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相続の仕組み

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亡くなった人の財産を受け取ることを「相続」といいます。誰がどの程度受け取れ、また相続にはどのような制度があるのでしょうか。

それぞれの名称と開始時期

まず財産を受け継いた人を相続人、亡くなることで財産を与えた人を被相続人と呼びます。相続は被相続人が亡くなった日が始まり(開始)と法律で定められています。

実は人が亡くなってから数カ月経っても、誰が財産を受け取るのか決まらないケースが多いそうです。それでも亡くなった日から決められた期間内に、申告や納税をしなければなりません。

さまざまな相続の種類

財産の相続にはさまざまな形があります。

相続

一般的には亡くなった人が生前、誰に財産を渡すのか決めていない場合です。被相続人の財産は、法で定められた通りの相続人に引継がれます。最も多いとされているケースです。

遺贈

亡くなった人が生前、相続人または相続人以外の誰にどのくらいの財産を渡すのかを「遺言書」で指定しているケースです。受け取る相手の承諾は必要ありません。

>>遺言書とは

死因贈与

亡くなった人が生前、誰に財産をあげるのか「契約」で決めているケースです。遺贈と異なるのは、財産を渡す人も「あげる」ことを表明しているだけでなく、財産を受け取る人も「もらう」と承諾している点です。

生前贈与

自分の意思で相続人を決め、亡くなる前に財産を渡すケースです。死亡後に起きる相続争いを防ぐためや、相続税を節税するために選ばれる方法です。

相続人の範囲と順位

相続する場合、誰までがどのように財産を受け取れるのでしょうか。相続できる人の範囲と順位は民法で決められています。

被相続人の配偶者は必ず相続人になる

被相続人の夫や妻などの配偶者は、必ず相続人になります。

第1順位:被相続人の子

被相続人の子、養子、婚姻関係にない相手との子(認知している場合のみ)、胎児も無事に生まれてくれば相続人になります。

子らがすでに死亡しているときには、孫が相続人になります。

第2順位:被相続人の父母

子や孫がいない場合は、被相続人の実父母または養父母が相続人となります。父母がすでに死亡している場合は、祖父母が相続人です。

第3順位:被相続人の兄弟

子や孫、父母や祖父母がいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹も亡くなっている場合は、甥や姪が相続人となります。

相続権のない人

次の人が相続人になるには、遺言書などが必要です。

・内縁の夫や妻
相続人になれるのは婚姻届けを提出している配偶者です。しかし遺言で相続を指定すれば、対象にすることはできます。

・離婚した元配偶者
ただし父(または母)と血縁関係にある子は、「嫡出子」として相続権は残ります。

・再婚した配偶者の連れ子
再婚した配偶者はもちろん相続人になれますが、血縁関係のない子などは相続人にはなれません。相続人にするためには、生前に養子縁組をする必要があります。

・相続に関して法に触れる行為をした者
故意に被相続人や先順位にある人などを死亡させた者、殺人未遂などで刑に処せられた者、または詐欺や脅迫による遺言の妨害、遺言の取り消しや変更を妨げた者などは相続人になれません。

相続人の相続割合とは

相続人が複数いた場合、配偶者や子はどのような割合で財産を相続できるのでしょうか。

遺言書で指定がない場合には、民法で各人の受け取れる割合が定められた「法定相続分」を基準に、相続人同士の話し合いで決めることになります。

配偶者のみ

配偶者が全額相続します。

配偶者と子

配偶者:2分の1
子供:2分の1(子供が複数いる場合は、2分の1の財産を人数分で均等に分割します)

(例)遺産総額6000万円で、妻と2人の子がいた場合、
妻:6000万円×2分の1=3000万円
子供A:3000万円×2分の1=1500万円
子供B:3000万円×2分の1=1500万円

被相続人の子のみ

均等に分割します

また、子がいない場合の相続は下記のようになります。

配偶者と父母(祖父母)

配偶者:3分の2
父母(祖父母):3分の1(父母が複数いる場合は、均等分割します)

配偶者と兄弟姉妹

配偶者:4分の3
兄弟姉妹:4分の1(兄弟姉妹が複数いる場合は、均等分割します)

父母・祖父母のみ、兄弟姉妹のみ

均等分割します。

ただしこの「法定相続分」は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかった際の取り分を示したものです。強制的にこの割合で分割されるわけではありません。

《特別受益の制度とは》

相続問題でもめる原因の一つに、「生前に受けていた援助の差」があります。生前に援助を多く受けていた相続人に、法定相続分の通りに分割すると、不公平が生じて相続人間でトラブルに発展してしまうことがあります。

