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高齢者の退院は介護の始まり!?

高齢者の退院

突然の病気やケガでの入院は、誰にでもあり得ることですね。
高齢者になれば、自然とその可能性は増えるでしょう。
高齢者が入院すると病気やケガが治っても、ひとりでは生活できないことがあります。
なぜ生活できなくなるのか、情報を集めてみました。
高齢のご家族を持つ方には必見です。

入院が高齢者へ与える影響

高齢になると、どうしても気力や体力が低下してきます。
それにより、病気やケガからの回復そのものが遅くなります。
入院生活で行動が制限されたり、身の回りのことを手助けしてもらったりすることも増えます。そのような状況に慣れてしまうと、病気やケガが回復しているのに自分で身の回りのことをしなくなる場合も多いのです。
高齢でない人から見たら、「何でそのくらいの事が出来ないの?」と思うかもしれない簡単なことも出来なくなってしまうのです。

脳卒中で体にマヒが残る場合もあるでしょう。
背骨の圧迫骨折などで、コルセットを着ける生活になる場合もあるでしょう。
このような状態になると、着替えやトイレに行くことすら一人ではできない可能性もあるのです。
これらについては、後ほど詳しくご説明します。

高齢者が退院後に以前と同じような生活に戻れなくなる背景には、病院での入院期間が短くなっていることも影響しています。
健康保険組合連合会の報告によると、平成27年度の財政状況は、1429億円の赤字になる計算だそうです。赤字になる組合は、全体の7割をしめるとか。
赤字の分は、国の税金や加入している事業所の負担になります。
増え続ける健康保険の赤字に対して、厚生労働省は医療保険制度を改正することで対応しています。その中に、入院期間を短くするような働きかけがあるのです。
そのため病院では、病気やケガの主要部分の治療が終わったら、入院ではなく外来通院で治療を続けるようにすすめるのです。
*出典:平成 27 年度健保組合予算早期集計結果の概要

高齢者に介護が必要となるきっかけは?

では、どんな病気やケガの場合に、高齢者に介護が必要となるのでしょう?
厚生労働省の調査によると、高齢者に介護が必要となるきっかけの第1位は脳血管疾患、第2位は認知症、第3位は高齢による衰弱となっています。
他にも関節疾患や骨折・転倒をきっかけに、介護が必要になるという結果が出ています。
*出典:平成 25 年 国民生活基礎調査の概況

脳血管疾患

脳血管疾患とは、脳梗塞(のうこうそく)、脳出血、脳血栓・塞栓(そくせん)など、脳の血管がダメージを受ける病気です。
脳の血流が悪くなるので、その部分の脳細胞が死滅してしまいます。
脳血管疾患になると、手足のマヒや言葉がうまく話せないなどの、後遺症が残る場合が多いのです。

認知症

認知症とは「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態」です。
*出典:厚生労働省 認知症とはどういうものか?

脳の細胞が変性する認知症には、アルツハイマー型の他にレビー小体型、前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)などの認知症があります。
脳血管疾患でも認知症が起こります。
他にもアルコール性脳症、肝臓や腎臓の病気から起こる認知症もあります。
>>認知症の種類別 原因と症状のまとめ

高齢による衰弱

高齢による衰弱は、複合的障害です。
誰でも高齢になれば、内臓機能の低下や筋肉量の減少が起こります。足腰が弱り動くことが面倒になると、買い物や外出が減ります。人と会わずに話をする機会が減ると、精神活動や意欲も減退します。
このような悪循環から老衰となっていきます。
やがて自分の身の回りのことも出来なくなり、介護が必要な状態になるのです。

関節疾患

関節疾患とは、手足や背骨の関節が変形することで起こる変形性関節症のことです。
高齢者に多いのは、膝の関節が変形してO脚になってしまう、膝(しつ)関節症です。
足の付け根の股関節が変形する股関節症でも、高齢者の活動を妨げて筋力を低下させたり、転んで骨折しやすくなったりします。
関節リウマチや偽痛風(ぎつうふう)といった関節炎も、関節疾患に含まれます。

骨折・転倒

高齢者の骨折・転倒は足腰の筋力低下や関節疾患により、起こりやすくなります。
脳血管疾患によるマヒや認知症による注意力の低下などでも、転んで骨折することがあります。高齢者が転んで骨折すると、回復が遅いばかりでなく活動性が極端に低下して、肺炎などの余病を発症してしまう場合があります。

退院する前に確認することは?

