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自治体ごとの独自支援

自治体

2000年に介護保険がスタートしてから、高齢者を自宅で介護する時に、いろいろなサービスが受けやすくなりました。
しかし、「介護が必要」というほどではないけれど、生活に不安がある高齢者もたくさんいらっしゃいます。
これからも増えていく高齢者に対して、厚生労働省や各自治体では様々な支援をしています。
今回は、自治体ごとにどのような独自の支援が行われているかをお伝えします。

厚生労働省の取り組み

厚生労働省は、高齢者人口が増えることに対して、介護保険をはじめ様々な取り組みをしています。
その中でも、元気な高齢者を増やすために「介護予防」に力を入れています。
厚生労働省の考える介護予防とは、「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」です。
出典:厚生労働省 介護予防について

介護保険では、日常生活で身の回りの事が自分で出来る高齢者の場合、「自立」と判定されて「要支援」や「要介護」にならない場合があります。
しかし、身の回りの事ができる高齢者でも、ひとり暮らしが長くなったり外出が困難だったりして、しだいに生きる意欲が低下してしまう場合があります。
高齢者の意欲が低下すると、ますます体が動かなくなる、食事の量が減るなどして、健康状態が悪くなる可能性があります。
今は元気に見える高齢者にも、介護予防は必要です。

厚生労働省では、都道府県や市町村に対して、介護予防事業の具体的な目標や取り組みの方法を指導・支援しています。

自治体ごとの独自支援(ヘルパー派遣事業の例)

市町村などの自治体では、介護保険が制定される前から高齢者に対する福祉事業を行っていました。
それらの事業は、現在でも高齢者を支える取り組みとして続いています。

ここでは、3つの市町村のヘルパー派遣事業の例をみてみましょう。

秋田県、大曲仙北広域市町村圏組合(仙北市・大仙市・美郷町)の取り組み

こちらの広域市町村圏組合では、「生活管理指導員派遣事業」として自宅にヘルパーが来てくれます。
対象は、おおむね65歳以上の大仙市在住の高齢者で、介護保険を受けていない方です。
ヘルパーに依頼できる仕事は、食事の準備・料理や掃除などです
利用回数は、1週間に2回までです。 
料金は、1回45分未満で183円、45分以上で1回225円となっています。
利用の相談や申し込みは、各市町村役所の市民サービス課、在宅介護支援センター、社会福祉協議会、地域包括支援センターです。

*出典・問い合わせ先:大仙市 高齢者生活支援サービス

福島県郡山市の取り組み

郡山市では地域の企業や病院の協賛を得て、株式会社エスアンドシーの「いきいきシニア応援事業」として、ヘルパーの派遣を行っています。
「いきいきシニア応援事業」では、60歳以上の元気シニアを雇用して、高齢者や地域住民に様々なサービスを行っています。
そのため、介護保険を受けている人も受けていない人も、仕事を依頼することができます。
介護保険の訪問介護(ヘルパー)では、庭の草むしりやペットの世話などは出来ません。
しかし「いきいきシニア応援事業」では、介護保険の訪問介護と組み合わせてサービスを受けられます。

サービス内容の例

・散歩や話し相手、一緒に観劇など
・理容室や美容室への送迎など
・庭の手入れや草むしり
・ペットの世話
・介護保険を受けていない同居者の食事の準備など
・普段掃除できない場所の大掃除や部屋の模様替え

シルバー人材を活用する事業でもあるので、サービス内容は多岐に渡ります。
その分、料金も一律には決められません。
サービスを受けるためには、相談・見積もりをしてから契約という流れになります。

申し込みについては、株式会社エスアンドシーに直接、電話・メールで問い合わせすることが出来ます。

*出典:郡山シルバー人材「いきいきシニア応援事業」

京都府京都市の取り組み

京都市では、「介護保険以外の高齢者保健福祉サービス」をまとめて冊子にしています。

この中の生活支援サービスをみてみましょう。
京都市では、「すこやかホームヘルプサービス」という名称で、ヘルパー派遣事業をしています。
利用できるのは、65歳以上で介護保険の認定を受けていない高齢者です。
サービス内容は、炊事、掃除、洗濯、買い物などの家事です。
利用できる回数は、週1回、2時間程度としています。
料金は、1か月につき1320円です。

京都市での生活支援サービスは、「その方の身体状況に応じて介護保険のホームヘルプサービスに準じたサービスを提供しています」と明記されています。

相談や申し込み先は、区役所・支所の支援課や支援保護課。地域包括支援センターでも、相談・申し込みが出来ます。

*出典:京都市 介護保険以外の高齢者保健福祉サービス(冊子)