生前に受けていた援助を「遺産の前渡し」と考え、不公平を是正するのが「特別受益の制度」です。開業資金や住宅資金、海外留学などの資金が該当しますが、生活費の援助は該当しません。

遺留分とは

「遺留分」とは、相続人が最低限受け取れる相続分となります。

基本的には財産の処分方法は、亡くなった人が遺言書などで自由に決められます。ただし、全財産を他人に渡してしまった場合、残された家族が生活に困ることがあります。

そのために相続人が最低限受け取れる財産を、「遺留分」として法律で保証しているのです。よって遺留分は亡くなった人(被相続人)も自由に処分できません。

また遺留分を受け取れるのも配偶者と子、父母(祖父母)のみで、兄弟姉妹には認められていません。

主な相続財産の評価方法

亡くなった方の遺産を受け継ぐには、まず財産を確定しなければなりません。それはどのように評価されるのでしょうか。

預貯金

・銀行の普通預金、郵便局の通常預金は、通帳の残高がそのまま評価額となります。
・定期預金や定額貯金は、現時点で解約した場合の元金と利息の合計額です。

株式

・上場株式は以下うち、最も低い価額により評価します。
①相続の開始があった日の終値
②相続の開始があった月における、終値の月平均額
③相続の開始があった月の前月における、終値の月平均額
④相続の開始があった月の前々月における、終値の月平均額
・未上場の株式は、税理士などの専門家に依頼して評価額を算出してもらいます。

建物

・固定資産税評価額によって資産価値が決められます。
・これは各都道府県の税事務所や市区町村役場の固定資産課で確認できます。

宅地

・市街地は路線価で評価されます。路線価とは道路(路線)に面する標準的な宅地1平方メートルあたりの価額のことです。
・路線価は税務署や国税庁のホームページなどで確認できますが、土地の形状によっては一定の補正率をかける必要があります。
・市街地以外は倍率方式で算出します。倍率方式とは路線価が定められていない地域の評価方法です。
・これは固定資産税評価額に一定の倍率をかけて計算するもので、倍率は国税庁のホームページにある、評価倍率表の「一般の土地等用」で確認できます。

相続放棄・限定承認

相続放棄

相続が開始されると、相続人が一切の権利・義務を引き継ぎます。もし亡くなった人が多額の負債を抱えていた場合、相続人に返済の義務が生じてしまうのです。こういった負の相続を避けるために、「相続放棄」という方法があります。

相続放棄とは「プラスの財産もマイナスの財産も引き継がない」というものです。

これを行う場合には、相続の開始を知った日から3カ月以内に、家庭裁判所に申し込まなければなりません。家庭裁判所が審理を行い、申し込みが受理されれば「初めから相続人でなかった」とみなされます。

3カ月を過ぎても申し込みを行わない場合、通常の相続(単純承認)をしたとみなされ、マイナスの財産を相続することになります。

限定承認

一方、プラスの財産が多いのか、マイナスの財産が多いのかわからない場合もあります。そんなときに利用できるのが「限定承認」という方法です。

限定承認とは「相続したマイナス財産をプラス財産で弁済し、債務超過の場合には相続人固有の財産で弁済する責任を負わない」というものです。

そして清算の結果、プラスの財産が残れば相続人に受け継がれることになります。これも相続の開始から3カ月以内に、家庭裁判所に申し込まなければなりません。

ただし限定承認は、相続人全員(相続放棄をした人以外)で行わなければならず、また「みなし譲渡所得税」が発生する場合があるというデメリットもあります。

相続手続きの流れ

具体的に相続の手続きはどのように進められるのでしょうか。下は一般的な例になります。

①親族が亡くなったら7日以内に各市区町村に死亡届を提出
②自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合は家庭裁判所が検認。遺言がない場合は、民法に沿ってそれぞれの分配額を決める
③遺言書または民法により相続の権利がある人を確定
④相続財産を全て挙げ、財産目録を作成
⑤その後、財産目録に基づき検討・手続きを実施
⑥相続の権利がある人が集まり、誰にどれだけの財産が渡されるのか相談。さらにその結果を示した遺産分割協議書を作成
⑦不動産所有権移転登記や預貯金の名義変更
⑧税務署へ申告納付
※故人の銀行口座からお金をおろす手続きができるようになるのは⑥以降です。

相続税納付前後に設けられている申請の期限

・3カ月以内:相続放棄及び限定承認
・4カ月以内:準確定申告(被相続人の確定申告)の手続き
・10カ月以内:相続税申告
・1年以内:遺留分減殺請求
・3年以内:配偶者控除などの特例適用

このように相続に関しては、さまざまな手続きが必要になります。離れて暮らしている家族や親族が集まって相談する必要もあり、非常に時間がかかります。よってあらかじめ備えておくことが大切です。

>>相続税について