介護の不安を解消できる「安心介護」
専門家に無料で相談

投稿から検索

仕事と介護を両立させる介護休業給付金制度

介護休業給付金制度

男女ともに平均寿命が80歳を超える高齢社会の今、介護が必要な高齢者が増加しています。
先が予測できる子育てと異なり、終わりの見えない介護。
介護保険サービスを活用しても足りない部分は家族が行わなければいけません。
介護離職の防止に向け、平成28年3月に成立した雇用保険法等改正法のうち、介護休業給付金制度にかかわる部分が8月1日から一部施行となりました。

>>介護離職を減らせるか?-介護休業を分割取得可能にする改正法が成立

介護休業給付金制度とは

会社勤務の方が家族の介護のために休業する際、休業する人に雇用保険から給付される給付金を介護休業給付金といい、介護休業給付金制度とは、仕事と介護を両立する方の生活をサポートし、その後も勤務が継続できるように、職場復帰を促進、援助する制度です。

介護休業給付金の対象者

○1年以上雇用保険に加入している65歳未満の雇用保険被保険者で、家族を介護するために勤務先を休業しなければいけない方
○介護休業を開始した日より2年前、賃金が支払われた基礎日数が11日以上ある月が12ヵ月以上あること(過去、雇用保険の基本手当の受給決定を受けたかたはそれ以降の基礎日数で計算します)
○雇用期間の期間設定がある方は、下記2点の該当が必要です。
・同一事業主の下で1年以上の雇用継続がある
・介護休業開始予定日より、93日を超えて雇用が継続される見込みがある
ただし、93日を超えた雇用契約期間が、93日を超えてから1年を経過する日まで満了し、契約後更新しないことが明確な場合は見込みに該当しません。

介護休業給付金の支給要件

○支給単位期間の初日から末日まで被保険者である。
○各支給単位期間にて支払われた賃金がある場合は、休業開始日前に受けていた平均賃金と比べ、80%未満の賃金である。
○各支給単位期間において就労日数が10日以下である。
※「支給単位期間」とは、休業開始日から起算して1ヶ月毎の期間のことです。

介護休業給付金の支給対象となる介護休業

○要介護状態(負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)の家族の介護を行うための休業
家族の範囲とは…配偶者(内縁を含む)、父母、配偶者の父母(同居か否かに関わらず支給)
被保険者と家族が同居しており、扶養している場合は祖父母、兄弟、姉妹、孫が該当されます。

○被保険者が事業主に介護休業の期間の初日と末日について申し出を行い取得した介護休業であること

介護休業給付金の支給期間

上記2つの条件を満たす場合、介護休業開始日から最長3カ月に限り支給されます。
○同一の家族により、一度介護休業給付金を受給した場合でも、要介護度が変更され、介護休業を取得された場合は、介護休業給付金の対象者となります。
○ただし、介護休業給付金の支給期間は93日が限度となります。
※平成29年1月より同一要介護度でも3回に分割することが可能になります。
原則、対象家族1人の介護につき1回の支給となりますが、1回目の介護休業が93日以内に修了し、その後、対象家族の病状が悪化するなど変化があった場合は、2回目の介護休業の支給が通算93日に達するまで受給することができます。

介護休業給付金の支給額と支給日数

平成28年7月まで

休業開始時賃金日額×支給日数×40%
上限月額…1万4210円×30日×40%=17万520円

介護休業期間中、勤務先から支払われる賃金がある場合、介護休業給付金の支給額が異なります。
休業期間中支払われる賃金が40%以下…賃金月額の40%相当額が支給されます
休業期間中支払われる賃金が40%以上80%未満…賃金月額の80%相当額と賃金の差が支給されます。
休業期間中支払われる賃金が80%以上…介護休業給付金は支給されません。

平成28年8月からの改正内容

介護休業給付金制度の改正により、介護離職を阻止し、介護休業中の所得保障を充実させ、生活苦なく職場復帰しやすくするために、平成28年8月1日以降に開始する介護休業から介護休業給付金の支給率、賃金日額の上限額が変更されました。

支給率

平成28年7月までの支給額は休業開始時賃金の40%でしたが、平成28年8月1日以降に開始する介護休業からは67%の支給率にアップしました。
平成28年7月31日までに開始した介護休業は40%ですが、平成28年8月1日以降に再度介護休業を開始する場合は67%になります。

賃金日額の上限額

介護休業給付金の算定基準となる賃金日額の上限額が、平成28年8月1日以降に開始する介護休業から引き上げられました。
成28年7月31日までに開始した介護休業は、これまで通りの上限額で変更ありません。

休業開始時賃金日額×支給日数×67%
上限月額…1万5250円×30日×67%=30万6525円
休業期間中支払われる賃金が13%を超える場合…給付金の支給額が減額され支給されます。
休業期間中支払われる賃金が80%以上…介護休業給付金は支給されません。

介護休業給付金の申請は事業主経由で

介護給付金を受給するための手続きは、通常会社経由で行い、事業主が「雇用保険被保険者休業開始賃金月額証明書」「介護給付金支給申請書」をハローワークへ提出します。
支給が決定された介護休業給付金は、約1週間後に本人名義の金融機関口座に振り込まれます。

介護離職の割合

厚生労働省の雇用動向調査では、2013年に介護離職した方は約9.3万人いると報告されています。男性は約2.3万人、女性では約7.1万人と女性が多い傾向です。
年代別では、男性が55歳~59歳、女性では45歳~49歳が最も高い割合です。
早い方では30歳代から始まる家族の介護ですが、いったん会社を退職した場合、40歳~60歳の再就職は難しくなってしまいます。
経済的な負担が増加し、肉体的にも精神的にも疲労してしまいますので、介護サービスや制度を利用して仕事と介護が両立できるように体制を整えることが大事です。

介護休業給付金制度の実情

介護休業給付金制度は仕事と家族の介護が両立し、仕事が継続できるようにする制度ですが、利用者はまだ少なく2014年では9600人だけしか活用されておらず、10%にとどまっています。

出典:平成27年職業安定分科会雇用保険部会(第108回)資料5/育児休業給付・介護休業給付について

介護休業給付金制度を活用しない理由として、会社や企業側の介護休業制度の理解が低いことが問題として挙がっており、制度を活用しにくいということがあります。
「介護くらいで…」「いつまで休むのか?」といった介護に理解のない会社や、企業の心無い態度が制度を促進させない要因となっており、国が改正を行い、介護休業を促進しても会社や社会全体が介護休業に理解をし、意識を変えなければ意味のない制度となってしまいます。
介護に直面した人が、介護休業制度を活用しやすいように、知識と理解を深める必要があります。

>>介護と仕事が両立しやすい環境づくりを。厚労省が事業主向けの助成金を新設