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ゴールドプランとは

ゴールドプランとは、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の別称であり、日本に消費税が導入された年(1989年)に、1990年から1999年までの10年間をかけ、長期的に高齢者介護の基盤整備を進めようと、大蔵(現在の財務省)・厚生(同厚生労働省)・自治(同総務省)の3大臣の合意により発表されたものです。

ゴールドプラン策定の背景

ゴールドプラン策定に遡ること4年前の1986年、人口の高齢化に対応するため、国を挙げての高齢者介護等の問題に取り組む姿勢が明確にされ、同年6月に「長寿社会対策大綱」が閣議決定されました。

ここでは、①経済社会の活性化を図り活力ある長寿社会を築く、②社会連帯の精神に立脚した地域社会の形成を図り包容力のある長寿社会を築く、③生涯を通じ健やかな充実した生活を過ごせるよう豊かな長寿社会を築く、という3つの基本方針が打ち出されました。

この大綱に基づき高齢者福祉の施策は大きく転換することになりましたが、特に介護基盤の量的整備が大きな課題となっており、対策が求められることになりました。

高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)策定

高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)は、高齢社会を健康で生きがいを持って、また、安心して生涯を過ごせるよう、明るく活力ある長寿・福祉社会を目的に、消費税導入の趣旨を踏まえ、高齢者の保健福祉の分野における公共サービスの基盤整備を進めることとし、在宅福祉や施設福祉等の事業について、1999年までに実現を図るべき十か年の目標を掲げ、1989年12月に策定された計画です。

ゴールドプランの特徴

ゴールドプランの特徴は、全国規模で介護基盤の整備を進める方針を、数値的に明確化したことが挙げられます。

具体的に在宅福祉対策では、①ホームヘルパー10万人、②ショートステイ5万床、③デイサービスセンター1万か所、④在宅介護支援センター1万か所、施設福祉対策としては、①特別養護老人ホーム24万床、②老人保健施設28万床、③ケアハウス10万人、④過疎高齢者生活福祉センター400か所といった数値目標が示されました。

また、「ねたきり老人ゼロ作成」にあっては、地域において機能訓練を受けやすくする体制の整備や、脳卒中や骨折等の予防のための健康教育等の充実、介護を支える要員として、保健婦・看護婦の計画的配置が掲げられたことも大きな特徴の1つといえます。

ゴールドプランの内容(大項目のみ)

1.市町村における在宅福祉対策の緊急整備
~在宅福祉推進十か年事業~

2.「ねたきり老人ゼロ作戦」の展開

3.在宅福祉等充実のための「長寿社会福祉基金」の設置

4.施設の緊急整備

~施設対策推進十か年事業~

5.高齢者の生きがい対策の推進

6.長寿科学研究推進十か年事業

7.高齢者のための総合的な福祉施設の整備

出典
厚生労働省:高齢者保健福祉推進十か年戦略

ゴールドプランの見直し(新ゴールドプラン)

ゴールドプラン策定の翌年(1990年)、いわゆる「福祉8法改正」といわれる福祉関係法の大規模改正が行われ、老人福祉法についても同様で、施設サービスから在宅サービス中心へと、市町村を中核とする高齢者福祉体制という方針が明確にされ、また、市町村には、老人保健法との関連も持たせた、市町村老人保健福祉計画の策定が義務付けられました。

市町村老人保健福祉計画は、1993年には全国集計値が明らかになり、この結果として、高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)を上回る介護整備の必要性が判明し、その後のさまざまな施策や新しい課題を踏まえ、1994年12月にゴールドプランの後半5年間分を見直した、「高齢者保健福祉推進10か年戦略の見直し(新ゴールドプラン)」が策定されました。

新ゴールドプランにおける数値目標の引き上げ

引き上げられた数値目標は、①ホームヘルパー17万人、②ショートステイ6万人、③デイサービスセンター1.7万か所、また、新たに④老人訪問看護ステーション5000か所が加えられ、施設福祉対策としては、特別養護老人ホーム29万床へと引き上げられました。

新たな枠組みの策定

基盤整備における量的整備に加え、新たな公的介護システムの創設を視野に入れ、「今後取り組むべき高齢者介護サービスの基盤整備に関する施策の基本的枠組み」を明らかにし、基本理念として、①利用者本位・自立支援、②普遍主義、③総合的サービスの提供、④地域主義の4つが示されました。

また、この施策目標として2つ挙げられ、高齢者介護サービス基盤の総合的整備と介護基盤整備のための支援施策の総合的実施が記されました。

ゴールドプラン21の策定

これまでの間、高齢者への保健福祉サービスは、ゴールドプラン及びこの見直しプランの新ゴールドプランに基づき、着実に基盤整備が進められてきました。

1997年12月9日可決し、同年12月17日に公布、そして2年間の準備期間を経て2000年には介護保険制度が施行されるなど、保健福祉サービスは新たな段階を迎えようとしており、こうした状況をふまえ、高齢者保健福祉施策の一層の充実を図ることを目的に、1999年12月「今後5か年の高齢者保健福祉施策の方向~ゴールドプラン21~」が策定されました。

ゴールドプラン21の基本的な目標

ゴールドプラン21では、明るく活力ある高齢社会を実現するため、①活力ある高齢者像の構築、②高齢者の尊厳の確保と自立支援、③支えあう地域社会の形成、④利用者から信頼される介護サービスの確立の4つの柱を基本的な目標として掲げ、その実現に向けて施策が展開されました。

ゴールドプラン21の施策の方向

基本的な目標を達成するため、良質な介護サービス基盤の計画的な整備と、健康・生きがいづくり、介護予防、生活支援対策の積極的な取り組みを進めていくことが重要であるとの方向性が示されました。

ゴールドプラン21で示された取り組むべき具体的施策(大項目のみ)

1.介護サービス基盤の整備
  ~「いつでもどこでも介護サービス」~

2.痴呆症(現在は認知症という)高齢者支援対策の推進
  ~「高齢者が尊厳を保ちながら暮らせる社会づくり」~

3.元気高齢者づくり対策の推進
  ~「ヤング・オールド(若々しい高齢者)作戦」の推進~

4.地域生活支援体制の整備
  ~「支えあうあたたかな地域づくり」~

5.利用者保護と信頼できる介護サービスの育成
  ~「安心して選べるサービスづくり」~

6.高齢者の保健福祉を支える社会的基礎の確立
  ~「保健福祉を支える基礎づくり」~

出典
厚生労働省:今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向~ゴールドプラン21~

ゴールドプランによる高齢者福祉の変化

各ゴールドプランの策定とその推進により、高齢者福祉はかつての経済的困窮者への支援から介護を必要とする者への支援へと変化し、家族の義務として思われていた介護は、社会的な支援へと変化してきました。

また、介護サービスは、特養ホームなど施設中心であった施策が在宅・地域中心へ変化し、この利用については、措置から自己選択に基づく契約へと変化しました。

この要因の1つには、核家族化などの社会的変化に伴い、介護が義務から支援へと変化せざるを得ない状況にあったということが、当該プランから確認できます。

出典
厚生労働省:今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向~ゴールドプラン21~