高齢者が病気やケガで入院し退院すると、入院前と同じ生活ができるとは限りません。
病気やケガの治療が落ち着いたら、次の事を確認しましょう。

退院後にも続けて行う治療があるか

例えば脳血管疾患や骨折で入院した際に、糖尿病が発見または悪化しているという事もあります。そのような場合には、インスリンという糖尿病治療の注射を退院後も続けて行う必要があるかもしれません。
高齢者本人が注射できれば良いのですが、出来ない場合はご家族などが注射する必要があります。
関節疾患や骨折の場合でも、骨を強くする注射が必要な場合があります。

脳血管疾患や関節疾患・骨折の場合、リハビリテーションを続けて行う必要もあるでしょう。
その場合には、リハビリの頻度や通院方法を確認しておきましょう。

どんな動きが出来ないのか

入院前に比べて、どのような動きが出来ないのかを確認しましょう。
入院中に、看護師やリハビリテーションの担当者から、高齢者の生活の様子を聞きましょう。
病気やケガの治療が落ち着いたら、退院する前に一時的に自宅に戻ってみましょう。
実際の動きを確認できたり、何ができないのかが明確になります。

自宅で確認するポイントは、トイレと入浴です。
普段いる部屋からトイレまでは、どのような方法で行くのでしょうか。
車いすでしょうか、杖でしょうか。
廊下やトイレに手すりは必要か、などを確認しましょう。
自宅の風呂に入れるかも、合わせて確認しましょう。

誰がどのくらい介護できるのか

高齢者の退院が近づいたら、生活全般にどんな手助けが必要かも確認しましょう。
食事はどうするか、買い物などはどうするか、なども生活する上では大切です。
その上で、誰がどのくらい介護や生活の手助けができるか、確認しましょう。
介護する人がいない、生活全般に介護が必要などの場合、病院を退院した後に自宅で過ごす事が困難な場合があります。
自宅で過ごすことが困難な場合は、一時的あるいは長期的に介護施設に入所することも検討しましょう。

>>「 施設系サービス 」に関する解説・記事をみる

退院時に確認することは?

次に、高齢者の病気やケガに応じた、具体的な退院時の確認ポイントをみていきましょう。

脳血管疾患の場合

マヒの有無や飲み込みの状態を確認しましょう。
手足のマヒが軽くても、言葉が出にくい場合があります。
言葉が出にくい時には、飲み込みも悪くなっている可能性もあります。
今まで食べていた食事が飲み込みにくい場合は、病院の管理栄養士に食事の内容や調理方法の相談をしましょう。
病院でのリハビリが終了しても、介護施設などに通ってリハビリを続けることができます。

>>嚥下障害のリハビリ

今まで介護保険を使っていない場合は、介護保険を申請して介護度を確定してもらいましょう。
介護保険の申請については、病院の医療相談室や地域の「地域包括支援センター」または「在宅(居宅)介護支援センター」でも相談できます。
介護度が決定したらケアマネージャーと相談して、高齢者に必要なサービスについて検討しましょう。

認知症の場合

認知症のある高齢者の場合、何が入院につながったかを知ることが大切です。
薬の飲み忘れが、持病の悪化につながることもあります。
介護保険のサービスでは、看護師や薬剤師が定期的に自宅に訪問してくれるサービスもあります。
食事や買い物が困難な場合、訪問介護でヘルパーに手助けしてもらうこともできます。これらについても、ケアマネージャーが相談にのってくれます。

>>訪問介護とは 利用方法と選び方

高齢による衰弱の場合

高齢による衰弱の場合、生活全般に介護が必要かもしれません。
介護保険が適応される施設もあれば、「ケアハウス」や「サービス付き高齢者専用住宅」のように介護保険が不要な施設もあります。
ケアハウスやサービス付き高齢者専用住宅は、夫婦で一緒に入所することもできます。
>>「 施設系サービス 」に関する解説・記事をみる

関節疾患と骨折の場合

関節疾患と骨折でも脳血管疾患と同様に、リハビリを続けることが大切です。
転びやすい場合には、廊下やトイレに手すりを付けるとよいでしょう。
歩くことが苦痛になり外出の機会が減ると、体力が低下したり認知症になったりする場合があります。

介護施設でのデイサービスやデイケアなどに通うと、リハビリや入浴サービスを受けられます。
介護施設ではレクリエーションなどを通じて、他の人との交流もできるでしょう。

>>変形性膝関節症など骨関節疾患のリハビリ
>>手すりの介護リフォーム

まとめ

高齢者が病気やケガで入院すると、治療が終了しても気力や体力が低下して、元の生活に戻れない場合があります。
体にマヒが残ったり、骨折などで体の動きが制限されたりする場合もあります。
退院の際には、治療やリハビリを続けながら、どこでどのように生活するかを考えなければなりません。
入院中から、病院の相談室や介護保険のケアマネージャーと相談していくことが大切です。