあります。高齢者向けの食事の宅配・配送サービスは管理栄養士が栄養バランスや食事制限などに配慮したメニューが配達してもらえるサービスです。

定期的に配達してもらうことで、見守りの効果や孤独感の解消も期待できます。
>>高齢者向け食事宅配サービス(宅食・配食サービス)とは

市販の介護食や栄養補助食品を利用する

食事のやわらかさやおいしさ、そして栄養バランスに気を付けた介護食(そしゃくえんげ食)は市販されているものもあるので、利用してみるといいでしょう。
>>介護食(柔らか食、とろみ食)とは

また、足りないカロリーを栄養補助食品で補ったりして、低栄養を防ぎましょう。

口以外から栄養を補給する

口からの栄養摂取が難しくなってしまっている場合には、胃ろうや腸ろうなどの経管栄養に切り替えるように、医師から進められることもあるでしょう。また、心臓近くの血管に点滴で栄養を入れる中心静脈栄養という方法もあります。

いずれもメリットとデメリットを理解したうえで取り入れる必要があります。

>>経鼻栄養補給とは メリットや介護方法
>>腸ろうとは メリットや介護方法
>>胃ろう(PEG)とは メリットや介護方法
>>中心静脈栄養とは メリットや介護方法

ヘルパーさんの力を借りる

もし認知症や医的な原因ではなく食事の拒否があり、家族の言うことを聞いてくれないのであれば、こんな手を使ってみてはいかがでしょうか?

昼食はヘルパーが調理して召し上がっていただくというのは無理なのでしょうか。
かならず併設のレストランで取らないといけないのでしょうか。
また、訪問するヘルパーとの相性もかなり影響すると思います。
私は同様のケースでは出来るだけ楽しくお食事を取って貰えるよう、明るく楽しく優しい(出来れば可愛い)ヘルパーさんに入って貰うよう人選しています。
そのような点もご要望を出してみる事も可能かもしれません。
おっしゃるように、感情の面から訴える事は効果的かも知れません。
私の場合、入るヘルパーには良好な人間関係を築くよう努力してもらい、その上で「〇〇さんがまた入院しちゃったら、私は悲しいです」と、言葉かけするように指導しています。

医的な理由での食欲減退でなく、気分であるなら、気分を明るく持てるように生活背景を改善する事も重要かと思います。
(専門家 まるこ さんの回答)
引用元:介護のQ&A「食事をさせようとすることの是非(というのも変ですが)

また、認知症の方で食事を拒否する症状が出ているようであれば、こちらの記事を参考にしてください。
>>認知症の食事拒否 6つの原因と対策

楽しい食事を心がける

食生活は、適切な栄養素を補給することだけが目的ではありません。

食生活を通して多くの人とコミュニケーションを取ることができ、健やかな日常生活を送るという心理状態の充実にもつながります。そのため、介護者や周りの人達による支援はとても重要です。

また、こんな声も専門家からあがっています。

料理の盛り付けや味付け、食材など、すこし、お勉強して、工夫してみては、いかがでしょうか?。

前にテレビでフランス料理のシェフ、がつくった、流動食なるものをみたことがあります。ニンジンは、ニンジンだけで、すりおろして、味付けを、ニンジンの様に、かざりつけ、もりつける。等、お皿をみている、私も食べたくなるくらいの出来上がりでしたよ。

いま一度、お父様のお好きな料理を、食べやすい、大きさ、少しくらい味が濃くても、心臓や病気があるから、本来はいけないのだろうが、そこはこれから、あつくもあるし、味が少し濃い目のほうが、食べやすいと想いますよ。お料理やメニューの研究をしてみては、いかがですか?
(専門家の回答)
引用元:介護のQ&A「食事をさせようとすることの是非(というのも変ですが)

嚥下訓練を行うべきか

噛む力や飲みこむ力が低下して低栄養になっている場合、すぐにでも嚥下訓練(嚥下リハビリ)を始めたくなるかもしれません。

しかし、専門家からはこんな声があがっています。

低栄養状態でリハをやっても反対に悪くなります。
呼吸リハもそうです。
呼吸リハは声を出すだけではなく、嚥下に沿った呼吸リハはもっと種類があります。
嚥下リハもそうです。
それくらい栄養状態とリハって綿密な関係なんです。
まずは栄養状態が大事です。
(専門家 風邪の栄養士ライダー さんの回答)
引用元:介護のQ&A「ゼリー食で必要カロリー賄えますか

まずは栄養状態の改善を目指し、それから嚥下訓練を始めた方がよいでしょう。