自宅での看取り介護【準備~終わりまで】

自宅での看取り

介護が必要な家族が、終末期に差し掛かったときに考えなくてはいけないのが、「看取りの場所をどこにするか」です。本人や家族の想いから、「自宅での最期」を選択した場合にどんな心構えや準備が必要になるのでしょうか。

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自宅での看取り介護 準備すること

自宅での看取り、準備すること

要介護認定の再審査を受ける

家族だけで看取りをするということは実際問題としてとても難しいものです。介護は24時間365日行うものであり、その「最期」がいつ訪れるかは未定です。そのため、自宅での看取りを家族だけで行おうとはせずに、社会資源を有効活用されることをおすすめします。


社会資源を有効活用するために必要となるのが要介護認定です。要介護度によって毎月支給される保険の限度額が異なりますので、要介護認定を受けた当初と現在で明らかに、介護度が異なると感じた場合には、再度要介護認定を受けられることをおすすめしますましょう。

要介護認定は初回の認定の場合、申請月と6ヶ月間が有効期限となります。ですが、この期間に問わず、状態が変わった、悪化したという場合には区分変更をすることで要介護認定の再審査を受けることができます。ですので、要介護度を変更した方がよいという方は、市区町村の窓口で要介護認定の区分変更の申請をされることをおすすめします。や担当のケアマネジャーに相談をしてみて下さい。

参考 

要介護認定の有効期間と更新・区分変更 - 松阪市ホームページ

訪問看護を利用する

自宅で看取りをされるする際には、訪問看護の力を借りることが必要不可欠です。訪問看護師は、自宅で療養している間の医療的な介入や、日常生活の処置など様々なことを行ってくれます。また、療養されている患者さんだけでなく、家族に対しても精神的なフォローや情報提供といった介入をしてくれます。
また、医師やかかりつけの病院との連携をしてくれたり、緊急時や夜間時の対応をしてくれるのも訪問看護師です。
訪問看護はどこを利用するかは本人及び家族にゆだねられます。ケアマネジャーに紹介してもらう、かかりつけの病院が運営している訪問看護を利用するなど選択肢はたくさんあります。患者さんや家族に合った訪問看護を選択しておきましょう。

参考 

在宅での看取りに関する手引き 

 

在宅でのかかりつけ医を紹介してもらう

訪問看護同様に必要なのがかかりつけ医です。かかりつけ医は定期的な診察や、状態が悪化したときの対応、死亡後の書類作成等を行ってくれます。また、訪問看護師に医療処置を支持指示するのもかかりつけ医です。かかりつけ医は、在宅療養となる前に治療をされていた病院が紹介をしてくれることが多いです。

参考  

在宅での看取りに関する手引き 

ケアマネジャーと連携を取る

在宅療養中は医療の力だけでなく介護の力も必要となります。介護と医療をつないでくれる存在がケアマネジャーです。
自宅で看取りをする場合の日常生活の世話として大部分を占めるのが入浴・食事・排泄です。この3つは介護負担が高く、介護者の状態悪化などに結びつきやすい部分でもあるため、ケアマネジャーに訪問看護師、ヘルパーとの等関係事業所と情報共有できるようなをしてもらい、ケアプランなどを考えてもらいましょう。在宅での看取りの経験があるケアマネジャーだとさらに心強いです。


参考 老年医学会雑誌 

 

終末期の対応について意思表示してもらう

終末期の対応は本人、介護する家族、その周囲、親族で意見が分かれやすいところであります。本人やその家族が積極的な治療を望まない場合であっても親族にその気持ちが伝わらず、治療法を巡ってもめごとになるケースも少なくありません。

全員が納得した形で自宅での看取りへとつなげられるように、エンディングノートをあらかじめ作成しておくことをおすすめします。

エンディングノートには治療の方向性や等を書き記しておくとともにどのような最期を迎えたいのかなどを記入しておくと介護家族や親戚への理解が得られやすいといえます。

参考 在宅での看取りに関する手引き 

自宅での看取りのメリット、デメリット

自宅での看取りのメリット・デメリット

自宅で看取りをするということはメリットだけでなくデメリットもあります。自宅で看取りをすることによるメリットとデメリットについてご紹介します。メリット・デメリットを知った上で自宅での看取りを選択することが重要となります。

 

メリット

自宅で看取りをすることの最大のメリットは本人にが満足していただけることでできると言うことが最大のメリットだと言えます。自宅で最期まで療養したいと考える方は多く、住み慣れた我が家で家族と共に過ごしながら最期を迎えられるというのはやはり理想的な形です。また、本人とゆっくりと最期の時を過ごせるという部分では家族側にもメリットがあるものと考えられます。また、自宅での看取りは最期の時間を自由に過ごせ、大きな制限がはありません。例えば病院であれば禁じられることの多い食べ物の持ち込みや飲酒、喫煙なども自宅であれば気兼ねなく行えます。そういった自由度があり今までと変わらない生活ができるというところも本人にとってのメリットになると言えます。
また、病院に入院して最期を迎えるよりも自宅で療養される方が経済的に安く済む場合ことが多いといわれておりく、経済的な負担を軽減させることができるとも考えられています。