その他の自治体ごとの独自支援

これまで、介護保険以外のヘルパー派遣事業についてみて頂きました。
自治体には、他にも次のような独自支援があります。

1.デイサービスや介護予防教室

高齢になると食べ物を噛んだり飲み込んだりする力が衰えます。
飲み込みにくくなると、ムセて肺炎を起こしやすくなります。
これら、噛んだり飲み込んだりする機能(口腔機能)を向上させる教室などが開催されています。(会費あり)
例)すこやか栄養教室「おいしく『かむかむ』教室」(京都府京都市)
京都市 介護保険以外の高齢者保健福祉サービス(冊子)より

高齢者は、足腰の衰えから転んで介護が必要となる場合があります。
また、足腰が弱ったことにより外出しなくなり、ふさぎこむこともあります。
これらを予防するための体操教室も開催されます。(会費あり)
例)めざせ元気!!こけないからだ講座(岡山県津山市)

2.ショートステイ

介護保険を使ってのショートステイ以外に、緊急の場合にのみ高齢者を泊まりでお世話してくれる事業です。(利用料および実費負担あり)

3.介護用品支給

自宅での介護に必要な紙おむつ・尿取りパッド・介護用ねまきなどを支給してくれる事業です。

4.生活用具給付

高齢者のひとり暮らし、あるいは高齢者だけの世帯に火災警報器や自動消化器、電磁調理器などを給付する事業です。

5.寝具の洗濯など

高齢者だけの世帯で、布団を干したり洗ったり出来ない方へのサービスです。(費用の自己負担あり)

6.配食

ひとり暮らし、または高齢者だけの世帯で、体が不自由で調理や買い物に行かれない場合に、食事を自宅に届けてくれるサービスです。(費用の自己負担あり)

例)群馬県高崎市 週に1日~7日(業者の状況に応じて)朝食、昼食、夕食
例)京都府京都市 毎日 昼食のみ
京都市 介護保険以外の高齢者保健福祉サービス(冊子)より 

7.訪問理美容

理容室や美容室に出かけることの出来ない高齢者に対して、自宅に理容師や美容師が来てくれるサービスです。(費用の自己負担あり)

例)神奈川県横浜市 
おおむね65歳以上の要介護4~5、または福祉保健センター長が認めた方が対象

8.鍼・灸・按摩

高齢者の保険福祉の向上のため、はり・きゅう・マッサージの施術の費用を一部負担する事業です。

例)大阪府枚方市 対象は満65歳以上の高齢者

9.外出支援

移動手段の確保が困難な高齢者に対して、タクシー利用券を交付したり、バスやリフト付き福祉車両での送迎を行う事業です。

例)福島県那須塩原市 タクシー券の交付 同居等の親族がいない70歳以上の方など
例)栃木県佐野市 60歳以上で、下肢が不自由なため車いすを使用している方など。医療機関の通院時、リフト付き福祉車両で送迎(1か月に3回まで)

10.住宅関連

体の不自由な高齢者が自宅で生活できるように、住宅の改修費用を助成したり、立ち退きを求められた高齢者に住み替えの家賃を助成したりする事業です。

例)埼玉県和光市 住宅改修費用の一部助成、市で借り上げている共同住宅への転居など。(2年以上の市内に居住、非課税などの条件あり)

11.家族介護支援

日頃、高齢者を介護している家族をねぎらったり、介護者を孤立させないように支援する事業です。
慰労金を支給したり、介護方法の講習や介護者どうしの交流をはかる、サロンを開催したりします。

例)大分県大分市 介護保険認定4または5の高齢者を1年以上介護している家族を対象に10万円支給(ただし、介護保険のサービスを利用していない場合)
例)愛知県名古屋市 認知症や介護保険について学ぶ「家族教室」、日頃の介護の情報交換を行う「家族サロン」など

12.緊急通報

ひとり暮らしの高齢者の緊急事態(急病や火災など)に備える事業です。
専用の通信(通報)装置を設置します。

例)静岡県静岡市 警備会社が対応 緊急時に警備員や協力者が出動
例)京都府京都市「あんしんネット119」
通報装置(本体、ペンダント型、まくら元用)、緊急ボタンは、消防局指令センターで対応。相談ボタンは、相談センターで対応
京都市 介護保険以外の高齢者保健福祉サービス(冊子)より

13.安否確認

ひとり暮らしで孤立しがちな高齢者を見守るサービスです。
配食サービスなどと、組み合わせて行う自治体もあります。

例)茨城県阿見町 「愛の定期便事業」。日常生活で孤立した状況のおおむね65歳以上の高齢者に週2回乳製品を配達

まとめ

高齢になっても、出来るだけ自宅で過ごしたいと思う方は多いでしょう。
それぞれの自治体で行っている介護予防の事業を活用して、いつまでも自分らしい暮らしが出来るように工夫してみましょう。
それぞれのサービスは、地域包括支援センター、役所の介護課、福祉課、社会福祉協議会などが窓口となります。
困ったことや不安なことがあれば、相談してみてはいかがでしょう。

※ご紹介した各事業は平成28年度時点の情報です。
ご利用の際は各自治体に実施状況をお問い合わせください。