デメリット

デメリットはやはり家族への介護負担です。24時間365日介護を必要とする状態となり、いつ終わりが来るかわかりません。この状況での生活が家族にとって肉体的、精神的な疲労につながることもあります。例えば、なんでも気兼ねなく言い合える間柄であれば良いのですが、血のつながりはあってもコミュニケーションが不足しており精神的な距離がある家族ですとお互い言いたいことが言えず、手探りでのかかわりが苦痛に感じてしまうということもあります。
また、在宅でのケアを行う家族はいわば介護の初心者であり家族が介護が必要になった時に初めて介護の手技を学びます。また、学んだ時から本人の状態は悪化していくため、教わった手技がすべて通用するとは限りません。その状態でのケアとなるため、例えばケアがうまくいかず結果として本人の状態を悪化させる誘因となる可能性もあります。さらにそれによる恐怖心でうまく介護が行えないということもデメリットに上がってきます。起こる可能性もあります。

 

参考

国際長寿センター 
厚生労働省

老年医学会雑誌

パニックを起こさないために

パニックを起こさないために

自宅で介護を続けていても、最終的に救急車を呼んで病院に搬送され、病院のベッドで最期を迎える人も多くいます。これは、先ほどもご紹介したエンディングノートで本人や介護家族がそれを希望している場合もあれば、家族がパニックを起こしてしまったことで、本人の意図と反して病院に運んでしまったということもあります。

パニックを起こさないために、死亡前に起こる変化を知っておくことも大切です。
人によって最期の道筋は異なりますのであくまで参考程度にとどめて置き、何かあった時はかかりつけ医や訪問看護師の指示を仰ぐようにしてください。

死が近づいてきたときの状態

  • ウトウトした状態が増え、眠っていることが多くなります。
  • 食欲がさらに落ちて、食事の量が減り、水分を摂ることも難しくなります。
  • 時間や場所について混乱します。知っているはずの人のことも分からなくなります。
  • 奇妙な動きをしたり変なことを言ったりすることがあります。これを不穏と言います。
  • 便、尿の失禁をするようになります。徐々に尿量が減りほとんど尿が出ない日も出てきます。
  • 口唇が乾燥し、粘着な分泌物が口の中に溜まります。呼吸をするとゴロゴロという音がします。
  • 皮膚が青白くなり、身体の下になった部分や手足は冷たくなり暗赤色になることもあります。
  • 呼吸は、だんだんと弱くなり、胸や腹の動きが彼のように大きくなったり、小さくなったりします。不規則になります。時には10~15秒くらい止まることもあります30秒間、呼吸しないくなることもあります。

死が近づいてきた状態であっても聞き慣れた人の声は、聞こえているといわれています。聴力は最後まで残ると言われています。聞こえにくくはなりますが、耳元に座り話しかけるそのためこのタイミングでお別れの言葉をかけるなどするとよいでしょう。

死が訪れたときの状態

  • 呼吸が完全に止まり、胸や顎の動きがなくなります。
  • 手足が冷たくなり、皮膚が暗紫色に変わります。
  • 胸に耳をあてると心臓の音がせず、脈もふれなくなります。
  • 揺り動かしても、大声で呼んでも全く反応がなくなります。
  • 目は動かず、まぶたは開いていることも閉じていることもあります。
  • 尿や便の失禁がみられることもあります。

自宅で看取った後

自宅で看取った後

自宅で看取った後は医師が死亡確認をします。医師が間に合わないこともあるため看取った家族が死亡時間を覚えておきます。この時間は死亡診断書という書類作成の際に使用されます。
すぐに体は固くならず、皮膚もまだ温かい状態です。十分にお別れをしてください。
その後、看護師とともにエンゼルケアと呼ばれる死後の処置をします。
身体をきれいに拭き、髪や顔を整えます。顔は血色をよく見せ、生きているように見えるようにお化粧をすることもできます。また、洋服も好きなものを着せることができます。生前によく着ていた洋服や思い出の服などがあれば用意しておくのもよいでしょう。とよいです。

死後、警察が来ることもありますが形式的なものですので安心してください。

 

参考

在宅での看取りに関する手引き

※この記事は2020年3月時点の情報で作成しています。

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監修者:小笹 美和

介護業界・区役所勤務経験を経て、相続コンサルタントに転身。
介護保険訪問調査員など高齢者との1,000件を超える面談実績を持つ。 高齢者にもわかりやすい説明とヒアリング力には定評があり介護にも 強い相続診断士として多くの相談を受けている。
終活や相続・介護と幅広い視野から話すセミナー講師として全国で活動をしている。